月別アーカイブ: 2015年1月

白靴下のススメ

こんな事言うと頭おかしいと思われるかもしれませんが、今年は絶対、白靴下だと思っています。 「男の靴下は黒または紺、たまにグレイ」。長いこと、そう信じていたのに、昨年あたりからカラフルソックスが増えてきました。パンツの丈が短くなって、チラ見えする靴下に色柄が許されるようになってきたんですね。ビジネスでもボーダー柄とかジャカード柄とか、いつの間にか柄ソックスが許される風潮になってきました。僕も、結構派手柄のソックス、履いてました。ちなみに一番気に入ってるのは、蛍光グリーンのラルフローレンの靴下ですが。 昨年、エディフィスの展示会とビジュアル提案で「白靴下」を見つけてから気になっていたのですが、細身のダークスーツに白靴下とか、黒のスリムなパンツに白靴下とか、なんか気になるんです。マイケル・ジャクソンみたいですけど、ちょっとナードな感じというか、パリっぽくはく白靴下。 色柄ソックスが賑やかな今だからこそ、一歩先行こうかな、と。でもリブのスポーツソックスはいただけません。ゲージの細かい、でも透けない、シルクみたいな上品白ソックス、いまから探してます。 ... 続きを読む


アメでも雪でも革靴派のアナタに

革底の靴は濡れた路面ですべりますよね。 アスファルトならともかく、世の中には工事中の路面を覆う金属板や、雨水を流すための排水口のグレーチング、ちょっと立派なビルの床は大理石だったりして、これがまた滑る滑る。 仕事ですからスーツかジャケパン。スニーカーで行くわけにも、ラギッドソールのワークブーツでいくわけにもいきません。まともなドレス靴で行きたいですが、ゴム底の靴って安っぽいんですよね。 そこそこの本格靴ならダイナイトソールのものを雨用に用意しておくべきでしょう。オクトパスソールとか言われることもありますが、このゴム底はイギリスのハルボロラバー社が作る雨用のスタッドソール。「Dinite」と刻印があるので、一目瞭然です。ラギッドソールとは比べ物になりませんが、グリップ性は革底より明らかに高いです。ラギッドより、靴底が厚くならないので、革靴がドレッシーなルックスのままってのがポイントです。しかもそこそこ高価な靴についていますので、安物の合成皮革の靴なんかより、はるかに見た目もいいんです。 わざわざダイナイトソールの革靴を雨用に買うのも結構ですが、手持ちの靴のなかにも「これは雨の日にはくやつ」と決めている革底靴があるのでしたら、ソールをダイナイトに張り替えるというのがおすすめです。 ... 続きを読む


セールで買うもの、買わないもの

「バーゲンだよ〜ん」by牧伸二さん 大人の男性が買い物するのは、セレクトショップより百貨店のほうが一般的かと。そろそろセールシーズンですね。伊勢丹は、もうちょっと先ですけど。 セールは基本的に「売れ残り品を減らす」のが目的ですので、最近のアウトレットのように「アウトレット向け商品開発」なんてされていません。不人気商品が残っているのを割引価格で提供するので、シーズンの立ち上がりより魅力的な商品が少ないのは仕方ないところ。しかし探せば掘り出しものはあります。 セールの賢い買い方は、靴や小物、バッグやアクセサリーを狙うのがポイントです。展示品だったり、なんらかの理由で傷がついてしまった小物は、どうせ使っているうちに傷がつきますから気にする必要ないわけです。財布などのスモールレザーなど、クリスマスのプレゼントに欲しかった品などをセールで自分買いするのもおすすめです。 サイズも豊富に残っている商品は、いわゆる「不人気商品」です。シーズンコレクションとして投入されたけど、シルエットがよくない、色柄がダサい、着まわしにくい、など。なんらかの理由があってなかなか売れなかったわけです。こういう品はよほどのマイナー志向でない限り手を出さないほうが無難ですね。狙うべきは、1点残り品。サイズが揃わず、店舗で販売スペースを確保できなくなった品が、奇跡的にでていることがあります。これはお買い得といわざるをえません。 いずれにせよ、セールは初日、もしくは午前中に行くべき。残り物に福はありません。休日の午後、ゆるゆると「セールでも行ってみるかな−」では、ろくなものはありませんから。 ... 続きを読む


冬の出社に良質なカシミヤ

お正月休み終了のお知らせ 明日から出社という方も多いと思います。会社に行くのがイヤになるくらい寒さが厳しいですが、厚手のコートやダウンを着るより、シャツの中にヒートテックを着るより、ジャケットのなかに薄手でも本当に品質のよいカシミヤのカーディガンを一枚重ね着することをおすすめします。出退勤時は寒くても、オフィスのなかはそこそこ暖かいもの。ヒートテックが暑くて、こっそりトイレ脱いできたなんて話も聞きます。もっと暖かい保温シャツなら、なおさらです。あれ、一日中屋外で仕事している人ならいいと思うんですけど。カシミヤのカーディガンなら、ジャケットを脱げば気軽で快適ですし、オフィスのドレスコードを損ねないうえ、温かさも抜群です。室内温度を低く設定している会社でも、良質のカシミヤなら、本当に快適です。あくまで「良質」のカシミヤなら、の話しです。 カシミヤ100%のカーディガンが、ユニクロなら7,000円ぐらいで買えます。このカシミヤをひと撫でしてから、百貨店の紳士服売り場に行って5万円以上の値が付いているカシミヤを触ってみてください。さっき触ってきたモノがなんだったのか、わからなくなると思います。 カシミヤ山羊はその名のとおり、インド北部のカシミール地方に生息する動物で、内モンゴルや新疆ウイグル自治区など、中国の奥地や最近ではネパールやイランなどの高地山岳地帯でも飼われています。厳しい環境に育つほど、その原毛が細かく細くやわらかくなるのですが、実際にトレーサビリティのシステムが確立していないこともあり、ブランドごとその品質にはばらつきがあります。産地だけでなく、成獣と幼獣の毛を混紡するだけでも毛質が変わるので、現地の採取業者の信頼性も重要です。適当な業者から買い上げれば、カシミヤ山羊の原毛どころか、よくわからない動物の毛がたくさん混じっていることもあるようです。実際、カシミヤ製品は世界の生産量より流通量が3倍なのだとか。どういうことやねん。 イギリスのジョンストンズやイタリアのロロ・ピアーナをはじめ、ブルネロ・クチネリやマーロ、セッテフィーリなど、ヨーロッパでカシミヤを取り扱うブランドの多くが、この原毛の確保にもっとも力を注いできました。信頼できる中間業者を選別するのはもちろん、現地に足を運び、何度も交渉を重ね、さらには何週間も一緒に山を歩いて業者との信頼関係を築き上げて、確かな品質の原毛を買い取る契約を結びます。そこに費やされる人件費こそがカシミヤの値段に反映されるわけで、一着1万円をきるカシミヤの品質がどの程度のものなのかは推して知るべし。 本物のカシミヤ山羊の毛を刈り取って原料につかったニットは、「とろとろ」という表現が使われるほど繊細で暖かく、むしろときには暑いくらいに感じる保温性を誇ります。目の詰まった編地になれば、日本の都会の冬ぐらいなら、カシミヤニット一枚で、十分外が歩けるほどです。 そのかわりカシミヤは繊維が細いぶん、細かなホコリを集めやすく、毛玉もできやすいですね。また繊維が弱いので伸びるのも早いです。襟リブがダレやすいので、クルーネックやVネックがでろ〜んと伸びてしまうと、高級なカシミヤでも、なんとなく貧乏くさくなります。高級なカシミヤは、もともと限られた上流階級のものですからヘタったら捨てる、新しいのを買うわけで、痛みがはやくてあたりまえ。庶民には高嶺の花ですが、がんばって10万円ぐらいのカシミヤを手に入れてみれば、その違いは明らかです。 僕は日本で25万円で売られていたブルネロクチネリのニットパーカを本国のアウトレットで8万円ぐらいで買いました。5年ぐらい前の話ですが、これが手持ちのセーターのなかでは群を抜いて暖かく、半袖Tシャツの上に着れば室内では暖房要らず、外出時は上からダウンを羽織ると途中で暑くなってしまうので、ラベンハムのキルティングJKか、ヘルノのインジェクションダウンベスト程度で十分です。だいぶヘタってきましたけど、まだまだ部屋着としてなら十分。8万円の元は十分とれています。正規で25万円だしてたら、あと20年は着たおします。 ... 続きを読む