パンツの裾をお直しする際に注意すべきこと

大切なのは裾より膝です

「いまどきスーツのパンツの裾は、丈だけでなく裾幅も詰めるべき」と以前書きました。裾を詰めていない売り物のパンツは、かなり足の長い人を想定してサイズスペックが設定されているからです。ベルボトムが流行した頃、足の短い人が丈詰めしたら、普通のストレートになってしまった、なんていう笑い話は現代のテーパードシルエットのパンツでも、あながち冗談ではないのです。

足の長い人、短い人問わず、誰にでも履いた時もっとも美しい=似合うパンツの太さと丈があります。黄金律とでもいいましょうか、誰でもモデルのように足が長くないとどんなパンツも似合わないなんてことはありません。バランスは日本人とは異なりますが、実際、イタリアにはお腹はでてるわ、背は低いわ、禿げてるわ(関係ないか?)、ハンプティ・ダンプティみたいなオヤジがいっぱいいます。そういう人でも、スーツを上手に着ている人が多いのは、洋服の文化がきちんと根付いているからなんですね。胴長短足の日本人オヤジだって、この「黄金律」を見つければ、スーツがスマートに見えるんです。

そのポイントが、細身のパンツ。これまで20㎝程度だった裾幅を17.5〜18.5㎝にして、膝、脛部分も1〜1.5㎝程度削ります。これだけでずいぶん見た目は変わります。よくわからないという人は、細身テーパードのパンツを推しているお店でお直しをい願いすればちゃんとみてくれます。ロードサイドのスーツ専門店や、伊勢丹以外の百貨店だと難しいと思います。お直し専門店でもセンスのいいところを選べば大丈夫だと思います。

最近、ようやくこの「膝からお直し」が浸透してきたのですが、ひとつ落とし穴がありました。裾はともかく膝、脛を細身に絞ると、ふくらはぎがあたって、パンツが履きにくいという弊害がでることがあるんです。僕も、何本かお直しを失敗しました。気合い入れておもいっきり脛を絞ったら細すぎてしまったり、膝位置を失敗してなんだかジョッパーズみたいになってしまったり。これはもう、何本か直してお店との信頼関係を築くしかありません。で、そのなかで一番うまくいったサイズを基本にして、今後も直していく。個人的には飽食気味ですが、この細身パンツのトレンドは、まだしばらく続きそうですので(個人的にはね、飽きてます)。


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