40年ぶりの太シルエット&くるぶし丈 シニアのカジュアルを改善するなら、パンツを新調するのが手っ取り早く確実だ。その理由は、いまどきのカジュアルはパンツが主役だからである。じつは、ここ10年ほど、ボトムズシルエットは目まぐるしく移り変わっている。少し前に流行った「美脚・脚長シルエット」の特徴だった「ノータック」「スリムテーパード」のブームは、この10年の間で太くなったり、細くなったりを目まぐるしく行ったり来たりしている。そこへきてウェストがベルトループのない仕様だったり、スウェットパンツやパジャマパンツのようにゴムシャーリングやドローコードでアジャストするイージーフィッティング、腰回りにタック(プリーツ)が入ったゆとりある腰回りや、くるぶしが覗く短い丈が様々にピックアップされ流行している。 ファッションに詳しい人なら、このパンツ、シニア世代には懐かしい80年代に流行したスタイルだということに気づくだろう。トシちゃん(田原俊彦)やとんねるず、久保田利伸らが歌い踊る衣装が、まさにこんなボトムズだったことを。じつはファッションはいま派手なロゴやビッグシルエットなど80年代回帰して降り、パンツのデザインにそれが顕著に表れている。 https://www.gu-global.com/jp/ja/products/E333898-000/00?colorDisplayCode=09 たとえばGUのアンクルパンツシリーズは最新のゆったりワイドなシルエットを取り入れながらも、どこかそんな80年代の雰囲気を呈していて若い人には新鮮だ。ワイドシルエットといってもいわゆる寸胴型ではなく、しっかりテーパードしている点が80年代とは一線を画す。腰から太ももに掛けて風になびくと衣服内の空気が動くし、足首が覗く丈ゆえ裾から風も入るので、盛夏も涼しく穿ける。伸縮性のあるポリエステル生地は、さらりとドライなタッチが心地よく、シワになりにくく自宅で洗濯できるイージーケアも便利そうだ。 ちなみに同じGUからリリースされている共地のシャツとセットで買うことをおすすめする。上下共地のセットアップスタイルも、いま流行りのお洒落スタイル。これぞ最新の「甚兵衛スタイル」として、シニアにも着やすいはずだ。 ... 続きを読む
「パンツ」カテゴリーアーカイブ
もう「デニム」には戻れない
ユニクロ「EZYジーンズ」は見た目ジーパン、履き心地スウェット リーバイスに始まる藍色の5ポケットパンツを「ジーパン」「ジーンズ」と呼ぶが、最近は「ジーパン」見えする商品をすべて「デニム」と呼ぶようになった。本来は綾織組織の綿布のことを指す名称だが、生地の織り方にこだわらず、平織り化繊地の5ポケットパンツを「デニム」と呼ぶことすらある。さらなる混乱を招くつもりはないが、これからの「デニム」の主流となるであろうパンツがユニクロから登場した。 https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E428685-000/00?colorDisplayCode=67&rrec=true スウェット地はトレーナーやパーカ、あるいは寝間着のパジャマなどで使われるニット素材だが、これを「ジーパン」見えする5ポケットパンツに仕立てたのが、ユニクロの「EZYジーンズ」だ。じつは以前から、スウェットパンツをジーパン風に仕立てたアイテムは他メーカーで存在したのだが、ユニクロが手掛けることで一般化することは間違いなく、これから「デニム」はスウェット地のブルーまたはブラックの5ポケットパンツが席巻することになるかもしれない。 この「EZYジーンズ」、見た目はデニム生地のジーパン風だが、素材はスウェット地である。前開きはジップフライでトップはドーナツボタンを採用しているが、内側にドローコードが取り付けられている点は、流行りのイージーパンツ風で、ベルト不要で穿けるためウェストが苦しくならないのがいい。ポケットの形状はデニムと同じくフロントはLポケ、バックはベースボール型のパッチポケットを配しステッチも2重。フロントポケットと右コインポケットの端部分にはしっかりとリベットも打たれており、インディゴブルーの紺色と適度に色落ちした薄いブルー、そしてブラックがカラーバリエーションとして用意されている。 つまりデザインは完全に細身の「ジーンズ」なのだが、スウェット地なので足曲げがこのうえなく快適だ。しゃがんだり正座したりできるうえに、このまま寝ることだってできる。店頭ではくるぶし丈の短めラインナップだが、オンラインショップでは長め丈も買える。この快適さを知ってしまったら、本物には戻れないことを覚悟のうえで体験していただきたい。 ... 続きを読む
「グレーパンツの履き分け方」
ゼロヨンテレビ ネイビージャケットにグレーパンツというのは、誰にでも似合う鉄板のジャケパンスタイル。ですが、グレーならなんでもいいのかというとはそんなことはありません。グレーの色の濃淡や、素材の選び方など、ちゃんと目的にあった選び方をしていますでしょうか? メンズファッション... 続きを読む
流行予想の答え合わせ5 「プリーツパンツ」は来たのか?
兆候はここにありました 先日も書きましたが、じつは今年、有力セレクトショップはこぞって「タック入りパンツ=プリーツ入りパンツ」を推しています。今春ぐらいから本格化してきて、今秋はさらに拍車がかかっています。以前はタックと書きましたが、タックだと縫い付けて閉じてしまっているものもあるので、いまは「プリーツ」に統一された感じですね。断言します、プリーツパンツは来ました。 「プリーツ」って何? という人はコレのことです。 パンツのクリース(折り目)の上部が、折りひだになっています。これが片側に一本のときは「ワンプリーツ」、2本のときは「2プリーツ」。3本以上あるのはクラシックではやり過ぎですね。 ちなみにノープリーツだとこう。 前身がすっきりして見えるということで、細身スーツが一般化してから標準はこうですね。 2年前、「プリーツパンツ、タックパンツ」というキーワードはお洒落の最先端をいく人たちのものと捉えられましたが、そもそもこの「プリーツ」は、お尻の頂上の高さをとりながら細いウェストへと生地を詰めていくため、腰回りに余った布地を詰めるための昔からある仕様です。いまから10年ぐらい前までは、スーツも少々余裕のあるシルエットでしたし、ごくごく普通に見られるものでした。ジャケットも肩パッドがあるものがほとんどでしたし、パンツも裾幅20cm、ワンクッションではくのが普通でしたから。 それが90年代後半あたりから、メンズファッション誌を中心とするマーケットリーダーが「ピタピタの細身スーツがスーツの正解」とするようになります。そうなると、当然パンツも細身じゃなくちゃってことでノープリーツパンツが増えまして、雑誌やショップでノープリーツパンツばかりが露出するようになったわけです。つまりは率先してノープリーツを流行させたと言えなくもない。 もちろんトレンドとは無縁のスーツ屋さんや、ファッション誌に左右されないユーザーさんなど、マスマーケットにとってブリーツのありなしなんて仕様の違いぐらいのことでしたので、気にすることでもなく、プリーツパンツとノープリーツパンツは共存していたわけですが「なんとなく世の中的にノープリーツが多くね?というイメージはあったのではないでしょうか。 マーケットリーダーは、つねにユーザーに飽きられないように新しいものを探しています。ノープリーツが長いこと市場に鎮座ましましていたところに、「プリーツ入りってなんか新しくね?」と気づいたのが2年前。徐々にプリーツ入りは浸透してきまして、いよいよもって欧米のサプライヤーを巻き込んでの一大トレンドへと集約されました。 というわけでインプリーツでもアウトプリーツでも、ワンプリーツでもツープリーツでも、とにかくプリーツ入りのパンツを履いていれば、こちらのファッション業界では一目置いてもらえそうです。「春からもうプリーツパンツしか売れない」というプレスもいたりするほど。 もちろん「プリーツ入りパンツ」のシルエットは、ここ最近のノープリーツパンツ同様、ヒザ下からテーパードしています。裾幅はバランスをみながら16.5~18cmぐらいに設定するのがよさそうです。そのうえモノによってはサイドアジャスター付きだったり、ベルトレスだったりもしますし、ベルトではなくサスペンダーを使うこともあるようです。 これまでメンズクラシックの流行は、ゆっくりと進行していたのですが、ここ10年で情報の広がりは紙媒体やショップからWEBに大きく移行したこともあり、一気にガラリと変わることはないにしても変化率は加速度がありそうです。これまでの「ノープリーツ」時代の終焉と新たなトレンドの拡大は、これから先の10年を支配する一大潮流となりそうな予感です。 メンズファッション... 続きを読む
流行予想の答え合わせ3 柄パンはどうなった?
ボタニカル柄とかありましたよね。。。 前後年にモード界ではグッチやトム・フォードが「ボタニカル柄(植物柄)」の打ち出しをしていたこともあり、クラシックスタイルにもカラーパンツとか柄パンツとかが打ち出されていたはずです。... 続きを読む