月別アーカイブ: 2014年12月

春のシアサッカー祭り

サッカーって蹴球のことじゃないから たしかにトレンド的にはヴィンテージ生地ですが、盛夏には着ないですよね。って、これから冬本番なのにもう夏の話をしているのが、ファッション業界です。ホント頭おかしいよね。 各ブランドやショップが来年春の流行を予測する展示会めぐり、どこの会場にいっても目についたのが「シアサッカー」生地でした。そうです、あのちりめんみたいなシワシワのストライプ生地です。生地が薄手で表面が凸凹していて、しゃりしゃりしているので夏の汗ばんだ素肌にも、張り付かないので涼しいという。 かのブルックスブラザーズが、世界で初めて紳士のスーツに使ったのはコードレーンともシアサッカーとも言われています。今年はスーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、ブルゾンまで、しかも畝も細かったり太かったり。こんなのもシアサッカーなの?ってのが、こちらです。 上はフレッドペリーのブルゾンです。真ん中はミハラヤスヒロのジャケット。畝が太いとシワシワのところがなんだかフリルみたいです。下はタグが見えていますがインコテックス。細畝もクラシックなスーツだけでなく、短パンスーツやら、色も白×ブルーだけでないバリエーションがあります。僕はクロゼットの奥から、昔買ったシアサッカーのジャケットをひっぱりだしてきて着ようと思います。持ってるよねー。 ... 続きを読む


磨り減るほど、グリップがよくなるソール

ローテク系からハイテク系まで、大人のファッションでもスニーカーブームです。 モード方面のキャットウォークでは、けっこうみなさんスニーカーです。クラシック業界でも一年ぐらい前から早い人たちはスニーカーだったので、業界周りでは昨年の冬ぐらいにみんなこぞってスニーカーを買い漁ってました。ようやく世の中的に、おっさんもスニーカーでしょ的になってきたようで、某新宿の百貨店も来春はスニーカー全面推しです。僕は前にも書きましたが、流行りモノ着ない主義ですので、動じませんよ。ええ、今年生まれて初めてニューバランスを買った以外は(完全にブームに踊らされてます)。 こちらは原宿、銀座に店舗を構えるワールドフットウェアギャラリーさんの展示会で見つけたLOBB’Sのスニーカー。カラーコンビネーションの妙もさることながら、イタリアンなトリコロールステッチがさりげなくあしらわれていたり。シューレースが1ラインごとに色が違うのは、バイカラーの紐を一段ごと表裏にして通してるからで、こういう紐と通し方、面白いな。初めて見ました。 ドレスシューズメーカーらしく、スニーカーもきちんと木型に釣り込んで作っているそうで、ウェストがキュッとくびれています。マニアな方にはたまらなくセクシーなのでしょうが、僕は靴にはノンケなのであまりぐっときませんでした。すいません。むしろ、このスニーカー最大の特長は履きこむほど、磨り減るほどにグリップ力が増すというアウトソールにあると思うんです。 普通、靴底って削れていくとつるつるになっていくのでグリップが低くなるわけで、僕がバイクに乗るときに履くレッドウィングなんか、そろそろ2回めのソールの張り替えをしないとコケるでまじで。こちらのソールはコマンドソールの上に細かいリブを入れることで、はじめのうちはリブソール、やがてリブが削れるとラギッドソールが出てくるというシロモノ。履きこむほどにグリップ力が高まるというわけ。 ホントにグリップが上がるのかなー。リブも残ってるしさ。でも、こういう発想キライじゃないなー。発想の転換ですよね。この靴の良し悪しでなく、ファッション業界にイノベーションを見たというお話。この春、ワールどフットウェアギャラリーで3万9960円です。 ... 続きを読む


お爺ちゃんのクロゼットみたいな生地が流行中です。

古いが新しい この秋ぐらいから“ヴィンテージ風”の生地が大量に出回っています。最初に手を出したのは、たぶんラルディーニだったと思います。 PCに残ってたんですが、この写真は3〜4年前のピッティだったかな?「ARCHIVIO(※アーカイブの意味ですね)」って、いまもあるラルディーニのコレクションですが、昔のヴィンテージ生地を模した生地を現代的に再生したコレクションを発表したんです。 そのときの生地は、チェルッティ社のものでした。チェルッティ1881って、いまはオンワード樫山がライセンスを持っているブランドですが、こちらイタリアはではゼニアに勝るとも劣らない生地メーカーです。そのチェルッティ社の倉庫に眠っている昔の生地見本から、ネップ糸やらスラブ糸やら、要するに技術が低くて細く均一な糸が紡績できなかったり染色できなかったりした時代の生地を「これって、逆に新鮮じゃん!」と、現代の技術で復刻したわけですね。だから見た目はお爺ちゃんのクロゼットで見かけた服のようですが、触ってみるとしなやかでやわらかくて軽くなってるし、仕立てもフォルムも今風のアンコン&スリムなので、古着をリメイクしたようになるわけです。 で、今年の春も、そういった“古着リメイク風”のジャケットが大量です。ちょっと前まで、猫も杓子も「製品染め&洗い加工」だったのですが、最近は「ヴィンテージ風」が1大トレンド。この風潮、まだしばらく続きそうですが、製品染め&洗い加工が、ボリオリのKジャケットから10年ぐらいですから、ラルディーニのアルキビオから5年と考えたらあと5年ぐらいの寿命でしょうか。 個人的にも一枚買っちゃったので、5年ぐらい着られればいいかな。 ... 続きを読む


やんちゃな老眼鏡。

老眼鏡じゃなくて、リーディンググラスと呼んで欲しい。 いつの頃からか、A4サイズの紙資料が読みづらくなってきて、「目が霞むなー」と思ってたら老眼だったというね。もう愕然。指先にトゲとか刺さるともう最悪。眼鏡なら、はずして超目近で見ればいいんでしょうけど、私、コンタクトなので。 で、老眼鏡もといリーディンググラス。ちなみに愛用しているのは、こちら。 2〜3年前、ビームス二子玉川髙島屋店で購入しました。カモフラ柄なので、リーディングなのにオジサンっぽくないでしょ。ケースもカモフラだし、ペンケースみたいだし。ちょっと前のモデルなので、いまは無いようです。最近のビームスリーディンググラスは、折りたたみ式で片目サイズにちっちゃくなります。欲しいけど、これで十分間に合ってるしなー。 間に合ってるんだけど、コレ欲しい! と思えるリーディンググラスを発見しました。 「ダブルアイス」というイタリアのブランドで、バーニーズでやってるって言ってたかな? クリアセルのフロントとテンプルがバイカラーになってたり、フロントフレームがベルベット(コットンなのでベロアかな)になってたり。かのラポ・エルカンが手がけているイタリアインディペンダントのアイウェアみたいです。 老眼がはじまる40代には、さすがにおっさんクサイ老眼鏡もとりリーディングはノーサンキューですので、このぐらいファッショングラスなほうがいいでしょ。『MADURO』が呼んでるヤンジーにも、ぜひ。あ、ちなみに5000円(税抜き)だそうです。 ... 続きを読む