仕事したくないときほど、裁縫がしたくなります
パンツは裾丈を直すだけでなく、膝から下をテーパードさせるように絞ることが大切だ、と何度か書かせていただきました。BEAMSのクリエイティブディレクターの中村さんも同じことをおっしゃってますね。
お直し代が結構かかります。インポートのパンツなら3万円ぐらいするのに、お直し代が5000円超えるなんてこともあります。でも、これ相応の技術料だと思うんです。自分で直してみたこともあるんですが、完璧に美しくはなりません。そこそこにはなりますが。美しいパンツはS字のカーブを描いているので、このカーブを活かしながら修正するのはプロに任せたほうがいいんですが……。「そこそこ」でよければ、直し方を以下に。
1 まずパンツを履いて、膝のすぐ下位置をまち針などでマークします。
2 ふくらはぎの一番張ってるところが、どれぐらい削れるかを調べます。このとき、パンツを履いたまま、膝を曲げ指で摘んで余分な量を図ります(膝を曲げた方がふくらはぎ位置が上がります。そこで削れる分量を図らないと、歩いているうちにパンツがずり上がってきます)。2㎝摘めたら、削る分量は半分の1㎝ぐらいにしておきます。まち針などでマークしておきましょう。
3 裾幅をどれぐらい削れるか調べます。最近のトレンドは16.5〜18㎝でしょうか。カジュアルに履きたいなら細身に、ドレス用に履くならちょっと太めに残しておきましょう。裾のダブルは解いておいてください。
4 パンツを裏返したら、削る分量の半分ずつを、サイドシームの内側・外側に設定します。ふくらはぎの位置を1㎝詰めるなら、内・外を0.5㎝ずつ、裾幅を2㎝詰めるなら、内外とも1㎝ずつ削るので、チャコペン(僕はサインペン 笑)で適当に線を引きます。
5 マークした膝位置から斜めにカットインして、裾まで一気に縫います。このとき最初はあまり削らず緩めにしておいて、ふくらはぎのマーク位置からは裾までシャープに削ります。
6 縫ったステッチより外側にはみ出たもとの縫い目の糸をリッパーでカットして、縫い代をアイロンで割ります。縫い代が余りすぎるところはカットしてロックミシンをかけるか巻き縫いして端を処理します。
3 最後に裾を詰めます。裾の詰め方はググってください。
安易な直し方ですが「そこそこ」細くなります。細くテーパードさせ過ぎると、ふくらはぎが干渉して履きにくくなってしまいます。1cm細くなるだけでも見栄えは大きく違うので、まず1㎝削ってみて、表に返して履いてみて、もっと削りたいなら0.5㎝削るというふうに”仮縫い”しながらやってみるのがよいのでは。
練習用に、ロードサイドの紳士服量販店で1,000円ぐらいのパンツを買ってきて直してみるのもいいでしょう。実際、僕は3本ほど直してみました。「そこそこ」履けるシルエットになりましたが、素材感が安っぽいので、ご近所散歩かコンビニ用ですが。