トレンド」カテゴリーアーカイブ

いまどきの服はオーバーサイズじゃない

流行のシルエットはGUのユル~いシャツがお手本  ファッションの流行をつくりだすデザイナーズやメゾンのトレンドを、GUはじつに上手く取り入れている。たとえば今季なら、多くのデザイナーがトップスもボトムズもビッグシルエットを展開しているの。断っておくがオーバーサイズじゃない。あくまで「オーバーサイズシルエット」だ。身頃はぶかぶか、袖も長いけど、ネックサイズはジャストでなければならない。 GUのコレクションは正にそんなオーバーサイズシルエットの宝庫であり、とくに「シャツアウター」のカテゴリーは、欧米のデザイナーズブランドが掲げる最新のトレンド服が上手にアレンジされていた。  たとえば「ドライワイドフィットオープンカラーシャツ」。半袖シャツだが、袖先が肘下ぐらいまでの長さで、肩線の位置も二の腕に下がっている。身幅も大きいのだが、着丈はほどよく腰丈に収められている。これなら海外のデザイナーズブランドのカジュアルシャツとデザイン、シルエットともに見劣りしないだろう。サイズはM表記。よくみればタグにも「5分袖」と明記されていて、なるほど最初から通常の半袖シャツより袖が長いことが示されている。吸汗速乾性のある素材はさらりとしたドライタッチで、夏場は一枚で着ても心地よさそうだが、シニアには中にTシャツを一枚挟んで胸元をはだけない着方をおすすめする。GUのWEBサイトでもそのように着られている。 https://www.gu-global.com/jp/ja/products/E332630-000/00?colorDisplayCode=67  同じ素材のパンツもゆったりとしたワイドシルエットでリリースされているのだが、これも今年のトレンドの最先端を行く。一瞬いまの世界の流行は、GUがつくりだしているのでは?と思いそうになるが、もちろんGUが世界中のファッショントレンドをじつによく研究しているからにほかならない。トレンドセッターである本家ならばロゴや切り替えデザインなど、様々な要素を盛って「最新」を謳うのだが、少々味が濃すぎてメディアも食傷気味だったところへ、ほどよくトレンドの核心を残して余計な装飾を取り払っているGUが好感を持てた。もはや流行を追う年齢でもないが、流行服を知ることは「時代遅れ」や「ダサい」を回避するためにも有効。シニアのカジュアルにもきっと役立つ。 ... 続きを読む


Yahoo!ニュースさん、コートの袖のタグ、もう外さなくていいんじゃない?

そろそろ流行のお洒落テクとして認めてもいいのでは? 「コートの袖のタグ、取らずに付けっぱなしの人がいるワケ」 たしかに「生地タグははずす」のが正解なのですが、これって昔から似たようなことが何度も繰り返されているじゃないですか。 もう、生地タグつけっぱなしって、お洒落の小技で良いんじゃないですかね。 そもそも、似たような「つけっぱなし」テクって、昔からあるんですよ。 記憶に新しいところでは「Orobianco(オロビアンコ)」。 オロビアンコって、これね>>> 若いビジネスマンに大人気のバッグブランドで、丸の内や大手町では指定鞄かよってぐらい見かけました。 このリボンが目印で、店頭に陳列しているときからイタリア国旗と同じトリコローレのリボンがついてブランドロゴが描かれています。 たしかにイタリアブランドらしいデザインで、ちょっと洒落てますし、ブランドを見せつけたいという気持ちもあってか、これを取り外さずに持ち歩いている方も多かったですね。 なんかいま調べてたら、メルカリとかでもこのリボンだけ取引されてるっぽいし、完全にアクセサリーなんでしょう。 じゃ、外さなくてよくないですか。   少し前にはシマムラで、生地タグ付きハリスツイードの小物が登場したことで、これが女性の間で大人気になりました。 シマムラのじゃないけど、こういうの>>> 描かれているのオーブといって英国王室の象徴です。ハリスツイードは、イギリスの北部スコットランドのアウターヘブリディーズ群島で織られているゴリゴリのツイード生地。 スコットランドに限らず、英国各地であの固くて重いツイード生地は織られていますが、産地限定で、昔ながらの決まった素材と織り方のものだけに、本物の証としてこのオーブマークが付けられます。 このマークがかわいいと評判になって、シマムラで大人気になったのですが、はい、もうこのロゴご存じですよね >>ヴィヴィアンウエストウッド 80年代パンクス、90年代ビジュアル系、その後もいつの時代でもファンがいるヴィヴィアンウェストウッドも同じオーブのマークなわけです。 当時大人気だった漫画の「Nana」で、主人公のナナが着てたのがヴィヴィアンウェストウッドでした。 映画でもナナを演じた中島美嘉が着てたんじゃないかな。 これが女子ウケの理由かと。 ストリート系では「New... 続きを読む


2017AW展示会メモ2(シーラップ、グランサッソ、チャップマンetc,)

ライターズ・スタイル6  2017年秋冬期・展示会メモの第二弾。今回は奥青山にあるSDIさんにお伺いしてきました。こちらは本っ当にホスピタリティが素晴らしく、居心地の良さすら感じてしまう、色々な意味で実力派の商社さんです。(一般的に“展示会”は、バイヤーさんがそのシーズンに買い付けをする場所であって、一銭も落とさないエディター・ライターなどは、いわゆる外野的な存在なのです)。今回もいつものようにご丁寧にアテンドしていただき、数多くの興味深い新作を間近にチェックすることができました。なかでも僕のハートに刺さったアイテムを、順繰りにご紹介していきたいと思います。  いきなりのトップ1がこちら! ナイロン製のモダントレンチなどで有名な伊国シーラップの新作コート。  ネイビーの縮絨による一着は、誰もがお馴染みのピーコート型。ただし写真の一着は某セレクトショップの別注モデルとのことで、様々なエッジが込められているのです。確かに服好きのツボをくすぐる仕上がりで、僕も一発で気に入ってしまいました。一番のポイントは、なんと言ってもちょっと長めの着丈にアリ。総じて来季の外套におけるトレンドは、チェスターにしろバルカラーにしろ膝丈、もしくは膝下までのロング丈。このピーコートに関しては、それよりショートなスリークオーター風ですが、従来のピーコートに較べたら断然ロング。ピーコートは僕も私物として米国海軍のいわゆる“実物”を10数年愛用しているのですが、いかんせんメルトン生地が本物過ぎて尻丈なのにややヘビー。もちろんソレを承知の上での購入でしたが、僕ももう47歳。常にスタミナ漲る体調というワケにはいきません。たまには軽めで済ませたい気分のときもあるのです。そこへいくとシーラップの新作は、モダンな一着らしく非常に軽快な仕上がり。しかもダンディな長めのレングスです。確かに言葉にすればそれだけの要素ですが、“普通っぽいのにどこか新鮮”というスペック作りは、熟練のセンスが無ければ成しえないもの。コレはきっとヒットするに違いないハズです。金ボタンも特別なこだわりがインプットされているらしく、ご担当氏いわく「かなりの力作です!」とのこと。うーん、コレは欲しい……。  そしてSDIさんといえば伊国ニットの名手、グランサッソを取り扱っていることでも有名。来季モノとして、個人的にモックネックのセーターに目が留まったのでした。  ご担当氏に伺ったところ「クルーネックはやや出尽くした感もあります。また、タートルネックも一定の人気をキープしていますが、言ってみればもう定番。その次なる発展系として、今回モックネックを打ち出そうと考えたのです」とのこと。なるほど。コットンの厚地天竺みたいなモックはたしかに去年もよく見掛けました。でも、ラグジュアリーなハイゲージ・モックはありそうでなかったモノ。コットン・モックはちょっとチープなところが若々しい魅力を感じさせるハズし系でした。しかし、やっぱり大人が着るならウール製かなと改めて納得したのでした。 さて、ZEROYON注目アイテムの第三弾がこちら。英国アウトドアバッグのトラッド、チャップマンの新作手提げ鞄。  いわゆるトートにカブセを持たせたようなデザインなのですが、ほど良くエレガントな顔付きが最高です。もちろんボディはチャップマン伝統の野趣あふれるキャンバス仕様。その素朴な素材使いと上品系デザインの取り合わせが実にイカしているのです。「へぇ〜、昨今は伝統的な英国ブランドも、ミックスセンスに長けてきているんだなぁ」などと思っていたら、ご担当氏がすかさず「こちらも某セレクトショップの完全別注モデルです」とのこと。なるほど良くできてるワケですね! ★どーですか、皆さん。素晴らしいラインナップだったと思いませんか。 ええ!?... 続きを読む


2017AW展示会メモ(ヘンリーコットンズetc,)

ライターズ・スタイル4  またまたスミマセン。ゴールデンウイークの慌ただしさがようやく落ち着いて、告知どおり「スリッポン」のページをアップしようとしていたのですが、やってきちゃいました展示会のシーズン。僕等ジャーナリストにとってマストな栄養分である展示会での情報は、前のめりで摂取していかないとそれこそ死活問題。というワケで急遽今季のメンズシーンの動向を、備忘録代わりにアップしていきたいと思う次第。ちなみに僕はこのGW期間中、FB時計別冊の原稿書きに追われており、今はちょうどその後片づけ中。それにしてもFBに携わるのは本当に久しぶりで、なかでもこの時計別冊は初めてのこと。多少の緊張も実はありましたが、今回僕へのお題は「ちょいクラシック顔(の時計)」というコトもあり、自身のライフワークと合致するゆえに、興味を持ちつつ楽しみながら書くことができたのでした。もしもよろしかったら、皆さまもご一読くださいませ。  そんなこんなで、今日行ってきたのがヘンリーコットンズの2017AW展示会。いろいろ気になる秋冬期のアイテムが多彩にリリースされていましたが、特に個人的に目に留まったのは、そのコーディネイトの妙でした。英国的なトラッドをベースとしながらも、スポーティな要素と若々しいビビッドカラーを取り混ぜた着こなしは、非常にモダンで好ましいもの。  なかでもアイテムとしてハッと目に付いたのがネクタイ。これまではこういった着こなしには小紋プリントのウールタイなどがフィーチャーされがちでしたが、来季はやはりストライプの様子。このことに関しては、当ブログの過去ページである「ライターズ・スタイル1」でも触れていますが、いわゆるレジメンやクラブタイが昨今メンズシーンを広く席巻しており、その事実がここでも確認できたのでした。 ①  それともうひとつ気になったのが“巻き物”。つまりスカーフやネッカチーフのこと。来季のヘンリーコットンズではひとつのキーテクニックとして、シルクスカーフを首に巻く着こなしを提案しているのでした。これは兼ねてから僕も取り入れようと数々トライしているテクなのですが、どうも僕がやるとうまくいかない。多分ですが、僕の外人離れした顔にモンダイがあるように思うのです。このことは結構モンダイで、改めて別項を設けて語っていきたいと思います。 ② ③ ④  それとセーターにも次なる“動き”がありました。これまでセーターのカラーは黒、紺、グレー、ベージュに後はホワイト少々……。そんなド定番ばかりが取りざたされてきたのでした。が、ココに来て挿し色系がまたぞろシーンを騒がせつつあるようです。訪れたこの展示会で気になったのはペールピンクのクルーネック。写真ではちょっと分かりづらいのですが、ビンテージ風の加工が施されており、光の加減でややブラウン掛かって見える絶妙に枯れた味わいのピンク色でした。そう、白髪のジイさんなんかがお召しになったらなんともキュートに見えそうな一枚で、似合わない(似合いそうもない)自分がヒジョーにウラめしくヤんなった次第。 ⑤  そしてもうひとつ。ヘンリーコットンズにおいて2017AWのニュースとなるのが、このタイミングでローンチされた「First... 続きを読む


バイクキッズ・リターン(湘南爆走編)

ライターズ・スタイル2  いきなりスミマセン。前回予告でスウェットを~なんて言ってましたが、急遽ライターあらため“ライダー”ネタをブチ込みたく皆様に許しを請う次第。そう、ちょっとだけバイクの小話に耳を傾けていただきたいのです。  さてさて、“青柳師範代といく熊本ツーリング”からすでに約半年が経とうとしています。我々ライターを始めファッション系のクリエイターは、スプリング・サマーシーズンの仕込みということで、2月3月を中心にバタバタと飛び回って仕事をこなします。で、その狂騒劇がそろそろ落ち着き始めるこのシーズン。外気温もちょうどイイ具合に暖まってきて、そうバイクシーズンの到来です。もちろん自分の愛車を走らせるのも結構ですが、新しいマシンの情報も気になるところ。なーんて考えていたら、知り合いの編集者からやおら電話が。 「ジャイアのイベントでバイクを乗り倒しちゃいましょう!」。……!?。「ジャイアン?リサイタル?」と思っていたら、同時にそれ関連のメールも届きました。つまりジャイア(JAIA)は「日本自動車輸入組合」のことで、その団体が定期的に海外の大型二輪をメインとした大々的な試乗会を行っているとの由。くだんの編集氏は、その試乗会にわざわざ僕を誘ってくれたというワケ。いや、ほんと有りがたい話です。  で、4月某日。いそいそと会場である大磯ロングビーチに出かけていきました。もちろん僕の先輩である吉田さんも伴って。  BMWやドゥカティ、ハーレーにKTMやトライアンフなど、錚々たる10メーカーが複数台の試乗用バイクを持ち込んでいるとはいえ、多くのモーター系ジャーナリストなど報道関係者が集まるこのイベント。好き勝手に好みのバイクを乗り倒せるワケではなく、前もって乗りたい車種を主催者側に伝えておき、用意されたタイムテーブルに沿って、順繰りに乗り替えていくというスタイル。今年で第三回目ということもあってか、非常にシステマティックな運営がなされており、終始滞りなく試乗を楽しむことができたのです。このJAIA試乗会のユニークな部分は、与えられた時間枠内(最大90分)なら会場の敷地内のみならず、一般道を自由に走ってよいというところ。つまり隣接する西湘バイパスは当然、箱根のターンパイクもドライブOKだったのはとってもナイス。思う存分試乗バイクのポテンシャルを味わうことができたのでした。 で、この日僕がまたがったのは…… ・BMW... 続きを読む