ラペル幅はスーツの顔です

ジャケットの襟をラペルといいます。

よく見ると、上襟と下襟に分かれているので、とくに下襟部分をラペルといいます。

このラペル幅、スーツによって、太かったり、細かったりします。

リクルートスーツのラペルは細い物が多くて、おじさんのスーツのラペルは太いものがいいようです。それに、70〜80年代のスーツはラペルが太いですし、90年代のスーツは細いものが多いようです。

流行もあるのですが、単に流行に左右されるものではないんです

あるイタリアの老練したサルトに話を聞いたことがあります。「ラペルの幅は、何センチが正解なのですか?」。彼は「着る人の顔や体、肩幅で自然と決まってくるものさ」と答えてくれました。そりゃそうだわ。

小柄な彼のスーツのラペルは、太いところで10㎝ほどでしたが、スポーツマンだという彼の息子は体格がよく、ラペルも12㎝ほどとさらに幅広な堂々たるダブルのスーツを着ていました。一見、息子のスーツのほうが貫禄があるのですが、父の仕事を手伝う彼はあくまで脇役。年齢も30代前半とサルトにしては若いですが、ラペル幅の正解はこうなるのかと感じ入りました。

若者はモダンでシャープなナロウラペル。熟年はクラシックで貫禄もあり、ちょっと古くさいワイドラペルと思っていたのですが、そうではないようです。むしろ、若い人がクラシックなスーツを着て、社会人としての落ち着きや信頼感をアピールしたり、それなりの地位に就く年配の方が若々しいナロウラペルのスーツを着てもよいのではないでしょうか。


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