スーツは値段で測れません

スーツの予算は4万円以上用意しましょう

今年の1月の記事が、なんでか最近どこかのニュースサイトで取り上げられていたのですが、雑誌プレジデントの「課長、部長になったらいくらのスーツを着るべきか」という企画内で、パーソナルスタイリストの政近準子さんが「4万円以下のスーツは安かろう悪かろうの可能性が高いと割りきって、最初から避けたほうがいい」と、おっしゃっていました。これ、結構的を射ています。

なぜだかわからないですが、多分細かい工賃を集積していくと、どうやってもこの価格が最低ラインになるようですね。4万円以上だせば、そこそこ手の入ったスーツがあります。一週間のローテーションに入れても1シーズンで終わることのないクオリティがあるスーツの値段は、なぜか4万円以上になります。

麻布テーラーで仕立てるのは確かにオススメ度高いですが、ビッグビジョンやテーラーなんとかでも、4万円以上のコースなら芯地も縫製もクセ取りもそこそこされたものはあるはずです。既成品でも4万円以上なら、納得行くかな。

ただ、以前も書いたと思うんですが、スーツの良し悪しは値段より「サイジング」に尽きます。個人的には2プライスだろうが、西友の9800円スーツだろうが、自分の体に合っていれば、”良い”スーツとして認めてもよいのではないかと思います。さすがに9800円スーツをローテーションに入れるわけにはいきませんが(たぶん、1ヶ月もたずに膝が抜け、生地が歪み、どこかの縫製がほつれてきます)、普段スーツを着ないけれど、急に必要になったときに袖を通したらサイズぴったりなら、どうぞご着用ください、と。

さんざん「値段別、スーツカタログ」をやってきましたが、本来、値段でスーツを分類するのはいかがなものかと思います。2万9800円でも、スーツカンパニーのスーツはよく出来ていると思いますし、某有名ブランドの国内ライセンス版は20万円を越えるのに、手抜きばかりでロクでもないスーツです。電車で2時間かけて会社に通う人にスーパー160’sクラスウールのスーツは無意味ですし(すぐにシワシワのヨレヨレになります)、スーパー80’sクラスでも、色も手触りも上等な生地はたくさんあります。

「既成のスーツは自分のサイジングに近いスペックをもつブランド選び、パターンオーダーなら細部まで調整が効くテーラーで3着以上仕立てること。どちらも良質な素材と縫製を保証するために予算は4万円以上かける」が、間違いなく「良い」スーツを選ぶコツです。


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