『布団』しか読んだことありませんでした
落合正勝、出石尚三、遠山周平、林勝太郎、etc.服飾評論家といわれる先生方の著書を片っ端から読んでいた時期がありました。仕事で必要だったので。で、ある人に勧められたのが永井荷風の『洋服論』です。
前出の先生方は歴史と伝統を踏まえ、論理的に服飾を解析するのがお得意で、それはとてもためになるものだったのですが、やはり「そこまでウンチクがなきゃいけないのかな?」と、少々懐疑的だったのは事実。元々、ストリートファッションやモードを通ってきた自分としては、「クラシックって、めんどくせーな」という思いから逃れることはできませんでした。
そこへ永井荷風。『濹東綺譚』や『ふらんす物語』など、歴史の教科書でしか知らなくて読んだこともなかったのですが、『洋服論』は、紳士服のあるべき姿について書かれた、超短編です。これがじつに腑に落ちました。
Amaszonで無料配信されています。しかもたったの8ページ。通勤途中の電車内で読み終えられます。ぜひ読んでみてください。