シャツ」カテゴリーアーカイブ

緩〜いスウェットでスポーツ&トラッド

ライターズ・スタイル3

 個人的にもクラシコ的なシーンを語る仕事が多く、すっかり忘れられた存在になっていたスウェットシャツ(もしくはトレーナー)。加えて空前のニットブーム(一般的にはそんなブーム、なかったカンジですかね)も手伝って、我が愛用のスウェット達もかなーりタンスの奥に追いやられていたのでした。しかし、シャカシャカジャケットやアディダスのマークずどーんなど、スポーティな要素を取り入れた着こなしが老いも若きにも台頭している昨今、再びスウェットが気分なんじゃないかと愚考する次第。さらに、これまでのグレーやネイビーなどのダークトーンで固める装いの支配力が弱まってきた現在、スウェットの持つスコーンと抜けた能天気な明るさは、今こそアリのような気がするのです。

 で、再びスウェットを考察するワケですが、無地のデザインだとやっぱり寂しい。スウェットならではのスポーティかつチープなヌケ感をフォローしてくれる、ユル〜いプリントを配したものがイイのではないかと思うのです。とは言え、僕ももうかなりの熟年オヤジ。さすがにイラスト系プリントはヌケ感が強すぎて、笑いを取りにいってる欲しがりサンと思われそうでややリスキー。ゆえにひと目でほっこり頬も緩む、ロゴ入りスウェットをオススメする次第なのです。ところが…。ロゴといっても星の数ほどそのデザインはあるわけで、どれを選ぶのが正解なのか? これは説明がかなり難しい。ただ言えるのは、ガチ体育会系は避けて欲しいというコト。というのも、アスリート色が強くなりすぎてファッションの枠を越えてしまうから。今回の場合は飽くまでファッション目線でのスウェット・チョイス。ココはぜひ慎重に吟味を重ねていきたいモノなのです。

 ということでそのロゴに焦点をあてて僕のユルい私物を見ていきたいと思います。

Photo① タフツ大学のものと思われる一着。白地のプリントも服のデザインとしては、やや中途半端な小さめフォルム。申し訳程度の白一色とゴシックデザインのブラックレターという匙加減が絶妙。こういったギークなヌケ感は、出そうとしても出ないところが難しいのです。手びねりの陶器にも似た“偶然デキちゃった感”を素直に味わいたい。

Photo② テネシー大学のものと思われる一着。テネシー大学のロゴスウェットはこれまでにも幾つかのショップで見掛けましたが、どれも“負けんな!”“カマしたれ!”的な勢いのあるロゴのものばかり。おそらくこの一着は、チアガールのユニフォームかなんかだったのではと考えています(適当)。白いボンボンが見えてくるような女性的なルックスにヤラれちゃって、お手付きとあいなりました。

Photo③ こちらはビショップ・ホバンなるハイスクール系の一着。ただし、プリントの塗料の雰囲気が妙に新しく、ひょっとしたら企画モノかもしれません。ただ、丸みのある筆記体が非常にコメディタッチで僕好み。軍パンに相性良さげなグリーンロゴも気に入ったため反射的に購入しちゃいました。

 さらに今回は、ガンバってコーディネイトも組んでみました。トラッドでちょっと能天気かつ香る程度にスポーティ。そんなスタイリングを探求中の諸兄など、参考にしていただけたら幸いです。

Photo① 白シャツに70505を合わせたアメトラ王道の着こなしは既視感たっぷり。白シャツと白ロゴ、そして白靴下を合わせて着たい気分です。足元はオールデンのコードバンサドルシューズ。今にしてサドルというのがミソ。トレーナーとカラーを揃えたつもりです。

Photo② 白シャツとグレースラックスを合わせた着こなし。ちょい派手なオレンジカラーとシックなスラックスのミックスが、僕流の甘×辛コーデ。問題は足元で、写真を撮ってから黒の革靴のほうが良かった? と迷う始末。なんか軽快に行きたかったので、ここではベージュスエードのオールデンをチョイス。黒のニットタイを締めることもあるので、そんな時は黒靴にしましょうか。

Photo③ マッキントッシュのバルカラーコートにウールのM51軍パンを合わせた着こなし。この軍パンは昨年下北沢にて2900()で購入したもの。デッドストックだったので状態は抜群。というかこ馴れてなくてやや堅め。少しだけ裾をテーパードさせてあります。靴はグレンソンの変則Uチップ、グリーンレザー。スクエアのトゥと軍パンのハードさが好相性かと。

★さーてお待ちかね、ゼロヨン・つよしのオマケコーナー!!

というワケで、ココから下は時計好きのための専用ラウンジ。やっぱり男の装いには機械式時計が欠かせません(半ギレ)。アップルウォッチ? なにソレおいしいの? 的な人に立ち寄って和んでいただければと思い増設しました。先ほどの3コーディネイトに使った時計をクローズアップでお見せします。

Photo① こちらはベンラスのダブルカレンダー。50’s的な蛇の目デザインがこういった装いにマッチします(独断)。この写真だと針の角度でポインターデートのハンドが見えなくて残念。独自機構の耐震付きですが、ケースバックはスナップ式。夏期は使えません。バンドのカラーはブラックではなくネイビーのクロコ。

Photo② グレーパンツと合わせてグレーバンドの60’sロンジンを取り入れてみました。砲弾型のアプライド式インデックスが高級な雰囲気を放ちます。中の機械は23ZS。もの凄いお気に入りの一本ですが、ミニッツマーカーがかぼそ過ぎるところがチト残念。

Photo③ この時計はゾディアックのトリカレムーンで手巻きのタイプ。グリーンのバンドがポイントです。50’s生まれらしいアラビアインデックスが本当に可愛い。猫背な「4」も好きすぎるけど、おむすび型の「10」も実にステキ!! (先日、アトリエきのこにてOH済み!)

(※次回はスリッポン・シューズにフォーカスする予定です)

 


「ラルフローレン愛を語る」PART1

ゼロヨンテレビ

ラルフローレンが好きすぎるハセガワが、今回「俺に語らせろ!」というので、敬愛するラルフローレンについて思う存分語ってもらいました。古着好き&ラルフ好きということで、収集したチェックシャツは、すでにクロゼットから負け出ているほど。今日はその一部を厳選して持ってきました。

渋カジ時代からラルフローレンにどっぷり使った男の、「青年の主張」ならぬ「中年の主張」を、どうぞお聞きください。

 

 

 

 

 

 

 

メンズファッション ブロガーランキングにもどる
にほんブログ村 メンズファッションにもどる


YouTube - www.youtube.com

「ブルックスブラザーズのポロカラーシャツ」

ゼロヨンテレビ

なぜか誰にでも似合ってしまうボタンダウン(ポロカラー)シャツ。「1896年に〜云々」という歴史的なウンチクは横に置いといて、なぜか気になるこのアイテムの魅力について、アメトラ好きなウチの相方と話してみました。

 

 

 

 

 

 

 

メンズファッション ブロガーランキングにもどる
にほんブログ村 メンズファッションにもどる

 



 

こんにちはゼロヨンテレビです。メンズファッション誌のライターやってます。僕たちが雑誌で書けなかったことや、愛してやまないブランド・アイテムなど、好き勝手に語...
ゼロヨンテレビ PART1「グッチのビットローファー」 - YouTube
タリアトーレのネイビージャケットを紹介しています。 http://zeroyonlab.com
ゼロヨンテレビPART2「タリアトーレのネイビージャケット」 - YouTube
レイバンのウェイファーラーって、無くしては買い、壊れたらまた買う、どうしても手元に1本おいておきたいサングラスです。男が惹かれる、その秘密とは。。。 http://ze...
ゼロヨンテレビPART3「レイバンのウェイファーラー」 - YouTube

クールビズ対策 ワイシャツの下の最強インナーとは

日本の夏は「シャツの下にインナー」が常識です

メンズファッション誌では「シャツは下着だから素肌に着るべし」と、ずーっと書いてきました。しかしながら夏場に普通のプロード生地のワイシャツは、汗を吸うとピッタリ素肌に張り付いて、着ているだけでキモチ悪いものです。しかも濡れて透けてたりなんかした日には、見せられる側もキモチ悪いったらありゃしません。

そもそも「シャツは素肌に」が許されるのは、乾燥した気候のヨーロッパならでは。多少汗をかいても湿度が低いので、すぐに乾きますし木陰や屋内はひんやりしていて、冷房いらずだったりしますので当然素肌に上質な生地のシャツ一枚が心地いいわけです。

湿度の高い日本では、そういうわけにはいきません。夏の素肌はつねに汗でじっとり湿っていますし、濡れたシャツはなかなか乾きませんし。ヨーロッパの常識が日本で通じるわけないんです。

断言します。日本の夏はワイシャツやドレスシャツを着るときに、汗を吸うインナーが必須です。1日中エアコンの効いた涼しい室内で過ごす人と汗をかかない特異体質の人を除いて。

しかしながら妙な常識に囚われていたファッション誌より現実の方が進んでいて、日本のビジネスマンのクールビズには、多くの方がインナーを着用されています。

しかしですね、みなさん間違ってませんか、そのインナーの着方。

インナーが透けて見えるのは絶対ダメです。

「ジャケット不要」が解禁されて、シャツイチのクールビズスタイルが定着したことで、半袖のビジネスシャツに気を使う人が増えました。ノータイでも襟元がだらしなく開かない「ボタンダウン」や「カッタウェイ」と呼ばれる襟羽根が切れ上がっているタイプのビジネスシャツが人気となって、おじさんでも細身に見えるスリムフィットが登場したり、スーツのズボンを流用するのではなく<インコテックス>など足長に見える単品パンツも定着しました。

なのに、「ワイシャツにインナーが透ける」は、なぜ気にしないのでしょうか? 女性のブラウスに下着が透けるのは、絶対的に「恥ずかしい」ですよね。おじさんはワイシャツにTシャツが透けるのは絶対的に「ダサい」ですよ。クールビズ以前、ジャケット着用だった時代の名残りからか、男性はシャツに下着が透けることをあまり意識しないのでしょうか。

インナーを正しく着ましょう

多くのメーカーからワイシャツ専用のインナーがいろいろとリリースされていますが、普通のTシャツ、もしくはいわゆる一般的な下着(肌着)を着ている人もまだまだ多く見られます。クールビズ初期によく見られたロゴ入りのプリントTシャツを着ている人はさすがに減りましたが、無地のインナーでも着方を間違っている人が多く見られます。クールビズではワイシャツの襟元のボタンを開けるのでクルーネックタイプ は見えてしまいますね。開いた襟元からTシャツのクルーネックが覗いたらビジネススタイルとしては減点です。タンクトップは確実に肩線が浮き上がるのでやめましょう。

襟元から覗かないくらいネックラインに余裕あるUネックのTシャツを着ていたとしても、リブに厚みがあるので白無地のワイシャツなら確実に透けて胸元が透けてツキノワグマみたいになってしまいます。さらに見苦しいのは半袖ワイシャツの袖のなかに、インナーの袖がひらひら透けていることです。

白無地のワイシャツの胸元にインナーのネックが透けていたり、ワイシャツの半袖の内側にTシャツの袖が透けてみえるのは「ダサい」し「おっさんっぽい」し、あまりにも「ビジネススタイルに無頓着」です。色柄のワイシャツの場合はインナーが透ける心配はそれほどないのですが、白シャツが透けているのはビジネススタイルとしてレベルが低いといわざるをいえませんね。

ワイシャツには専用インナーを着ましょう

普通の白無地Tシャツは汗を吸っても乾きにくいので気持ち悪いし冷たくなるし…。そのうちワイシャツにもしみてきますよ。

こうならないためにワイシャツ専用のインナーを着ましょう。特殊な繊維が汗を素早く吸い取って乾燥してくれるので、ワイシャツに汗がしみるのを防いてでくれます。ワイシャツに皮脂が吸い込みにくいので汗や皮脂の汚れがつきにくいのもインナーを着る利点です。

最近のインナーは接触冷感機能を備えたものもあります。これは雑誌では書けませんが、確かに最初着た時は冷やっとしますけれど着ているうちに普通に体温と同じになりますので冷感性は薄くなります。ただ、接触冷感機能を備えた繊維はシャリっと硬いタッチですので、湿度が低くカラッと暑い日に着ると、素肌にぴったりはりつかないのでなんとなく快適です。

冬には保温性の高いインナーもでていますよね。こちらはまた改めて。

白無地のワイシャツにはベージュのインナーを合わせる

クールビズ用の白無地ワイシャツには、ベージュのインナーを着用しましょう。その他の色はグレーだろうと黒だろうと必ず透けます。これは女性の下着と同じ考え方です。メーカーによってベージュのトーンにそれほど差はありませんが薄いものより濃い目のベージュがいいようです。ネックのカットはクルーネックより深めのUネックを。襟元のボタンは、せいぜい外しても1つだと思いますが、飲み会などで2つめを開けたときにも深いUネックならのぞきませんので女性がいる席でも安心です。

ただしクールビズとはいえ、ときにタイドアップすることがあるようでしたら、胸元の汗がしみますのでクルーネックタイプをおすすめします。

風通しがよいように半袖が大きく開いているワイシャツの場合、たとえベージュのインナーを着ていても、角度によっては袖の内側がチラ見えしてしまいます。さすがに目をそらしたくなるところではありますが、ここからインナーの袖が覗いてしまうのは女性のベージュのブラがチラ見えするぐらい残念なことです。

そこでオススメなのがノースリーブのベージュインナーです。

これならワイシャツに透けず、袖口からのぞきません。袖がないぶんワイシャツの袖と干渉して脇がモタつくこともありませんし、個人的にはインナーはノースリーブがなにかと都合がよいのではないかと思っています。

色柄ワイシャツには必ず「半袖」インナーを合わせる

ブルーの無地やストライプの柄が効いたワイシャツを着るときは、白無地だろうとベージュだろうと黒だろうと、色についてはなんでも大丈夫です。透けにくいワイシャツならぶっちゃけ普通のTシャツだろうが専用インナーだろうが、ノースリーブだろうがタンクトップだろうが、インナーはなんでもいいんです。前述したとおり汗を吸って冷たくなるのが我慢できるなら、ですけど。

ただし色柄ワイシャツの場合は、脇汗対策として袖ありのインナーをおすすめします。白無地のワイシャツは脇汗が目立ちにくいのですが、色モノのワイシャツは汗に濡れた部分が色濃く浮き上がりますので、袖ありインナーで脇汗を吸い取ってもらう必要があります。

それでもしみてしまうという方、最近では脇汗パッド付きのメンズインナーもありますよ。

でも、ベージュのインナーの日はデートに行けない…

ベージュのインナーは仕事に行って、ちゃんと帰る日用ですね。ジムぐらいならともかく、彼女とデートしてお泊りとか、ちょっとお見せできないですし。

仕事柄どうしても白無地ワイシャツを着なければならない場合は、ノースリーブの白無地インナーならぎりぎりOKでしょうか。ワイシャツの袖の縫い付け部分が、インナーの袖口にちょうど重なって、袖先がぴらぴら透けて見えないのでセーフです。胸元のツキノワグマ対策は、浅Vネックタイプのインナーなら、襟羽根のラインと同化してごませるかもしれません。

今夜デートの予定があるようでしたら、ワイシャツは色柄モノを。インナーには見られてもOKなTシャツででかけましょう。デートの予定のない方は、ワイシャツに合わせた正しいインナーをしておでかけください。

 

メンズファッション ブロガーランキングにもどる


貝ボタンはシャツの品質を雄弁に語ります。

貝ボタンは明らかに艶が違います。

ボタンは金属、骨、角、木、樹脂など、様々な材質のバリエーションがあります。ドレスシャツ(ワイシャツ)用のボタンは主にプラスチックと貝の2種類です。よくメンズ誌で「ボタンは白蝶貝を使っているため高級感が段違い」と書かれていますよね。ええ、僕もそう書いてきましたとも。でもなぜ貝ボタンって、高級なんでしょうか?

貝ボタンは割れやすいため「クリーニングに出す前は外してください」と注意書きが添えられることもあります。でも、いちいちボタンを外してクリーニングに出す人はいませんよね。なので高級シャツほど、家で手洗いするのが基本です。プロのアイロン職人が手作業でパリッとアイロン掛けしたシャツを着て会社にいきたいのなら、あえてプラスチックボタンの安価なシャツのほうがいいのです。

ネクタイの脇からチラリとしか見えないシャツボタンではありますが、チラ見えしたときにキラリと輝くのは、細かいところに気遣う紳士の心意気といいますか、江戸っ子の裏勝りといいますか、はたまたチラリズムのエロティシズムといいますか。大量生産のプラスチックボタンより明らかに違う艶は、大人の余裕の表れとしても優雅だと思いますよ。

普通のプラスチックボタンは1個10円ぐらいですが、貝ボタンは高級な手削りのものになると1個250円ぐらいするものもあります。シャツに使われるボタンの数は、7~8個ですから、貝ボタンのシャツはボタンだけで2000円ぐらいするわけです。これじゃ、ワゴンに積まれている安価なワイシャツには使えませんね。当然、貝ボタン仕様=高級シャツとなるわけです。

イタリアの有名シャツブランドは、ほとんどが貝ボタンを使っています。実際ピッティ会場などで「うちのシャツはマザーオブパール(白蝶貝)だぜ」と自慢されることが非常に多いんです。聞いてるうちに、だんだんうんざりしてくるので、白蝶貝と聞くだけで「あー、はいはい、またね」と飽きてきます。なので僕らは正直なところ白蝶貝に、あまりありがたみを感じなくなってしまっています。

日本でシャツをオーダーする際、「ボタンはどうします?」と聞かれても、貝ボタンを強く勧められることがないように思います。実際、僕も「貝は割れやすいから、練りにしときます」ということが多いような気が。オプション料金掛かるくらいなら無料の練りボタンでいいかな、というかブランド自慢するわけでもないし、ネクタイで隠れて見えないし、ま、いっかと思ってる次第。

一枚だけありました貝ボタンの国産オーダーシャツが。フォーマル用のウィングカラーは貝ボタンにしています。比翼仕立て(フライフロント)で見えないものだし、貝ボタンである必要は全然なかったのですが、フォーマル用だし気合いをいれたくてというのが本音。

で、こちらが使われてる貝ボタン。

乳白色に光沢が浮かび上がって色っぽいですね。

ちなみにこのウィングカラーは、蝶矢シャツ(CHOYA)で仕立てたものです。シャツはもちろん国内工場ですが、高級貝ボタンの世界的な産地は日本だそうで、なかでも奈良県産が良いのだとか。海のない奈良県で貝ボタンって、なんか不思議。海外ブランドのシャツはかなり持ってるつもりですが、実際に愛用してるのって国内でオーダーしたものが多いような気がします。

プラスチックボタンと貝ボタンの差

さて、こちらはプラスチックボタンです。

これは、イタリアのスーパーマーケットのオリジナル。ヘリンボーンの織柄入り白シャツです。ロストバゲッジしたときに、荷物が届くまでのつなぎ用に買ったんですが、意外と気に入ってる一枚。フィレンツェで3000円ぐらいだったかな。

イタリアで買った安いシャツですが、ブラスチックボタンだろうと、スーパーマーケットブランドだとうと、僕が気に入ってるからいいといえばいいんですが。カジュアルシャツの場合、多くはプラスチックボタンです。前を留める用途ですから、特に不都合はないわけですし。ブラスチックボタンだろうと白蝶貝だろうと、気に入っているシャツならば、どっちでもいいのです。

でも、やっぱり貝ボタンが気になるという人は、さらに読み進めてもらえれば。

白蝶貝ってどんな貝?

貝ボタンの素材は様々ですが、なかでも白蝶貝(Mother of Pearl)製が最高級といわれます。イタリアでは多くのカミチェリアが「Mother of Pearl」のボタンを使っていることをアピールしてきますからね。白蝶貝って、そんなにエライの? と思っていたのですが、調べてみるとホントにエライみたいです。

白蝶貝は南洋真珠の母貝に使われる貝です。南洋真珠は大玉で知られますが、その母貝となる白蝶貝は30センチを超えることもある大型の二枚貝です。表面を研磨すると美しい真珠層が浮かび上がります。これを削りだして表裏とも真っ白な光沢ある美しい貝ボタンを作るわけです。貝に厚みがあるので、イタリアのシャツによく見られる、分厚いボタンも作りやすいわけですな。

ちなみに日本の真珠はアコヤ真珠といって、母貝にアコヤ貝を使います。アコヤ貝も削りだすと見事な真珠層が出てきます。小さく薄いので、厚手のボタンにはなりにくいようです。

ちなみに「貝パール」と呼ばれる真球のイミテーション真珠は、白蝶貝から削りだします。女子高生が集まるアクセサリーショップの安価なパールは、ほとんどが貝パールです。お父さんのワイシャツのボタンと同じものなんです。

白蝶貝の生産地は南洋真珠の生産地に同じく、主にオーストラリアやインドネシアです。南洋真珠の生産量は約10トン程度。日本のアコヤ真珠は近年水質の変化によって低迷していますが、その生産量は20トン弱といわれていますので、その希少性はおわかりいただけるかと。白蝶貝の採取量も自ずと知れますよね。母貝の白蝶貝だけでは足りませんので白蝶貝そのものを採取して輸出する東南アジアの国もあります。

高級シャツの貝ボタンは白蝶貝を選ぶ

貝ボタンの材料として、もうひとつ有名なのが高瀬貝です。こちらは白蝶貝のような二枚貝ではなく巻き貝の一種で、奄美諸島以南の温かい海に生息しているので、沖縄のほうでは普通に食卓にあがるのだそうです。

学名はサラサバテイというようです。シッタカとかバテイラとか、子供の頃、田舎の海で採った貝を食べたことがある人なら耳馴染みあるのでは? 同じ種類の南洋種なので大型になる貝なんですね。僕も子供の頃、伊勢の海で茹でて食べた記憶があります。

高瀬貝の身は食用ですから、そこそこ量が採れるわけで、供給量も白蝶貝の比じゃないわけです。高瀬貝のボタンの値段は白蝶貝の3分の1から4分の1とお買い得。貝ボタンの艶は白蝶貝と高瀬貝で、表を見る限りシロウトレベルでは見分けがつきません。

イタリアの高級シャツは「白蝶貝ボタン」をセールスポイントにしていますが、どうやら何割かは高瀬貝が混ざっているようです。僕の持っているドレスシャツはどれも「白蝶貝」のボタンを使っている前提で購入してきたつもりですが、iPhoneにマクロレンズを取り付けてシャツのボタンを撮影して遊んでいたら、あれあれ? これは白蝶じゃないぞというものがありました(ようやく昨日の前振りにたどり着きました)。

まずは、こちらを御覧ください。

もう何年も前に3万5000円ぐらいで、某セレクトショップで買った某イタリア製のシャツです。ボタンの裏を見ると、赤とか茶とかのマーブル状の斑が見えます。これが高瀬貝ボタンです。白蝶貝の場合は真っ白で、こういう斑がありません。表からは見えないところで、全部がこうではないのですが、前ボタン7つのうちの2個にあきらかに高瀬貝と思しき斑が見られました。ブランド名は、あえて伏せますが、もちろんこれはショップの別注の仕方でいくらでも変わるものです。白蝶貝を使うか、高瀬貝で値段を抑えるかは、バイヤーの考え方次第ですしね。ちなみに表の艶感は白蝶貝となんらひけをとりません。

<フィナモレの表>

たとえばこちらはフライ(FRAY)。

いわずとしれた、クラシコイタリア協会に所属するボローニャのカミチェリアです。高級生地を使うフライですが、ボタンは薄型で、4穴ですが鳥足掛けになっていませんね。

でもボタン裏はさすがにピカピカです。

こちらはトゥルッツィ(TRUZZI)。1890年創業というミラノの老舗シャツです。

白蝶貝ボタンにTRUZZIの刻印入りとは、やる気を感じさせます。糸も鳥足でかがられてます。

ボタン裏の仕上がりも、表並みに美しいです。文句のつけようがありません。

お次はエリコ・フォルミコラ。いまやすっかり人気ブランドですが、エリコ氏はキートン、ボレッリなどで研鑽を積んだビジネスマン。職人上がりじゃなかったような気がしますが、マーケティング上手でモノ作りの機微をよくわかっている人です。最近、ジャケットファクトリーを自社傘下に収めたので、ジャケットの出来もかなりよいです。

鳥足の糸掛け、白蝶貝の美しさは裏までぬかりなし。

これはバルバ。マシンシャツの最高傑作といわれますが、僕のバルバは古いものなので今のとは全然違います。身幅も広いし、タグのデザインも違うし、「cucito a mano(手縫い)」って書いてあるし(笑)。

白蝶貝のボタンは厚みがあって乳白が強め。鳥足掛けですが、糸足に高さがなくて少々きつめです。いまはいろいろ改善されてると思いますよ。

ボタン裏の仕上がりは抜群に良いんですけどね。なにしろ生地とボタンの間に隙間がないので、指で持ってないと撮影できないという。

手持ちのシャツで意外によくできているのがこちら、トム・フォード。NYにショップを開いた2007年、オープン初日に押しかけて購入したものです。

襟羽が大きく、台襟の高いドゥエボットーニのクレリック。もちろんダブルカフス。

白蝶貝のボタンも鳥足掛け。でも、このシャツ、もっとすごいところがあります。

じゃじゃーん! なんと糸足に「根巻き」がされてるんです。僕の持ってるシャツで根巻きされてる既製品はこれ一枚しかありません。

それでもやっぱり白蝶貝ボタンにこだわりたいのが男心

白蝶貝ボタンだろうと高瀬貝ボタンだろうと、ボタンの裏に斑があろうと、なかろうと、クリーニングに出すことを躊躇うこと意外、シャツを着るうえで何ら問題はありません。事実、僕が持ってるシャツのなかで気に入ってる順序でいえば、上掲のなかでいえば「高瀬貝ボタンのブルーストライプクレリック」「イタリアのスーパーで買った白シャツ。当然プラボタン」が1位、2位ですから。

それでもやはり白蝶貝にこだわりたいのは、男心というか紳士道といいますか。白蝶貝ボタンのシャツを着用している優越感というか、所有欲を満たすというか。逆に言えば、男の服なんてのは、そういう自己満足的なところを満たしてナンボみたいなところもあります。

こちらのシャツ、1枚5000円なのに本物の白蝶貝を使っています。着古しても、白蝶貝のボタンは外してからお払い箱ですね。

多くのイタリアブランドを発掘したリデアがプロデュースするシャツ「CAMICIANISTA」通販ショップ。伝統的イタリアメイドのシャツ製法で本格的なシャツが完成。体型を美...
ドレスシャツ・ワイシャツ・Yシャツの通販 / CAMICIANISTA - camicianista.com

メンズファッション ブロガーランキングにもどる
にほんブログ村 メンズファッションにもどる

 



 



 



 


 

Amazon.co.jp ウィジェット