使うと使わないとに関わらず
「ワイシャツはもともと下着であるので、ジャケットを着ずにシャツイチでいるのは、下着姿でいるようなもの」というのが、旧態然たるクラシコ信者の決まり文句です。たしかに昔のヨーロッパでは、そうだったのでしょうけれど、ならばTシャツも然り。Tシャツ一枚は許されるのに、ドレスシャツ一枚が許されないのは合点がいきません。カジュアルとドレスの違いかもしれませんが、やはり現代にはあっていないと思います。とくに高温多湿な日本では、クールビスとしてシャツイチを推奨していますので、やはりドレスコードは国や地域、気候や文化と照らしあわせて設定すべきだと思うのです。
ドレスシャツのポケットについても、同じような論調があります。曰く「下着にポケットはつけない」とか「ジャケットの表にひびくのでモノを入れない」とか。タバコを吸う人は少なくなったのでタバコを入れている人は減りましたが、ケータイ、スマホ、IDカードなどをシャツの胸ポケットに入れている人はまだまだ少なくないようです。
仕事でたくさんのシャツを見てきましたが、ヨーロッパのドレスシャツでポケットが付いているものはほとんど見たことがありません。逆にアメリカモノはブルックスブラザーズ伝統のボタンダウン(ポロカラー)シャツにもポケットはついています。イタリアでシャツをオーダーしたとき「ポケットを付けますか?」と聞かれたので、できないことはないのでしょう。もちろんNoと答えましたが。
シャツの胸ポケット、ついていてもいいと思うんです。シャツイチになったとき、なんとなく胸がつるんとしてるのは寂しように感じるんですが、ブルックスのBDを着るときはそれがないんです。この夏、両胸にポケットのついたパイロットシャツをオススメしていたメディアがありましたが、これもすごくわかる。第一、乳首が透けなくてイイ!
でも、シャツのポケットは使いません。モノは絶対いれません。重さでシャツが引っ張られて、襟元が下りますしジャケットを着たときにヘン膨れるのはイヤですから。シャツのポケットにタバコを入れて、ジャケットのポケットにチーフを入れたら、けっこう胸元はエラいことになります。
以前書いたのですが、ジャケットの腰ポケットを使わないのと同じで、シャツの胸ポケットは使いません。ついているのはあくまでデザインですから。同じ理由で、パンツのポケットも使いません。
あ、でも後ポケットにウォレットコードを付けたパスケース入れてました。だって鞄をごそごそするのが嫌なんですもの。ただしドレススタイルのときは、必ずジャケットを着て後ポケットの様子は見えないように心がけます。