ファッションスナップの現実。 その2

世界中でファッションブロガーが増殖中です

昨日は2月、7月売りのファッション誌にスナップ特集が多い理由は、メーカーとしては服を掲載しても反応が薄いためプレスサンプルを貸し出していないためとお話ししました。一部のセレクトショップでは店舗から商品を貸出してくれることもありますが、きちんとシーズンコレクションを管理しているブランドなどは、ファミリーセールやサンプルセールで、プレスルームを一掃してしまいますので、雑誌は掲載したくても撮影用に商品を借りることができないのです。自然とスナップ特集は私物特集を組むしかないわけです。

もうひとつの理由として、海外のメンズブランドのコレクションが1月6月に集中していることが挙げられます。1月、まだ正月気分が抜けないうちにロンドンコレクションがスタート、ロンドン・コレクションの最終日あたりにはフィレンツェで紳士服の世界最大級の展示会ピッティ・イマジネ・ウォモがスタートします。ピッティは必ず金曜日が最終日なので、この日にバイヤーやジャーナリストはミラノへ移動します。翌月曜からミラノメンズコレクションが始まるからです。ちなみに移動直後の土日には、ホワイトという中規模な紳士服展示会がミラノで開かれています。ミラノコレクションが終わるとパリコレが始まります。NY、東京はちょっと時期がずれています。

コレクションの期間ばかり紹介してしまいましたが、このコレクション会場に世界中のファッションジャーナリストやショップバイヤー、デザイナーなどアパレル業界の関係者が集まります。当然、皆お洒落に一家言ある人ばかりですので、会場内、周辺施設までお洒落な人たちで溢れかえります。スナップ素材がじつに豊富なこの時期、雑誌社のカメラマンやファッションブロガーも、スナップ狙いに会場に集まります。

有名なのはTHE SARTORIALISTのスコット・シューマン。彼は元、NYで日系アパレルメーカーの社員だったのですが、個人でファッション写真を撮影してブログを開設したところ、一気に大人気ブロガーになってしまいました。雑誌でも取り上げられ、大手ファッションブランドから広告写真の依頼がくるなど、ファッションブロガーからファッション・フォトグラファーへとステップアップ。一気にスターダムを駆け上りました。彼に見初められれば、ワールドクラスのお洒落紳士というわけですから、皆スコットの被写界深度の浅い、背景をボカしたあのお決まりの写真に撮られたがります。前出のコレクション会場には、我こそはとド派手で素っ頓狂なお洒落をした紳士が集まるようになり、さながらコスプレ会場のようになってしまったところもあります。

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