トートのようでもありクラッチのようでもあり
「ただ単に、バッグを2つ折してるだけじゃんよ」なんて思った方、いますぐトゥモローランドへ。こちらWant Les Essentiels de la Vieのバッグなんですが、普段はトート、半分に折るとクラッチ風に使えるというシロモノ。トートバッグのときに使っていたハンドルは、ボトムのベルトでホールドできるので、クラッチの形状を保てます。持ってみるとサイズ感といい、編み込み素材のアクとシンプルなデザインのバランス感といい、使い勝手といい、すごくいいんです。
ここで二つ折りのまま中身が取り出せるように、半分に折れた部分にジップでもついてればいいなと思ったけど、そこまではちょっといってないみたいです。とはいえメンズのバッグになかった発想。レディスでいうとロンシャンのトートとか、メンズでもマリネッラのソットブラッチョぐらいでしか見かけないタイプなんですが、もっと増えて選択肢が広がるといいのにな、と思っています。吉田かばんとかにもありそうですが、大人の男性が使う機能鞄って、じつはあんまりないんですよね。男の発想にないのかな?
Want Les Essentiels de la Vieって、「ウォント レ エッシェンシャル デ ラ ヴィ」って読むんですが、長いので「ウォント」でいいそうです。取り扱いのトゥモローランドのプレス関内くんが言ってましたから。で、このウォント、素材や機能やサイズ感やデザインや、もっといろいろあるんですが、デザイナーはカナダ出身の黒人双子。なんだか男が作るバッグって感じがしないなー、と新鮮に思っていたいのですが、どうやら兄か弟かどちらかがゲイだかバイだだそうで、なるほどそういうセンスフルなところが見事に現れているわけですな。
トム・フォードやジョルジオ・アルマーニ、エディ・スリマンの例を出すまでもなく、この手のマイノリティな人たちって、センスフルで発想が新しいというか、既存の考え方にとらわれずに美しいものを生み出しますよね。男声で吹替えされている海外のメンズデザイナーのインタビュー映像が、頭のなかで全部雁屋崎さんかIKKOさんの声に変換されますけど。