マエストロは82歳になりました。
HBD。7/11にあげようと思って書いてたんですが、写真のデータがどういうわけかうまく貼れなくて。。。月内なので、まだいっかな、と。
カール・ラガーフェルドは1歳年上ですが。昨年、ミラノ市内のポルタジェノバにあるアルマーニ本社前に「ARMANI SILOS(アルマーニ シーロス)」が完成しました。ずっと「サイロス」だと思ってました。「SULOS」とはイタリア語で「穀物貯蔵庫」を指す言葉で、それって「サイロ」のことですから「サイロス」じゃね? と思ってたんですがどうやら日本でも「シーロス」で定着したようです。
最寄り駅のポルタジェノバ駅に着くトラムがラッピングされてた。
後継者問題に揺れるメゾンではありますが、昨年40周年を迎えました。これを記念してのアルマーニの歴史を詰め込んだ資料館というか博物館というか、とにかく貴重な歴史美術館です。静かな光と影が交差するコンクリートの建造物は、どこかで知ってる気がしたら案の定、安藤忠雄建築でした。どうりで親近感あるわー。
1階エントランスで受付をすませ入場料を支払います。12ユーロ。音声ガイド15ユーロは日本語あります。パスポートと交換で手渡されるスマホサイズの端末は中国メーカー製。なのでぬるぬる動きません。反応も鈍いので、途中で使わなくなりました。たっぷり時間を掛けて行くなら、楽しめると思います。
展示されているのは、アルマーニの歴史を辿る作品のコレクションです。1975年創業以来の貴重なデザインは、すでにある意味ヴィンテージの域に達しています。肩幅のあるジャケットや、ド太いパンツ、たっぷりのドレスなどは、当時のクリエーションとして、いかに先鋭的だったことか。なぜだか時代遅れ感はあまり感じませんでした。もちろんモードですので、時代を超えて今も着られる服では決してありません。でもなんというか作品としての完成度はものすごくレベルが高いことが伝わってきます。これすべて春夏と秋冬、半年に1度の作品発表を40年続けてきたことの証でしかもここに収蔵されているのはごく一部なんだと思うと鳥肌が立ちます。
フロアごと年代を追いながらも、テーマが設定されて1コーナー10体ぐらいの作品を着たトルソーが展示されています。レディスが8割でメンズは2割ぐらいですが、全部見てたら丸一日はかかりますね。僕はメンズだけで2時間以上かかりましたから。展示内容は定期的に変更されるそうなので、僕が見てきたときと今とは変わってるかもしれません。
アルマーニ シーロスを紹介するとき、必ずでてきますよね。1階のエントランス正面のアルマーニ氏本人をプリントしたドレス。これって一番イケイケだった頃のポートレートなんだろうな。すぐ横にミニシアターがあって、いろんな映画のワンシーンが流れているのですが、そこに登場する俳優さんが着ている服が全部アルマーニという。へー、あの映画も、この映画もそうだったんだ、と関心することしきり。『アンタッチャブル』男のスーツはなんとなく、あー、これアルマーニなんだろうなと思うことはあるんですが、女性のスーツもアルマーニが多いんですね。キャリアウーマンの出てくる話はだいたいアルマーニでしたよ。
展示品はどれも20世紀ファッション界の至宝です。
このボリュームたっぷりのコートは男っぽいですね。だって膝下丈ですよ! 80年代ですよ!
2013−14秋冬シーズンからベルベットのジャケットは、3パッチポケットのピークドラペル。
右のスエードジャケットは1980年の作品。1ボタンですね。パンツのシルエットは、当時としては細いほうなのかな。今見ると太いすなー。
右は1993−94秋冬、左は1989−90秋冬。もろ90年代のイタリアンモードですね。
1991年春夏のジャケットスタイル。このルーズなシルエットはクラシコイタリアと対極的で、これぞモードだったわけですな。ちなみに隣のレディスは2006年。
このあたりは2000年以降のコレクションですね。
こんなふうに男女ごちゃまぜの展示は、年代もさまざまなんですが、なんとなく色とかスタイルとかでまとまってるんです。
キラキラどころかギラギラです。このへんはリアルクローズというよりフォーマル&パーティのカテゴリーです。
左手前は2007年、隣は2012年。その向こうは2014年だったかな、一番右はごめんなさい。
レッドのフロア。
パープルのフロア。
こちらもフォーマル&ドレス。オフ白からベージュのカラーグループ。
アルマーニのアーカイブをタッチパネルディスプレーで、タッチパネルでつるーっ、つるーっと鑑賞できるようになってました。
次の予定があったので時間いっぱい鑑賞にあてたら、カフェに立ち寄る時間がなかったのが心残り。ミュージアムショップでエコバッグ(トートバッグ)だけ買って退館しましたが、ハリウッドセレブらVIPがやってくると、向かいの本社からアルマーニ御大が彼らをエスコートしてシーロスを訪れることもあるそうな。もし会えたらサイン欲しいなー。
娘が習い事行くときのお道具入れに使ってます。
館内パンフレットが、めっちゃお洒落でした。