紺ブレと合わせるのが最新のジャケットカジュアル
今年はウェスタンシャツが注目されている。肩にヨークと呼ばれる弓形の切り替えが施され、両胸にフラップポケットが付くのが特徴で、ボタンがスナップ式の貝ボタンになっていれば本格的だが、これをテーラードジャケットと合わせる着方が、もっとも今年らしい着方である。このときボトムズにデニムはもちろん、ブーツカットジーンズを合わせてはならない。あくまでワイシャツ替わりに着るというミスマッチ感がポイントだ。ゆえにパンツはウールのグレースラックスにして、革靴を合わせてあくまで上品に着こなしたい。もちろんネクタイは不要だ。フロントの貝ボタンを、キラリと輝かくのがアクセントになるし、ジャケットを着ているスタイルを堅苦しく見せないという利点もある。ノーネクタイのジャケットスタイルとして、ビジネスカジュアルしても活用できる。
ちなみにこのウェスタンシャツ、アメリカでは20世紀初頭から人気となった観光牧場で働くカウボーイたちの衣装として着用されたことで人気となったとされている。それ以前はカウボーイが結婚式など、礼装時に着ていたお洒落着だったらしい。つまりウェスタンシャツの発祥はフォーマル服なのだ。アメリカにはロックマウントなど、ウェスタンシャツの専門ブランドが健在が、代官山のハリウッドランチマーケットでは、今も人気の定番アイテム。アメカジ好きの間では、ウェスタンシャツ=正装という意識が根付いている。
もしテンガロンハットやウエスタンブーツなどをお持ちでも、決してウェスタンシャツを合わせてはいけないことはいうまでもない。往々にしてシニアのウェスタンシャツは、乗馬かカントリーミュージックを長年の趣味としているように思わせてしまいがちだ。とくにシニアがこのテの着方をすると、長年乗馬を趣味としているかのような、カウボーイスタイルのコスプレに見えてしまうので注意したい。アメリカでもテンガロンハットにウェスタンブーツの本物のカウボーイは、ほぼ絶滅しているのだから。