古いが新しい
この秋ぐらいから“ヴィンテージ風”の生地が大量に出回っています。最初に手を出したのは、たぶんラルディーニだったと思います。
PCに残ってたんですが、この写真は3〜4年前のピッティだったかな?「ARCHIVIO(※アーカイブの意味ですね)」って、いまもあるラルディーニのコレクションですが、昔のヴィンテージ生地を模した生地を現代的に再生したコレクションを発表したんです。
そのときの生地は、チェルッティ社のものでした。チェルッティ1881って、いまはオンワード樫山がライセンスを持っているブランドですが、こちらイタリアはではゼニアに勝るとも劣らない生地メーカーです。そのチェルッティ社の倉庫に眠っている昔の生地見本から、ネップ糸やらスラブ糸やら、要するに技術が低くて細く均一な糸が紡績できなかったり染色できなかったりした時代の生地を「これって、逆に新鮮じゃん!」と、現代の技術で復刻したわけですね。だから見た目はお爺ちゃんのクロゼットで見かけた服のようですが、触ってみるとしなやかでやわらかくて軽くなってるし、仕立てもフォルムも今風のアンコン&スリムなので、古着をリメイクしたようになるわけです。
で、今年の春も、そういった“古着リメイク風”のジャケットが大量です。ちょっと前まで、猫も杓子も「製品染め&洗い加工」だったのですが、最近は「ヴィンテージ風」が1大トレンド。この風潮、まだしばらく続きそうですが、製品染め&洗い加工が、ボリオリのKジャケットから10年ぐらいですから、ラルディーニのアルキビオから5年と考えたらあと5年ぐらいの寿命でしょうか。
個人的にも一枚買っちゃったので、5年ぐらい着られればいいかな。