新しいドレスコード」カテゴリーアーカイブ

ウォームビズ対策の5箇条

つい先週まで、半袖のTシャツで出歩いてた気が。 もう朝晩寒くて、エアコンを入れようか悩み中です。外出にもジャケットを羽織ることが多くなってきました。そういえば街行くビジネスマンもいつの間にかスーツの上着を着て、ネクタイをしている人が増えていました。 ちょっと気が早いですが、そろそろウォームビズ対策を考えてもよい季節です。雑誌ではダウン特集なんてやってますが、人気ブランド&モデルはもうそろそろ売り切れてますから、決して冬対策が遅いわけではないんですね。ファッションピープルが動き出しているだけで、一般の方はゆっくり揃えていけばいんですから。 で、ウォームビズなんですが、考えておきたい対策は、以下の5つです。 1 ニットを重ね着 薄手のハイゲージニットの重ね着はウォームビズ当初から推奨されていました。カーディガンやVネックニット&ベストなど、Vゾーンのあるものが一般的でしたが、今年はクルーネックがおすすめです。「首がつまって窮屈では?」なんて思われるかもしれませんが、パツパツのクルーだと確かにそうですね。でも意外とこれが新鮮なんです。タンスの中で、ちょっと襟元がユルんできたぐらいのニットが最適です。 2 あったか肌着 まぁ、ようするにラクダのモモヒキの上バージョン。いろんなメーカーから機能性アンダーウェアが百花繚乱で、これがけっこうバカにできないです。長袖のものもありますが、さすがに袖がゴワつくので、半袖もしくはスリーブレスでも12月アタマぐらいまで十分かと。肌着だけじゃ寒くてしかたないという季節には、シャツイチにコートを着たほうがあったかいですから、晩秋ぐらいまでの対策と心得ましょう。 3 ロングホーズ 足が冷えるなんてOLみたいですが、男も足元って結構冷えますよね。スーツのパンツって裾がひらひらですから。で、ここで膝までのロングホーズをはくと、かなり温かいです。日本ではあまり人気のないロングホーズですが、膝下があたたかいと薄手のコートで十分です。逆に素足だとダウンを着ても寒いものです。ただし、以前も書きましたが最近の細身テーパードパンツにロングホーズをはくと、摩擦でパンツが絡みます。そこんとこ納得のうえではくか、あらためてレギュラーストレートのパンツでいくかは貴方次第です。 4 大判ストール マフラーですよね。でもオフィスでマフラーって、どうでしょう。なんていうと、オフィスでストールはアリなのか、ってことになりますが。女性の肩掛けが許されるなら、男性のストール巻きも許されるのでは。最近はブランケットほどの英国羊毛ストールもありますし、薄手のカシミヤストールをボリューミーに巻いても温かいですよ。ジャケットを脱いでカーディガンの上からアフガンストールみたいなスタイルも、いいと思うんですけど。お堅い職場でなければ、ね。 5 タートルネックニット ネクタイ必着の職場でなければ、タートルニット×ジャケットの組み合わせがいいと思うんです。昔はデザイナーとかニューアカデミズムの象徴みたいなタートルニットでしたけど、最近はミドル〜ローゲージのタートルニットも増えていて、ハイゲージタートルより気軽な感じです。タートルニットのことをイタリア語で「ドルチェビータ(甘い生活)」と呼びますが、これ、かのマルチェロ・マストロヤンニの映画『ラ・ドルチェビータ(邦題『甘い生活』)』からきてるんだとか。で、マストロヤンニが劇中でタートルニットを着てるとかっていうのは、なんど映画をみてもわからないんですが、何分何秒にでてるのか誰か教えてください! ... 続きを読む


祈! ドレスコード復活

「祝!」じゃないっす。「祈!」っす 「ただ問題は、彼らがその格好のまま平然と夕食に出かけてしまうことで、(中略)こと夏場のイタリアに関しては、なぜか彼らはリゾート地を勘違いをしている節がある」(落合正勝・著『クラシコ・イタリア礼賛』世界文化社) 昼間、ショートパンツにTシャツ姿でミラノのモンテ・ナポレオーネ通りで買い物をしてきた日本人が、同じ格好のままで夕食のレストランへ行ってしまうことを嘆いた、服飾評論家、故・落合正勝さんの言葉です。いまから20年前の著作ですが、ドレスコードについての認識が薄い日本人には無理もないことかもしれません。 ハワイや沖縄に旅行へ行って、昼間はビーチやプールで遊び、夕食のレストランにはTシャツ&短パンで出かけるのは、観光地なら許されることもあるでしょう。ハワイの高級レストランでは襟付きのアロハシャツを求められることもありますが。ヨーロッパの都市部で同じようなことをやらかすと、確実に店の奥のほうの、ヘタするとトイレの前の席に通されます。実際、ぼくも昔やられました。 ロンドンのサウスケンジントンあたりに泊まっていて、ホテルにほど近いレストランへ出かけたとき、なんのことはない地元の店なのに、客が皆ドレスアップしていたので、さすがこのあたりの住人はハイソだなと思っていたら、じつは多くが外国人で、わざわざドレスアップしてから食事に来ているのだと現地の友人に聞いて、ちょっと恥ずかしい思いをしたことがあります。ドレスアップ&ドレスダウン。遊びに行くときと食事のときの服装を変えるなんて、日本人にはあまり馴染みがないものですから。 80年代のディスコにはドレスコードを設定している店がありました。店の入口に黒服がいて、ラフ過ぎる格好の人は入店お断りというわけです。実際に弾かれた人を見たことはないのですが、「ドレスコード有り」と言われていたので、みんなそこそこ頑張ってお洒落して遊びに出かけていました。その後、ドレスコードのないクラブに夜遊びの中心が移行すると、ドレスアップする機会は激減しました。年に1〜2回、友達の結婚式の二次会ぐらいなものです。 お洒落して出かける場所がないことは、寂しいことだと思います。ドレスアップすることで気持ちを盛り上げたり、華やかな会場の雰囲気に溶け込んだりすることで、アドレナリンが出る感覚ってあると思うんです。いつでもどこでも短パンTシャツスニーカーで、気軽でいいかもしれませんが、ときには気持ちを切り替えるために服を着分けることがあってもいいのではないでしょうか。 ようやく涼しくなってきて、お洒落が楽しい季節になってきました。わざわざお洒落する機会を設けてみるのも、たまにはいいですよ。 ... 続きを読む


トレンドの「英国風」を取り入れるための5項目

イタリアとはひと味ちがうイギリスを表すもの 今秋のトレンドキーワードのひとつは「英国風」です。「英国」ではなく「風」なところがポイントです。毎年、秋冬になると「今年は英国トレンドが…」といわれるのは、春夏になると「今年のトレンドはミリタリー」と同じような気分ですが。男の服は、そこそこの英国とミリタリーを着ておけば間違いないのだと思います。ガチなのはダメです。英国もミリタリーも、本物はオタ度が高すぎますので。 では、どんなふうに「英国風」を取りいれればよいかというと、以下のとおりです。いくつか「2014年秋 コレ着てたらカッコいい7項目」とネタがかぶってますけど気にしません。 1 フランネルやツイードなど紡毛素材を着る。 秋冬なので当然といっては当然なのですが、今年はとくに紡毛が強いです。フォックスブラザーズのフランネルや、ハリス・ツイードなど、昔ながらの英国生地があちこちで使われています。起毛タッチの素材のジャケットに、ウールのタイを合わせるのがいいと思います。 2 チェンジポケット付きのジャケットを着る。 右腰ポケットの上にあるチェンジポケットは、ついてるだけでなんとなく「英国風」です。もちろん実際に小銭を入れたり、小物を入れたりしてはいけません。では、なんの意味があるのかというと、チェンジポケットを作るジャケットはウェストを高く設定しないとアンバランスのなるので、必然的にシェイプ位置が高くなって脚長に見えるのだそうです。今年はイタリアブランドもこぞってチェンジポケットをつけています。 3 チェック柄を着る。 メンズファッションの業界には、イタリア男はストライプを着ているイメージで、イギリス紳士はチェック柄を着ているイメージがなんとなくありまして。もちろんグレンチェックやタータンチェック、ハウンドトゥース(アメリカという説も)やタッタソールなど、英国伝統のチェック柄が多いことがその理由です。タータンチェックやウィンドーペーンは、今年のトレンド柄でもあります。ジャケットだけでなく、シャツやネクタイにも積極的にチェックを取り入れるのが今年流です。チェックオンチェックもガンガンやっちゃってください。チェッカーズ世代には、お安い御用でしょう。 4 黒い革靴を履く。 これもなぜだかメンズファッション業界には、茶靴=イタリア、黒靴=イギリスという図式があるんです。英国原理主義の人たちによると、英国紳士は黒靴しか履かないといいます。エドワード・グリーンもクロケットアンドジョーンズもジョンロブ(いまはフランスブランドですが…)も、チャーチ(いまはイタリアブランドですか?)も茶色の靴はいっぱいあるのですがね。10年ぐらい前だったかな? ある雑誌で英国スーツの特集をしたとき、スタイリストが茶靴を履かせたので全部再撮になったと聞いたことがあります。 5 タブカラーやピンホールカラーのシャツを着る。 ピンホールカラーもタブカラーも、その由来に諸説あって、ホントのところはわからないのですが、襟元をキュッと絞るスタイルは英国的だといわれます。なんとなく襟元がキュッとしてると、「襟を正す」姿勢が英国紳士に通じるみたいです。敬愛する故・落合正勝さんはタブカラーはケーリー・グラントが愛用し、ピンホールは50年代のアメリカで流行したことから、実用性を重視したアメリカらしいシャツだと言っておられますが。 ... 続きを読む


ワイシャツは素肌に着るべきか

汗でびっしょり濡れたシャツでもいいですか 「シャツはもともと下着なので、上着を脱いでシャツイチはマナー違反だし、中にTシャツを着るのはナンセンス」とは、よく知られた文言で、ドレスシャツは一枚で素肌に着なければならないというのが、スーツ原理主義者の鉄の掟です。丸首や半袖が透けるのはカッコ悪いのも、その理由のひとつになっていますね。 一年をとおして空気がカラッと乾燥していて、汗がすぐ乾く国ならいいのですが。春は5月ぐらいから徐々に暑くなり始めて、ヘタすりゃ10月中旬ぐらいまで湿気が多く雨も多くて蒸し暑い日本で「シャツイチ」や「シャツ・オン・Tシャツ」を否定するのは、常夏のハワイでアロハシャツの正装を否定するのと同じではないでしょうか。郷に入りては郷に従え、日本には日本独自のドレスコードがあっていいのでは。 スーツが生まれた国、たぶんイギリスあたりでは、真夏でも30度を越える日は稀で、いや最近は異常気象なので少しは増えてるかもしれませんが、スーツの原型ができあがった今から100年ぐらい前は、真夏でもリネンのシャツとウールのジャケットで過ごせるぐらいの穏やかな気候だったはずのでしょう。平日33度が普通の日本の夏は、シャツイチだってシャツの中に吸汗速乾性のTシャツを着るのだって、じつに理にかなった着方です。 お洒落はときとしてやせ我慢といわれますが、単純に欧米のルールを真似るのは「やせ我慢」でもなんでもなくて「服従」です。国や地域に合ったお洒落の仕方があるはず。なんでもかんでも欧米に倣う必要はありません。 ただし、中のTシャツが透けるのは、やはりいかがなものかと。とくにプリントTを着てるサラリーマン。ときどき見かけます。 ... 続きを読む


2014年秋 コレ着てたらカッコいい7項目

今(だけ)が旬 雑誌を見ればトレンドや流行、最新ファッションが満載ですが、でも結局どれを買って、どう着こなすかは、ファッション誌を読み慣れていないとわかりにくいものです。それほど今のメンズファッションは多様化していて情報量も多いのです。そこで、今後は思いついたときにシーズンごと「これを着てればカッコいい! お洒落が早い人がやってるテクニック」を完結に書き綴っていこうと思います。 1 タブカラー、またはピンホールカラーのシャツを着る 襟元をキュッとタイトに締める着方が、お洒落な人のあいだでチラホラ広がってきました。80年代にちょっと流行ったのですが、当時のシャツはスリーブも身頃も太いので、物持ちがよくても諦めて最新のシャツを買いましょう。先進的なセレクトショップで、少し取り扱いがあるようです。 2 もじゃもじゃ素材を着る とくに単品ジャケットに多いのですが、もじゃもじゃした素材感を着る流行がしばらく続きそうです。ラルディーニ、タリアトーレ、エルネスト、ザ・ジジなどセレクトショップが力を入れているブランドは、皆もじゃもじゃ素材です。大柄のチェック柄が入っていることもあります。 3 柄パンを履く 今年の春ぐらいまではカラーパンツ。カラーパンツと言っていました。今秋もカラーパンツは多いですが、早い人はカラーにパターンも取り入れています。ウィンドーペーンのチェック柄より総柄のプリント小紋や植物柄など、同系色で柄目立ちしないのに柄が入っているという、初心者でも履きやすいタイプもあります。 4 スニーカーもしくはダブルモンク カジュアルの足元は断然スニーカーです。メンズファッションでは断然ニューバランスですが、ランニング系かバスケット系がよさそうです。スーツなどビジネススタイルにはダブルモンクシューズを履いておけば、まず間違いはありません。 5 タック入りのテーパードパンツを短めにはく ノータックが主流ですが、トレンドが早いところはカジュアルもドレスもタック入りです。PT01やインコテックスなど、パンツ専業ブランドもちらほらタック入りを出しています。もちろん丈は短めに履いて、くるぶしを見せて履きましょう。おじさんが履くツータックとは違いますので、ご注意を。 6 フランネル素材を着る とくにスーツはフランネルが目立ちます。グレーだけでなくネイビーカラーもありますし無地だけでなく柄入りもあります。イギリスのフォックス&ブラザーズという生地メーカーが有名です。フォックスフランネルなら、買っておいて間違いありません。 7 シャツ&ネクタイは柄×柄 シャツとネクタイはどちらか一方が無地というのが基本でした。しかし今シーズンはストライプシャツに小紋タイ、チェックシャツにストライプタイなど柄×柄であわせるのがトレンドです。ちょっと柄がうるさいかな?と思うぐらいが、よかったりします。 秋の立ち上がりに有効なファッションテクニックのキーワードですので、深い秋まで継続するもの、初秋で消えてしまうものもあります。このネタは随時更新していこうと思います。 ... 続きを読む