ファッションスナップの現実。 その3

ファッションシューティングでは不可能な領域

ファッションスナップの現実について、あまり積極的な意味でない内容を2回ほど書いてきましたが、今回はファッションスナップのメリット、良い所について書いてみたいと思います。

ファッションスナップは、ファッション誌には絶対にできないリアルなお洒落があります。雑誌のファッションビジュアルは、編集者が企画を立て、スタイリストがコーディネートし、ヘアメイクをしてカメラマンが撮影をします。しかしここで編集者が「これが今どきのリアルコーディネート」という企画を立てて、「コムデギャルソンのジャケットに、ルイジボレッリのシャツを着て、ディオールオムのネクタイ、ハレのスウェットパンツにニューバランス」というコーディネートをビジュアル化することは絶対にできないのです。他のブランドとコーディネートすることを禁じているブランドがあるからです。

高級メゾンやブランドには、コレクションのランウェイに登場したコーディネートとそっくり同じまま、雑誌のページに掲載しなければならないという規定を持つところがいくつもあります。これは海外ブランドの場合、本国のファッション誌ではブランドミックスできても、日本ではNGという場合もあります。ファッションの本場を自認する国のメゾンには、極東の国で自分たちのファッション観を勝手にバラしてくれるなという考えもあるようです。しかし日本国内のデザイナーズブランドでも、ブランドミックスを禁じているところもあります。やはり自分たちの世界観を大切にしたいためで、他ブランドの商品とミックスされるとコントロールが効かなくなることを懸念しているのです。これはブランディングを考えた時に、どうしても避けて通れないことですので仕方ありません。

しかしスナップに出てくる人たちは、全身1ブランドといことは稀で、たいていの場合巧みなブランドミックスをしています。それどころか古着を混ぜたり、手直しやカスタムをして、自分に似合うフィットやデザインにすることで自分だけのお洒落を極めているんです。リアルなお洒落を参考にするなら、スナップが一番という最大の理由はこれに尽きるのです。

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