メンズファッションの過去をリスペクトしつつ、未来を語ります
日本にクラシコイタリアを紹介した功績と、アイビー以来の日本にメンズファッションを広めた功績は、計り知れないものがあります。服飾評論家、故・落合正勝氏。一度もお目にかかることはありませんでしたが、氏のお亡くなりになる直前に、氏が牽引してきたメンズファッションの世界へと滑り込みました。ほんの一瞬、執筆誌が被ったことも。
著書は全部読みました。そのうえで、あえて言わせていただきます。
メンズファッションは進化しています。落合チルドレンであることを自認しながら、新しい時代のドレスコードを構築しなくてならないと感じています。
「投資すべきはまず靴である」「靴とベルトは同じ色」「半袖シャツは着ない」「日本人の黄色い肌には青いシャツ」etc.
昔からの伝統だったり、紳士服のルールだったりするのですが、それぞれに理由があったとしてもそれらは時代性だったり気候にあわせた独自の文化だったりすることも多いですし、あるいは「当時の商売人が仕入れたものの正当性を裏付ける無理やりな理屈」だったりもします。もちろんそれらが悪い方向に働くことはないので、否定はしません。
でも、そんな呪縛から解き放たれて、日本人の日本人による日本人のためのクラシックな(×古典的、◎最高峰の)メンズスタイルを作り上げるのは今を生きている我々なはず。ならば、古いものは古いと言い切って、新しいものを取り入れるべきではないでしょうか。
きっと落合先生も今生きていらっしゃったら、そうされるはずです。