ワンポイント迷彩のススメ もしゃもしゃ素材だとか、黒使いだとか、メンズクラシックの今季のトレンドキーワードはいくつかあるのですが、正直少々弱いなと思っていたところ。もしゃもしゃ生地は、いつまでブームが続くかわからないうえに、着るシーンも限られそうだし、黒は定番ですが、定番すぎてトレンドといわれても気づかないし。 そうこうしているうちに、ああそういえば、これはたしかにトレンドだワ、と感じたのが「迷彩柄」です。 「迷彩柄なんて、定番じゃん」というのは、若者向けのカジュアルファッションの世界の話しで、おじさんに迷彩ってあんまし聞かないでしょ。会社員がスーツに迷彩の小物使いとか、あまり見ないでしょ。だからこそ、上手く使えば、頭抜けるわけです。鞄や財布、革小物、iPhoneケースなんかでもいいと思います。「おじさんが持ってると新鮮!」がキーワードなんです。 例えば迷彩柄のカーディガンをスーツのインナーに。ちら見えぐらいなら、許してくれる職場・業種はあるんじゃないかな。ソックスとか、ベルトとかでもいいですよね。あとはクラッチバッグが迷彩とか。ネイビースーツに迷彩のクラッチとか、社内会議の資料入れるぐらいならいいんじゃないでしょうか。 クラシックの定番アイテムが迷彩になるのは新鮮です。迷彩のスーツとか、迷彩のネクタイとかもでていますが、こちらはかなりシーンが限定されますから、あくまで小物(ネクタイ以外ね)で足すことをおすすめします。何着ても許される方なら、是非トライしてみてください。あ、迷彩のカジュアルアイテムは普通ですよ。そちらは定番として、休日に着てくださいね。 ... 続きを読む
投稿者「zeroyonlab」のアーカイブ
大人のお洒落の基礎がわかるわずか8Pの著作
『布団』しか読んだことありませんでした 落合正勝、出石尚三、遠山周平、林勝太郎、etc.服飾評論家といわれる先生方の著書を片っ端から読んでいた時期がありました。仕事で必要だったので。で、ある人に勧められたのが永井荷風の『洋服論』です。 前出の先生方は歴史と伝統を踏まえ、論理的に服飾を解析するのがお得意で、それはとてもためになるものだったのですが、やはり「そこまでウンチクがなきゃいけないのかな?」と、少々懐疑的だったのは事実。元々、ストリートファッションやモードを通ってきた自分としては、「クラシックって、めんどくせーな」という思いから逃れることはできませんでした。 そこへ永井荷風。『濹東綺譚』や『ふらんす物語』など、歴史の教科書でしか知らなくて読んだこともなかったのですが、『洋服論』は、紳士服のあるべき姿について書かれた、超短編です。これがじつに腑に落ちました。 Amaszonで無料配信されています。しかもたったの8ページ。通勤途中の電車内で読み終えられます。ぜひ読んでみてください。 ... 続きを読む
最新トレンド情報:パンツの裾丈
つんつるてんって言わないで ここずーっと、パンツの裾丈は短め履き、しかもターンナップかロールアップが主流でした。最近涼しくなってきて、あれあれ、これって靴下はくんだっけ?と悩むことしきり。じつは今年ほど、春先から素足履きが蔓延しているシーズンがなかったもので。 といいますのも、今年はスリッポンが大ブームで、雑誌もついに「もうスーツもスリッポンでいいんじゃね?」と、ついに故・落合正勝氏のスーツには絶対紐靴の原則が破られた記念すべき年だったんです。大袈裟ですが。そのため春からこちら、靴下の出番がまるで無い。すっかり忘れ去られていたわけです。 でもってここ数日の涼しさで、裸足に短めパンツで外出すると足首が冷える冷える。首、手首、足首の3大首は、暑いときには簡単に冷やせるポイントですが、寒いときは“首”が寒いと全身が寒いわけです。あれー、去年はどうだったかなーって考えたら、去年はまだ春も靴下履いてたし、夏も靴下履いてた日がありましたもん。今年はほんと、靴下はかなかったなー。 というわけで靴下、いまさらながらに必要だとおもったんですが、ちょっとまってくださいよ。靴下以前に、パンツの裾丈を考えなおすべきではないか、と。つんつるてん丈ではくのをやめれば、まだまだ裸足でスリッポンがはけるのでは? 派手色柄の靴下で、足元にアクセントを、というよりも、普通の裾丈で裸足スリッポンのほうが、なんだか新鮮です。イタリアおやじが、みんなつんつるてん丈というわけではありませんが、早い人はもうつんつるてん丈に飽きてきてると思うんだよね。だって、もう何年これやってんの? というわけで僕は最近、裾丈長いパンツをひっぱりだして履いてます。あーこりゃ男っぽくてカッコいいじゃん。なんだかSafariかOceansっぽいけどね。 とおもったら、ひとつ落とし穴がありました。手持ちのパンツ、ほとんどつんつるてん丈に直しちゃったので、長丈パンツ買い直さなきゃいけないんだった。ということは普通の人はパンツ買い直すより、まだまだ短丈ブームが続いたほうがいいわけですよね。 短めパンツのブームが終わらないわけだ。。。 ... 続きを読む
グローブの合わせ方
ポケットに手を入れないためにも まだちょっと早いですが、手袋のお話しを。寒くなってくると、手袋があるとないとじゃ、ぜんぜん違いますよね。ポケットに入れちゃえばいいんちゃうの? という方もいると思いますけど、ポケット口布が傷んだり、最悪シルエットが崩れますよ。 手袋があると気持ち的にもあったかくなれるし、自然と背筋も伸びて猫背になりませんよ。電車通勤のビジネスマンは手袋をめんどくさがってしないようですが、トレンチコートを着て革手袋とかカッコいいですけどね。 ニットの手袋は手軽ですが、どうせなら革手袋を。一生ものだと思えば2万円ぐらいでそこそこのものが買えます。ライニングはあったほうがいいですね。カシミヤライナーは、日本だとはっきりいって蒸れます。ウール程度で十分です。それに洗濯できないし。 手袋ならなんでもOKというわけじゃなく、靴やベルトなど、革製品と素材あわせ、色合わせするのが基本です。とはいえ、最近は靴とベルトだって別色でいい時代、黒靴だからって茶革手袋でもいいですし、茶靴に黒のスエード手袋だってぜんぜん構わないと思います。 10年以上前かな宇多田ヒカルさんのPVで、全身黒なんだけど、手袋だけピンクっていうコーディネートが素敵でした。男でも全身黒のコートで、手袋だけピンクとかグリーンとか、お洒落だと思いますよ。そういう色の手袋があれば、ですが。 ... 続きを読む
雑誌に書けないパンツの話 その2
日本にも「パンツ専業」があります そもそも既成品パンツは、メーカーが独自に算出したサイズスペックで型紙を起こすのですが、海外メーカーは、ひざの“くれる”位置やおしりの盛り上がり具合、太腿とスネとの周囲の差寸などを外国人の平均値から割り出しています。当然日本人のスペックと差がでてくるわけです。具体的にいうと海外のパンツは太腿とスネの差が大きいです。おしりがぽっこりでています。そのわりに腰骨が張っていないので、ヒップトップだけ高くて横骨がぴたぴたです。もちろんウェストサイズの最小〜最大値は、日本人のM〜5Lぐらいまであります。日本人向けにサイズスペックを変更しているブランドも少なくないですよ。海外でパンツを買うと、日本で直しが大変なんです。直しても直しても、なんかヘンだし。 日本人の標準体型は、おしりは扁平ですが、腰骨が張っていて、太腿もそれほど太くない上にししゃものようにふくらはぎがふくらんでいます。でもって足全体が短いうえに膝から下がまた短い。これでは海外スペックのパンツが似合うわけがありません。だから裾幅だけでなく膝から下を直したほうが、パンツのシルエットが身体にあうわけです。 エミネントは、自社ではじき出している数字が日本人ベースなので、膝位置がぴたっとくるわけです。テーパードがきつくないのに、ちゃんと細見えしますし、腰回りのフィットもいいです。もちろん以前は「おじさんスラックス」が多かったのでしょうけれど、いまは社内でデザインを担当している方が、しっかりトレンドを理解している方なので、ずいぶんよくなりました。逆に綺麗なテーパードラインを描くので、知らずにおじさんパンツを探している人が敬遠するという。いや、じっさい百貨店の平場でパンツ買うのなんて、おしゃれピープルじゃないですからね。でも意外なところに掘り出し物、あるんですよ。 雑誌では書けないですが、よくいわれる「履き心地」なんてものは、主観の問題です。腰回りのフィットが、とかストレッチが効いていて、とか、じゃあんなに履き心地の悪い腰パンがあんんで流行ったんだよ、っていう。 パンツの命はシルエットです。それは吊るしで買っても絶対最良のものは手に入りません。できるだけ理想に近いものを選んで微調整する。調整の幅が小さいほうが、理想に近づきやすいのはいうまでもありません。それにパンツはブランド名がでかでかと見える位置にないので、日本ブランドだろうがイタリアブランドだろうが、まわりにはちっともわかりませんから。 ... 続きを読む