雑誌で書けないヘンリーコットンズ

生まれ変わりました

昨日の約束通り、ヘンリーコットンズのお話を。

雑誌では書けませんが、ヘンリーコットンズはイタリア版ラルフローレンといいたくなるようなブランドです。以前は、レナウンがライセンスブランドとして展開していましたが、数年前にライセンスが撤廃され、現在は完全にイタリアからのインポートブランドになりました。そのため、けっこうイタリアンなイメージが先鋭的でファッショナブルなコレクションとなっています。

いま主流のイタリアンシルエットに、発色の良いプリント柄や個性的な素材が使われていて、大人の上品カジュアルスタイルブランドといったところ。年2回フィレンツェで行われる紳士服の世界的な展示会、ピッティ・イマージネ・ウォモでもブースを構えていますが、こちらはかなり攻めた内容で、どこかのモード系メゾンのエキジビジョンかと思わせるほど。イケメンモデルを何十人も揃えたりして会場中を練り歩いたりと、注目の存在です。日本では、このアグレッシブな感覚は抑えられ、もう少しベーシックでシンプルな部分だけが紹介されているのは、ちょっと残念ですが、レナウン時代からの顧客層がびっくりしちゃうので、無理なのかもしれませんね。メインラインと別に「ラギッド」コレクションという、若者向けのラインもあります。

先日の展示会では重ね着の仕方や小技の使い方がイタリアらしく洒落ていました。シャツと同柄のハンチングやスカーフを使うなんて、かなりお洒落ですよ。昨年は登山ブーツに厚手のハイソックスを合わせてスラックスをタックインしてみせたり、シャツとパンツを柄物にしてみたり。こんな具合に。

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けっこう上級のテクニックを駆使してディスプレイされるのもこのブランドならでは。普通の服なのに、こんなふうに小技を使うと、すげーカッコいいじゃん!という典型的なコーディネート例が参考になります。

でも、でも、ですね。ショップが展開されているのは、老舗の百貨店のインショップ。となると、ファッション誌とか読まない一般のお客様が顧客なわけです。しかも、レナウン時代のお客様は、ファッションコンシャスというよりも、上品で落ち着いたシンプルな服がお好きなおじいさま方。「最近、雰囲気変わったねー」と言いつつも、これまで同様に買ってくれているお客様に「うち、インポートブランドになったから、もっとお洒落に来てもらわないと困るんスよねー」とはいえず、本国の先鋭的なイメージが伝わりにくくなっているのは、ある意味残念です。伊勢丹のお店では、レナウン時代を知らない若いお客様も増えているとか。「LEON」か「MEN’S EX」あたりで8Pぐらいどーんとタイアップページを作ったら、一気にブレイクすると思うんですけどね。

少しでもご興味もたれたら、ヘンリーコットンズのお店を覗いてみてください。モード系まではいらないけど、じじくさいクラシックないらないんだよね、というラルフローレン好きの人なら、きっと響くブランドです。

 
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