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春のシアサッカー祭り

サッカーって蹴球のことじゃないから

たしかにトレンド的にはヴィンテージ生地ですが、盛夏には着ないですよね。って、これから冬本番なのにもう夏の話をしているのが、ファッション業界です。ホント頭おかしいよね。

各ブランドやショップが来年春の流行を予測する展示会めぐり、どこの会場にいっても目についたのが「シアサッカー」生地でした。そうです、あのちりめんみたいなシワシワのストライプ生地です。生地が薄手で表面が凸凹していて、しゃりしゃりしているので夏の汗ばんだ素肌にも、張り付かないので涼しいという。

かのブルックスブラザーズが、世界で初めて紳士のスーツに使ったのはコードレーンともシアサッカーとも言われています。今年はスーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、ブルゾンまで、しかも畝も細かったり太かったり。こんなのもシアサッカーなの?ってのが、こちらです。

上はフレッドペリーのブルゾンです。真ん中はミハラヤスヒロのジャケット。畝が太いとシワシワのところがなんだかフリルみたいです。下はタグが見えていますがインコテックス。細畝もクラシックなスーツだけでなく、短パンスーツやら、色も白×ブルーだけでないバリエーションがあります。僕はクロゼットの奥から、昔買ったシアサッカーのジャケットをひっぱりだしてきて着ようと思います。持ってるよねー。


お爺ちゃんのクロゼットみたいな生地が流行中です。

古いが新しい

この秋ぐらいから“ヴィンテージ風”の生地が大量に出回っています。最初に手を出したのは、たぶんラルディーニだったと思います。

PCに残ってたんですが、この写真は3〜4年前のピッティだったかな?「ARCHIVIO(※アーカイブの意味ですね)」って、いまもあるラルディーニのコレクションですが、昔のヴィンテージ生地を模した生地を現代的に再生したコレクションを発表したんです。

そのときの生地は、チェルッティ社のものでした。チェルッティ1881って、いまはオンワード樫山がライセンスを持っているブランドですが、こちらイタリアはではゼニアに勝るとも劣らない生地メーカーです。そのチェルッティ社の倉庫に眠っている昔の生地見本から、ネップ糸やらスラブ糸やら、要するに技術が低くて細く均一な糸が紡績できなかったり染色できなかったりした時代の生地を「これって、逆に新鮮じゃん!」と、現代の技術で復刻したわけですね。だから見た目はお爺ちゃんのクロゼットで見かけた服のようですが、触ってみるとしなやかでやわらかくて軽くなってるし、仕立てもフォルムも今風のアンコン&スリムなので、古着をリメイクしたようになるわけです。

で、今年の春も、そういった“古着リメイク風”のジャケットが大量です。ちょっと前まで、猫も杓子も「製品染め&洗い加工」だったのですが、最近は「ヴィンテージ風」が1大トレンド。この風潮、まだしばらく続きそうですが、製品染め&洗い加工が、ボリオリのKジャケットから10年ぐらいですから、ラルディーニのアルキビオから5年と考えたらあと5年ぐらいの寿命でしょうか。

個人的にも一枚買っちゃったので、5年ぐらい着られればいいかな。


THE GIGI。今どきジャケットは素材が命です

DON’T LOOK BACK

ドーバーやKジャケットなどで一世を風靡したボリオリのことはご存知かと。ボリオリ社はその後、会社の株式を元ラグジュアリーブランドからやってきた敏腕経営者に売り払い、創業家系のピエルイジ・ボリオリは「THE GIGI」という新ブランドを立ち上げました。このTHE GIGI、1stシーズンから話題でしたが、来春2シーズン目も、かなり飛ばしてます。アンコン仕立ての軽い着心地、コンパクトなフォルムはボリオリ時代を継承していますが、なんといっても素材使いが凝っています。以前「モシャモシャ素材」というテーマでご紹介しましたが、もっとユニークな素材もでていますよ。上の写真のようなインディゴブルーは、他のブランドでもトレンドカラーとして多いですね。THE GIGIでも中心的なカラーとなっていますが、単なるネイビージャケットではなく、変わった風合いの織り生地が多用されています。っていうか、普通のウールサージとか無いんじゃないかな。ボリオリであったホップサックすら見られません。

たとえばこちら「サマーツイード」だそうですが、粗野なパイル織り風です。しかもストライプ入りで、ニットのような質感もユニーク。コットンなのかウールなのか、ちゃんと調べてくるのを忘れてしまいましたが、触った感じはコットン×リネンかな? ドライなタッチで夏場にもよさそうです。

お次はこちら、またなんと表現すればよいのかライター泣かせの素材です。麻袋のような素材に太糸のステッチがランダムっぽいですけど、よく見るとVというかXというか、斜めに入っているんです。なんか昔の女性モノのコートにありそうな素材で、メンズにはあまり見かけない生地感が新鮮ですね。

もいっちょこちら。ランダムな幾何学柄にも見えますが、これ、四角の真ん中部分を特殊な織りで2重にしていて、そこを手作業でカットしているんだそうです。すっごい手間! ほんとに手作業なのか、ちょっと定かではないですが、いずれにしてもこんな生地見たことないわー。プリントでもなくジャカードでもなく、カットアウトとでもいうのでしょうか。こんな見たこともない素材を大胆に使っちゃうTHE GIGI、来春も各メディアを賑やかしそうです。

ところでTHE GIGIの奥襟のタグには「DON’T LOOK BACK(過去を振り返るな)」という文字が織り込まれています。本国のWEBサイトでは、こんな動画もあがってるほど。「ボリオリのことを振り返るな」という意味でしょうか。ピエルイジさんの想いのほどが詰め込まれているのでしょうが、なんか未練がましいような気が。この文字タグがとれたとき、このブランドの本領が発揮されるような気がするのは僕だけでしょうか。


パンツのシルエットをDIY

仕事したくないときほど、裁縫がしたくなります

パンツは裾丈を直すだけでなく、膝から下をテーパードさせるように絞ることが大切だ、と何度か書かせていただきました。BEAMSのクリエイティブディレクターの中村さんも同じことをおっしゃってますね。

お直し代が結構かかります。インポートのパンツなら3万円ぐらいするのに、お直し代が5000円超えるなんてこともあります。でも、これ相応の技術料だと思うんです。自分で直してみたこともあるんですが、完璧に美しくはなりません。そこそこにはなりますが。美しいパンツはS字のカーブを描いているので、このカーブを活かしながら修正するのはプロに任せたほうがいいんですが……。「そこそこ」でよければ、直し方を以下に。

1 まずパンツを履いて、膝のすぐ下位置をまち針などでマークします。

2 ふくらはぎの一番張ってるところが、どれぐらい削れるかを調べます。このとき、パンツを履いたまま、膝を曲げ指で摘んで余分な量を図ります(膝を曲げた方がふくらはぎ位置が上がります。そこで削れる分量を図らないと、歩いているうちにパンツがずり上がってきます)。2㎝摘めたら、削る分量は半分の1㎝ぐらいにしておきます。まち針などでマークしておきましょう。

3 裾幅をどれぐらい削れるか調べます。最近のトレンドは16.5〜18㎝でしょうか。カジュアルに履きたいなら細身に、ドレス用に履くならちょっと太めに残しておきましょう。裾のダブルは解いておいてください。

4 パンツを裏返したら、削る分量の半分ずつを、サイドシームの内側・外側に設定します。ふくらはぎの位置を1㎝詰めるなら、内・外を0.5㎝ずつ、裾幅を2㎝詰めるなら、内外とも1㎝ずつ削るので、チャコペン(僕はサインペン 笑)で適当に線を引きます。

5 マークした膝位置から斜めにカットインして、裾まで一気に縫います。このとき最初はあまり削らず緩めにしておいて、ふくらはぎのマーク位置からは裾までシャープに削ります。

6 縫ったステッチより外側にはみ出たもとの縫い目の糸をリッパーでカットして、縫い代をアイロンで割ります。縫い代が余りすぎるところはカットしてロックミシンをかけるか巻き縫いして端を処理します。

3 最後に裾を詰めます。裾の詰め方はググってください。

安易な直し方ですが「そこそこ」細くなります。細くテーパードさせ過ぎると、ふくらはぎが干渉して履きにくくなってしまいます。1cm細くなるだけでも見栄えは大きく違うので、まず1㎝削ってみて、表に返して履いてみて、もっと削りたいなら0.5㎝削るというふうに”仮縫い”しながらやってみるのがよいのでは。

練習用に、ロードサイドの紳士服量販店で1,000円ぐらいのパンツを買ってきて直してみるのもいいでしょう。実際、僕は3本ほど直してみました。「そこそこ」履けるシルエットになりましたが、素材感が安っぽいので、ご近所散歩かコンビニ用ですが。

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