裏地が伸びるとスーツはもっと快適になります
スーツを着ると肩がこるとか、スーツは体がうごかしずらいという人は、おそらく既成品のスーツを着ていると思います。いちど確かなテーラーで自分の体にあわせて仕立ててもらうと「スーツって、こんなに動きやすくて軽いのか!」と目からウロコが落ちるはずです。もちろん、お安くはないですけどね。
誰でもスーツをオーダーできるわけではないですよね。お値段が理由だったり、すぐ着たいのに仕上がりまで待たされたり、テーラーとコミュニケーションをとるのが苦手だったり。既成品ですこしでも楽ちんなスーツが欲しければ自分の体にあった型紙のスーツを見つけ出すしかありません。
でも、じつは「動きやすくて軽いスーツ」を研究しているブランドはあります。それは凝り固まったクラシック観に縛られず、自由にスーツをクリエイトできるブランドです。たとえば「洋服の青山」さんのPERSON’S FOR MENでは、裏地にストレッチ生地を使ったスーツをリリースしています。スーツがつっぱる原因は裏地にあったとは! スーパー130だとか、アンコン仕立てだとか言っててごめんなさい。
さらに縫製部にストレッチ糸を使うことで、袖まわりや背中が吊らなくなります。こんな考え方、イタリアのサルトやサビルロウのテーラーは、絶対できません。こういったユーティリティスーツを、もっと活用することで、スーツを着ることの不満や悩みが解消してくれたらいいと思います。そしていつか、クラシックの良さも知ってほしいと思うのです。