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ほっこりネクタイで温かそうに見せる

ウールタイやカシミヤタイなら胸元からほっこり  ノーネクタイを推進するオフィスがあったり、廃止を名言する企業があったり、ネクタイ不遇の時代だが、ちょっと待ってほしい。冬場のネクタイは首元の保温機能に有効なアイテムだ。「ラクだから」とシャツの襟元ボタンを開けるより、シャツ内の温かい空気を逃さないほうが遥かに温かく、マフラーも不要だし、それよりなによりきりりとタイドアップしたほうが背筋が伸びて、仕事に向かう気分も揚がる。だらしなく開いたノータイの襟元で商談にやってきた営業マンや、窓口の接客業より、遥かに仕事を依頼するのも受けるのにも、ネクタイをしている人の信頼性は高い。  さらに言えば、ノーネクタイの人が多くなってきた今だからこそ、あえてタイドアップするほうが、明らかに見栄えがする。社内外での覚えも良くなり、好印象となれば仕事に有利なことは言うまでも無い。「あの人、いつでもキリッとしているよね」と噂になれば、上司の覚えもよく、クライアントからの担当指名率も上がるだろう。出世の糸口を掴むためにも、いまこそネクタイでチャンスを呼び込むのが得策だ。  せっかくなので、春夏とは違う、この季節ならではのネクタイをオススメしておきたい。一般的なネクタイはシルクだが、ウールやカシミヤのネクタイを選べば、胸元をほっこり温かそうに見せることができる。ツルツルでテカテカのシルクのネクタイは権威や威厳のイメージだが、ウールやカシミヤのネクタイは表面が起毛していてカジュアルで柔和な印象もあり、初対面でも強面感のない、物腰やわらかく好印象に見せてくれる。しかも多くの場合、ウールタイは柄モノでもスーツ地に通じるシックなものが多く、カシミヤタイに至っては柄モノよりも単色のネイビーやグレーといったビジネスカラーなので、誰にでも簡単に似合うものが多いのだ。色柄の組み合わせに悩むシルクのネクタイより、遥かにコーディネートしやすいはずだ。  ネクタイとは、相手に好印象をもってもらうため締めるもの。自分がラクになりたいからと外す人は、相手の立場に立つ仕事ができるのか果たして不安である。 ... 続きを読む


本当のカシミヤを知っていますか?

本物のピュアカシミヤセーターは、日本の冬には暑すぎる  ウォームビズ真っ只中、ワイシャツとジャケットの間にはセーターを着ているという人は多いだろう。そのセーターもカシミヤなら温かさは段違いだ。ワイシャツの中に機能性インナーを着込み、さらにジャケットの上から中綿入りのコートを着込んでいるのなら、電車内ではむしろ汗ばむ程に違いない。しかし、果たしてそのセーターは本物のカシミヤだろうか。  近年、安価なカシミヤが出回り、ショップなどでも数千円ほどでカシミヤセーターが買えるようになった。カシミヤの採取量は約1万トンと言われるが、そこから精製するとその嵩は約3分の2になるという。市場に流通するカシミヤセーターの総量は5万トンとも7万トンとも言われる。「カシミヤ混」でも5倍から7倍とは水増しも甚だしい。多くの場合。相当な混ぜもので水増ししているか、あるいはまったくの偽物であることは想像に難くない。  一流ブランドの最高級ピュアカシミヤセーターは、10万円以上するものも少なくない。それは近所のスーパーマーケットの衣料品売り場で売っているカシミヤセーターとは、手触りも着心地もまったくの別物だ。  高級絨毛として知られるカシミヤは、羊ではなく山羊である。中国の新疆ウイグル地区から内モンゴル、イランの高地に生息し、とくに寒冷地で採取された原毛は最高級品だ。普通のウール(羊毛)の太さが20μ前後であるのに対し、カシミヤは15μほどと細く、手触りは「とろける」という表現が適当なほどウールとは別物だ。独特の「ぬめり感」と指先に絡みつくような極細の繊維ならではの特徴があり、これを糸に紡いで編んだセーターは目が詰まっていて保温性に長け、風を通さないのでじつに温かい。しかし街中のカシミヤセーターは、あの絡みつくようなぬめりが感じられないものが多いのである。  本物のカシミヤセーターを着たら、インナーなど不要だ。むしろコートさえ脱ぎたくなるほどに温かい、いやむしろ暑いのだから。真実を知るためには「ロロピアーナ」「クルチアーニ」「セッテフィーリ」「ブルネロクチネリ」といったカシミヤの専門ブランドを体感するしかない。   ... 続きを読む


スーツの「生地感」を大切に

冬には見た目にも温かそうな起毛生地を着る  スーツは生地感をもっとも問われる。なぜなら通年、形式が変わらないから。上下共地、折り返ったラペル、シャツを着てネクタイを締め、革靴を履く着方が季節で変化することはない。そこで春夏は生地の表面が滑らかな生地、秋冬は厚手で起毛感ある生地といったように着分けることで服装への造詣を表すのだ。ゆえにこの時季はつるりと光沢ある「シルク」や「モヘア」を混紡した生地よりも、表面がうっすら起毛している生地を着ることで、服装に理解あることをさりげなく雄弁に語るのだ。ドレスコードにうるさい欧米人は、春夏と秋冬で厳密にスーツを着分ける。冬場に滑らかな「ウールサージ」を着ることは最大の野暮とされる。 「グレーフランネル」で知られる「フランネル」は、少々地味な起毛生地だ。かつてイギリスでは硬くて重たい庶民の生地とされていたが、後に開発が進み、ライトグレーの軽くふんわりとしたものが登場したことで、上品なドレス・スーツとしても着られるようになった。「サキソニー」は「フランネル」より薄手の起毛生地で、一般的な秋冬生地に多く使われる。ドイツ生まれのこの生地は毛足は短く軽量なので、春夏のウールサージと違和感が少ない。「杉綾(ヘリンボーン)」と呼ばれる織り模様や、よく見ると「カラーネップ」と呼ばれる他色が混じる「ホームスパン」などが有名な「ツイード」は、カジュアル用ジャケットに相応しい。チクチクとした硬い繊維を織り込んでいて見た目にも少々いなたいが、カシミヤのネクタイと合わせれば、見た目にも温かそうでウォームビズで着ることもできよう。最近では織り畝のある「コーデュロイ」もトレンドに上がっていて、店頭ではバリエーションも多彩である。ただし本来のコーデュロイは夏生地だ。かつてフランスの宮廷庭師の夏用作業着に使われた素材である。  近年ドレスとカジュアルの境界線も曖昧なうえドレスコードも寛容になり、スーツ生地の基本的な使い分けも有耶無耶だ。だからこそ四季ある国に生まれたことに感謝して、服装にも季節感を映すべきではなかろうか。   ... 続きを読む


服は、お直しして着るものです

メーカーのサイズスペックとドンピシャな体の持ち主ならともかく 撮影時に、たくさんの修正を入れることで、ようやくかっこいいビジュアルが仕上がることを前回お伝えしました。「それってつまり、自分が着てもモデルさんみたいにかっこよく着られないってこと?」。はい、そうです。既製服はたいていの場合、自分にぴったりのサイズなんてことはありません。 既製服のサイズは、ブランド独自のサイズスペックに沿って作られています。ターゲットとなる年齢の平均値を算出しているので、若い人向けのブランドと大人向けのブランドでは当然のことながらサイズは異なります。海外ブランドは外国人の、日本ブランドは日本人のサイズスペックを算出しているので、当然ガタイのデカイ欧米人のスペックで日本人が着たら、スーツやジャケットはぶかぶかです。 欧米人は胸板が厚く、肩幅が大きく、二の腕も太いので、華奢な日本人の体型には同じMサイズでも合わないことが多いのです。日本向けに、ちょっと小さめに作っているブランドもありますが、インポートのデザイナーズブランドと、国内のデザイナーズブランドでは、同じジャケットでもサイズ感は異なります。ならば日本人には国内ブランドしか着られないのかというとそんなことはありません。お直しすればいいんです。 もちろんモノによってはできないものもありますが良質なインポートブランドなら、ジャケット、シャツ、パンツ、コートまで袖、裾の丈詰め、ウェストや肩幅も詰められます。お店では「できません」と言われても、最近はお直し専門店もありますので、どうしても着たい服は、持ち込んでみてはいかがでしょう。 SARTO銀座 人気ブログランキングに戻る ... 続きを読む


ファッションスナップの現実。 その3

ファッションシューティングでは不可能な領域 ファッションスナップの現実について、あまり積極的な意味でない内容を2回ほど書いてきましたが、今回はファッションスナップのメリット、良い所について書いてみたいと思います。 amzn_assoc_ad_type... 続きを読む