日本にもパンツ専業があります
「膝裏がついてないから安物だ」。こういうお父さん、まだ多いんだそうです。先日某百貨店で聞いた話。そんなこといわれたらインコテックスもPT01も失格です。膝裏は、太腿から膝まで、裏地としてフラした状態で取り付けられて生地のこと。これがあると、足の滑りがよいので履きやすいというか、パンツを履いて歩くときに足に絡まず歩きやすいのだそうです。ぼくは膝裏のついてないパンツをはいても、歩きにくくないけどね。
パンツで一番重要なのはシルエットだと思っています。中でも重要なのはお尻周り。ここがぴったりフィットしてないと太腿が余り過ぎてテーパードもきれいにでないし、ポケットの縁が浮いたりして、どうにもカッコよくないんです。試着のときは腰回りと尻周り、そして尻の下太腿の付け根周りのフィットを確かめます。膝下なんてお直しで対応するからどうでもいいんです。腰回りだけはお直しするのは、かなり難しいので。
INCOTEX、PT01、ROTA、G.T.A、J.W.BRAINE、GERMANOなどなど、イタリアパンツの専業ブランドは、次から次へと発掘されて日本にはいってきています。でも日本にものパンツ専業メーカーがあるんです。最大手はエミネント社といいまして、大阪が本社のパンツメーカーです。海外工場もありますが、国内工場もあります。
エミネントは主に様々なブランドのOEMを手がけているのですが、百貨店の平場には自社ブランド「サクソン」や「カルツォーニ」のパンツを並べています。これがですね、けっこういいんです。車内デザイナーが、じつにパンツのことをよく研究しているし、日本の細かな技術を巧みに使っているので、仕上がりがじつに見事なんです。
そのあたりのお話を明日。