柄シャツには柄タイを合わせるというトレンド提案はいま…
「今年はもう、なんでもありでしょ」と、2年前は言ってましたね。ジャケットは色柄だけでなく織りのバリエーションも様々で、パンツも色柄ともに甚だし。トレンド重視の売り場には、どこにも白シャツが無い無い無い! タイが無地では恥ずかしい、派手な花柄やペイズリー柄じゃなきゃ! だったはず。
わかりやすいトレンドほど短命なもので、いまやカラーパンツなんて、こっ恥ずかしいだけですし、花柄シャツなんて存在があったことすら忘れられています。シャツもパンツも、フラワーチルドレンみたいなマルチカラークレイジーストライプですら「あり」だったのに。いまやグラフチェックのシャツすら気恥ずかしい感じ。ぜんぶ、去年とっくに終わっていたトレンドですな。
Vゾーントレンドは、同系色やトーン・オン・トーンへと変化していて、ブルーのシャツにブルーのタイだの、白シャツにベージュのタイだの、タイをしていることを隠しタイといいますか。
単品でみても地味さは一目瞭然です。濃色ウールタイは、ジャカード柄が同系色の糸で入っていて遠目には無地にしか見えません。これに合わせるシャツは白でもブルーでもいいのですが、襟元をキュッと留めるタブカラーだったりすることは、こないだ書きましたね。
とにかく今年のVゾーンは英国調ということで、地味に攻めるのが正解のようです。
英国調、サヴィルロウとジャーミン、シティとカントリーなど様々ですが、いずれにしても共通してるのは、イタリア的なこれ見よがしでないことでしょう。
トーン・オン・トーンで英国調を攻略する
ピッティスナップを見てもわかるように、イタリア人はわかりやすいものが大好きです。英国人は基本がアンダーステイトメントですので、目立たないところで勝負してきます。わざとホントは複雑な柄模様を地味な配色で作ったりしますし、裏地に凝ったり、小さなアクセサリーにこだわったりします。だからVゾーンも、一見地味です。そのかわり、よく見ると複雑怪奇な柄や織りを使っていたりします。
おしゃれ上手には腕の見せ所ですが、初心者には「わかりにくい」「まねしにくい」「簡単にはおしゃれに見えづらい」とシーズンかもしれません。