むしろ「セミワイド」のほうが標準(レギュラー)のような… 20年ぐらい前まで、ドレスシャツの主流はレギュラーカラーでした。いまは衿羽根の開き角度が大きいセミワイドが一般的です。なぜ変わってしまったのでしょう。 昔のスーツと今のスーツ、ラペルのゴージライン(上襟と下襟の切り替え線)を比べてみれば一目瞭然です。昔のスーツはゴージラインが低く、なんとなくのっぺりしています。3つボタンの上2つを留めるものや、4つボタンでVゾーンが狭いデザイナーズのスーツもよく見られました。僕もまだクロゼットを漁ればでてくるはず。そんなスーツには、衿羽根の開き角度が狭く、剣先が下を向くレギュラーカラーのシャツが似合います。逆にゴージラインの高い今どきのスーツには、衿羽根の剣先が高い位置に収まるセミワイドがバランスがいいのです。 ところが最近、ハイゴージのスーツにレギュラーカラーのシャツをあわせるコーディネイトがちらほらでてきました。「衿羽根の剣先位置がどうのこうの」いいつつも、タブカラーやピンホールカラーなど、衿羽根を詰めたカラーもトレンドだけに、レギュラーカラーもお洒落上級者には、うまいバランスが見つかるようです。自信のある方は、ぜひトライしてみては。 ... 続きを読む
「基本のドレスコード」カテゴリーアーカイブ
服は、お直しして着るものです
メーカーのサイズスペックとドンピシャな体の持ち主ならともかく 撮影時に、たくさんの修正を入れることで、ようやくかっこいいビジュアルが仕上がることを前回お伝えしました。「それってつまり、自分が着てもモデルさんみたいにかっこよく着られないってこと?」。はい、そうです。既製服はたいていの場合、自分にぴったりのサイズなんてことはありません。 既製服のサイズは、ブランド独自のサイズスペックに沿って作られています。ターゲットとなる年齢の平均値を算出しているので、若い人向けのブランドと大人向けのブランドでは当然のことながらサイズは異なります。海外ブランドは外国人の、日本ブランドは日本人のサイズスペックを算出しているので、当然ガタイのデカイ欧米人のスペックで日本人が着たら、スーツやジャケットはぶかぶかです。 欧米人は胸板が厚く、肩幅が大きく、二の腕も太いので、華奢な日本人の体型には同じMサイズでも合わないことが多いのです。日本向けに、ちょっと小さめに作っているブランドもありますが、インポートのデザイナーズブランドと、国内のデザイナーズブランドでは、同じジャケットでもサイズ感は異なります。ならば日本人には国内ブランドしか着られないのかというとそんなことはありません。お直しすればいいんです。 もちろんモノによってはできないものもありますが良質なインポートブランドなら、ジャケット、シャツ、パンツ、コートまで袖、裾の丈詰め、ウェストや肩幅も詰められます。お店では「できません」と言われても、最近はお直し専門店もありますので、どうしても着たい服は、持ち込んでみてはいかがでしょう。 SARTO銀座 人気ブログランキングに戻る ... 続きを読む
スーツの内ポケ。使うべきか、使わざるべきか?
使わないにこしたことないと思うんですが… 内ポケットの上部が袋状になっているものがあります。これはパスポートポケットといって、胸ポケットに入れるモノに高さがある場合でも、しっかり収納できる機能ディテールです。では、なぜポケット上部をふくらませるのでしょう? そのぶん深さをとればいいのに。 内ポケットの袋は、大きすぎてはいけません。せいぜいパスト、胸筋のふくらみに沿うあたりまでで、それより下の上腹部にかかるあたりまで袋をつくっておくと、モノをいれたときにぽっこり膨らんで不格好になってしまいます。ポケット上部に部屋を作ることで、シルエットがくずれるのを避けているのです。 だからといって、なんでもかんでも放り込んではいけません。内ポケットは、薄手の名刺入れ程度に留めるべきで、タバコや財布なんて入れてはいけません。むしろ、何もいれないのが好ましい。 どうしても手持ちが邪魔ならば、シガーポケットを使いましょう。シガーポケットは、たいていジャケットの腰ポケットの裏あたりにつけられています。あまり大きなものはいけませんが、タバコぐらいなら裾のゆるやかな曲線がかくしてくれるので中身が浮き上がることはありません。とはいえ重たいものはジャケットの裾が下がるので避けたほうが良いでしょう。ケータイ電話、スマホなんて、とんでもない! シガーポケットは、あくまで緊急用のポケットとおもってください。 ... 続きを読む
袖のボタンはいくつですか?
袖の飾りボタン、何個ついていますか? たぶん、多くの方が4個ではないでしょうか。重ね付けされていたり、本切羽になっていたり、なかにはボタンホールの色をひとつだけ変えているものもあるかもしれません。ジャケットの袖ボタンは、あくまで飾りです。袖ボタンが開く「本切羽」なんて、「カニを食べるときしか使わない」仕様だと言ったダンディな作家もいます。何個が偉くて、何個がダメで、どういう仕様が偉くて、どういう仕様がダサいなんてことはありません。自由にえらんでいいのですが、こと個数については、ちょっと傾向があるかもしれません。 3個の方もいるかもしれません。そのジャケット、ちょっとカジュアルなデザインではないですか。スポーティな雰囲気のセンターベントに、ナロウラペルの細身のスーツを軽快に着る若向けのスーツには袖ボタンが3つのものが、ときどき見られます。 2個という方は、それはもうブレザーかスポーツジャケットか、シャツジャケットでしょう。アメリカントラッドなサック型のスーツも、袖ボタンは2つというものがあります。これは大量生産の工業製品としてスーツが作られた頃、工程をちょっとだけ省いた結果です。ひとつは、ちょっとさびしいけど、3つもいらないだろう、というアメリカ的な実用主義のあらわれといえるでしょう。 1個という方は、むしろフォーマル用のディレクターズか、モードなデザイナーズでしょうか。コンボラスーツや、モーニングなどのフォーマルスーツではボタンをあえて1つにしたものがあります。袖ボタンは結局のところ、ついていればOKということで、ひとつだけ本水牛や貝ボタンなど高級素材をあしらっている場合もあります。 間をあけて2個2個で付いているという方、それは英国の軍服に由来するディテールです。おそらく英国モノではないでしょうか。 5個という方、それトム・フォードのデザインですか? 袖ボタン5個って、デザイナーズ意外、クラシックではトム・フォード以前に見たことないんですけど。 人気ブログランキングに戻る ... 続きを読む
なぜ無地のネクタイをしないのですか
ネクタイに柄は必須じゃありません 電車のなかのビジネスマンを眺めていると、無地のネクタイをしている人は少ないように感じます。欧米人のビジネスマンには無地のネクタイをしている方がとても多いのに。日本人には「ネクタイは柄モノ」というイメージがあるようです。 柄モノのネクタイは、スーツの色やシャツの色、日本のビジネスマンには少ないですがポケットチーフの色など、ネクタイの柄色に気を使いながら合わせなくてはなりません。ベースの地色を拾うか、それとも柄に使われている色を使うか、鏡の前で悩んでしまうのではないでしょうか。 その点、無地のネクタイは簡単です。ネイビースーツならネイビー無地、グレースーツでもネイビー無地、スーツがストライプだろうがチェックだろうが、ネイビー無地でOKです。 ネイビー無地タイ最強説は、ちょっとファッションに詳しい方なら常識です。 ネイビー無地のタイでも、薄めのネイビーもあれば濃いネイビーもありますし、サテンやニットやレップ織りなど、色の濃さや素材によって印象が異なります。スーツの素材にあわせて選びわけることも必要なので何本か揃えておく必要がありますが、柄タイを何本も持つより、はるかにコーディネートしやすく着回しも効くのでずっと経済的です。 amzn_assoc_ad_type... 続きを読む