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お洒落になるための近道 その2

いつも同じ店で買う できるだけ早く、お洒落になりたいなら、服を買う店を1店に決めることです。 トータルで上から下まで揃えている店なら、セレクトショップでもブランド店でも構いません。どこの店がいいかは、自分が気に入った店でいいのです。なんとなく、こんな服装がしたいな、とか、この店かっこいいな、という店でいいんです。スーツならシャツやネクタイも扱っているところにしましょう。テーラーは上級者向けだし。シャツとか靴の専門店はダメですよ。トータルアイテムを扱う店で、トータルで上から下までコーディネートするんです。あとはサイズを徹底的に詰めていくことを忘れずに。 ただし、店員さん選びは慎重に。服だけでなく、靴や鞄も一緒にみてくれるスタッフがいる店がいいですね。トータルブランドの店か、セレクトショップをおすすめしますが、百貨店でも伊勢丹のように、フロアをまたいで買い物につきあってくれるスタッフのがいる店もあります。買い物をする際は、いつも決まったひとりの店員さんがつきっきりで見てくれるように、まとわりつきましょう。お店が忙しい週末ではなく、平日の会社帰りなどのほうがいいですね。担当してくれた店員さんから名刺をもらって、以後はその店員さん指名で買い物をしましょう。お店に行く前、買い物前には電話をいれて、買い物につきあってもらうんです。つまり店員さんを、パーソナルスタイリストにしてしまうのです。そうすれば「以前、こういう服を買われましたよね。だったらコレが合いますよ」とか「こんど、こんな服が入ってくるので似合うと思いますよ」といった情報がもらえま。 パーソナルスタイリストになってくれる店員さんの見つけ方は、「すいません、これ試着したいんですが」といって担当してくれた人がどこまでついてきてくれるかでわかります。試着を見てアドバイスをくれる店員さんなら大丈夫。逆に、試着のお直しだけ別のスタッフが担当したり、レジに預けていなくなってしまう人では意味がありません。それと「どこも直さなくてばっちりですね」という店員さんは、ちょっと疑ってみたほうがいいでしょう。あなたがよほどのモデル体型でなければ、ですが。 いつも同じ店、同じ店員さんなんて面白みがないと思いますか? あなたにお洒落のセンスがあるなら仰るとおり。でも、お洒落に自信がないのなら、ぜひひとつのショップと仲良くなってください。 ... 続きを読む


お洒落になるための近道 その1

自分に似合う服を知る 「どうしたら、お洒落になれるのか」、永遠の課題ですよね。 昨日今日のぽっと出が、雑誌を読んだりしても、お洒落にはなれません。お洒落は服を着慣れている人、たくさんの洋服を買っては着て、着ては買ってを繰り返してきた人は服に無頓着な人よりも絶対的にお洒落です。 たとえば自分に似合う色柄の選び方。微妙なトーンの合わせ方は、その人の髪の毛の色、目の色、唇の色、肌の色など、さまざまな要素によって変わってきます。青が似合う、赤が似合うなど、パーソナルカラーとかいいますが、それって確かにあるんです。「日本人の黄色い肌には青いシャツが似合う」といったのは故・落合正勝さんですが、一般的に黄味がかった肌にブルーは似合いますが、トーンや素材感によっても変わってくるので最適な色目を探す作業が必要です。 顔が濃い、薄い、背が高い低いなどによっても似合う服は変わってきます。濃い顔の人なら、シンプルな服がいいように思います。あっさり顔の人は個性の強いデザイン服がいいかもしれません。逆に濃い顔だからデコラティブな服が着こなせたり、その逆に薄い顔なので服も薄いものをすっきり着るほうが似合う場合もあります。 サイズ感は既製服である以上、モデルとなる理想値を基準に作られていますので、ぴったりサイズを見つけるのは至難の業です。でもいろいろな服を着ているうちに、ここの服が自分に似合う、人から褒められる、というブランドに出会うことがあるはずです。 ホント、自分に似合う服を見つける作業は難しいです。新しいデザイン、色柄、素材が毎シーズンでてきますから、永遠にこの作業を続けるしかないのです。あるいは、もう自分に似合うとわかった服しか着ない生き方を選ぶか、ですね。そのためにもたくさんの服を買って着続けて、いつか判断できるようにならないと。 「そんな悠長なこといってらんない!」という人は、こうしましょう。服を買う店を1店に決めることです。 長くなったので、次回に続きます。 ... 続きを読む


ナポリ仕立てとは何なのか

サヴィルロウ仕立てとの違いは「みーんな違う」ところ 実際のところ、最近はナポリ偏重というわけではないのですが、それでもやっぱりメンズファッション界はイタリアのブランド、イタリアの仕立てが主流です。「英国トレンド」は、タータンチェックやくすんだ色味を指すのであって、サヴィルロウ型の“モビルスーツ”が爆発的に人気になることは、まだなさそうです。 イタリア仕立てといっても、ミラノを中心とする北と、ナポリを代表とする南では、ずいぶんと違いがあります。ミラノのサルトは都会的で洗練されていて、イタリア製のしなやかな生地をつかって、直線的なイギリスのスーツより丸いフォルムのスーツを作り出します。カラチェニやベルベストなどがその代表でしょうか。 それに対してナポリのスーツは、マニカカミーチャ、バルカポケット、カッタウェイフロントなど、特徴的な仕様はありますが、仕立て屋ごとにかなり差があります。マニカを使わないサルトも少なくありませんし、背の抜き方、芯地やパット、裏地を省く仕立ても様々に存在して職人がそれぞれに腕を競う文化があったのです。アントニオ・パニコやアットリーニ、キートンなど、それぞれが似ているようで似ていないのがナポリ仕立て。つまりナポリ仕立てとは「みんなバラバラ」なことを言うのです。 以前は「師匠が違えば、仕立て方が違う」というのがナポリのサルト文化でしたが、実際のところ近年は名のあるサルトは工房制を敷いています。ブランド名に冠したサルトは、以前は実際に針糸を持っていたのですが、いまでは社長業がメインの看板役者。作品は工房のチーフの指導次第というのがホントのところ。しかも工房のチーフもスタッフも、ヘッドハンティングやら喧嘩やらで横移動が激しいのがナポリらしいところでもあります。個性あふれるサルトが腕を競うナポリ仕立ての文化は無くしたくない貴重な歴史的産物です。 ... 続きを読む