日本の夏は「シャツの下にインナー」が常識です
メンズファッション誌では「シャツは下着だから素肌に着るべし」と、ずーっと書いてきました。しかしながら夏場に普通のプロード生地のワイシャツは、汗を吸うとピッタリ素肌に張り付いて、着ているだけでキモチ悪いものです。しかも濡れて透けてたりなんかした日には、見せられる側もキモチ悪いったらありゃしません。
そもそも「シャツは素肌に」が許されるのは、乾燥した気候のヨーロッパならでは。多少汗をかいても湿度が低いので、すぐに乾きますし木陰や屋内はひんやりしていて、冷房いらずだったりしますので当然素肌に上質な生地のシャツ一枚が心地いいわけです。
湿度の高い日本では、そういうわけにはいきません。夏の素肌はつねに汗でじっとり湿っていますし、濡れたシャツはなかなか乾きませんし。ヨーロッパの常識が日本で通じるわけないんです。
断言します。日本の夏はワイシャツやドレスシャツを着るときに、汗を吸うインナーが必須です。1日中エアコンの効いた涼しい室内で過ごす人と汗をかかない特異体質の人を除いて。
しかしながら妙な常識に囚われていたファッション誌より現実の方が進んでいて、日本のビジネスマンのクールビズには、多くの方がインナーを着用されています。
しかしですね、みなさん間違ってませんか、そのインナーの着方。
インナーが透けて見えるのは絶対ダメです。
「ジャケット不要」が解禁されて、シャツイチのクールビズスタイルが定着したことで、半袖のビジネスシャツに気を使う人が増えました。ノータイでも襟元がだらしなく開かない「ボタンダウン」や「カッタウェイ」と呼ばれる襟羽根が切れ上がっているタイプのビジネスシャツが人気となって、おじさんでも細身に見えるスリムフィットが登場したり、スーツのズボンを流用するのではなく<インコテックス>など足長に見える単品パンツも定着しました。
なのに、「ワイシャツにインナーが透ける」は、なぜ気にしないのでしょうか? 女性のブラウスに下着が透けるのは、絶対的に「恥ずかしい」ですよね。おじさんはワイシャツにTシャツが透けるのは絶対的に「ダサい」ですよ。クールビズ以前、ジャケット着用だった時代の名残りからか、男性はシャツに下着が透けることをあまり意識しないのでしょうか。
インナーを正しく着ましょう
多くのメーカーからワイシャツ専用のインナーがいろいろとリリースされていますが、普通のTシャツ、もしくはいわゆる一般的な下着(肌着)を着ている人もまだまだ多く見られます。クールビズ初期によく見られたロゴ入りのプリントTシャツを着ている人はさすがに減りましたが、無地のインナーでも着方を間違っている人が多く見られます。クールビズではワイシャツの襟元のボタンを開けるのでクルーネックタイプ は見えてしまいますね。開いた襟元からTシャツのクルーネックが覗いたらビジネススタイルとしては減点です。タンクトップは確実に肩線が浮き上がるのでやめましょう。
襟元から覗かないくらいネックラインに余裕あるUネックのTシャツを着ていたとしても、リブに厚みがあるので白無地のワイシャツなら確実に透けて胸元が透けてツキノワグマみたいになってしまいます。さらに見苦しいのは半袖ワイシャツの袖のなかに、インナーの袖がひらひら透けていることです。
白無地のワイシャツの胸元にインナーのネックが透けていたり、ワイシャツの半袖の内側にTシャツの袖が透けてみえるのは「ダサい」し「おっさんっぽい」し、あまりにも「ビジネススタイルに無頓着」です。色柄のワイシャツの場合はインナーが透ける心配はそれほどないのですが、白シャツが透けているのはビジネススタイルとしてレベルが低いといわざるをいえませんね。
ワイシャツには専用インナーを着ましょう
普通の白無地Tシャツは汗を吸っても乾きにくいので気持ち悪いし冷たくなるし…。そのうちワイシャツにもしみてきますよ。
こうならないためにワイシャツ専用のインナーを着ましょう。特殊な繊維が汗を素早く吸い取って乾燥してくれるので、ワイシャツに汗がしみるのを防いてでくれます。ワイシャツに皮脂が吸い込みにくいので汗や皮脂の汚れがつきにくいのもインナーを着る利点です。
最近のインナーは接触冷感機能を備えたものもあります。これは雑誌では書けませんが、確かに最初着た時は冷やっとしますけれど着ているうちに普通に体温と同じになりますので冷感性は薄くなります。ただ、接触冷感機能を備えた繊維はシャリっと硬いタッチですので、湿度が低くカラッと暑い日に着ると、素肌にぴったりはりつかないのでなんとなく快適です。
冬には保温性の高いインナーもでていますよね。こちらはまた改めて。
白無地のワイシャツにはベージュのインナーを合わせる
クールビズ用の白無地ワイシャツには、ベージュのインナーを着用しましょう。その他の色はグレーだろうと黒だろうと必ず透けます。これは女性の下着と同じ考え方です。メーカーによってベージュのトーンにそれほど差はありませんが薄いものより濃い目のベージュがいいようです。ネックのカットはクルーネックより深めのUネックを。襟元のボタンは、せいぜい外しても1つだと思いますが、飲み会などで2つめを開けたときにも深いUネックならのぞきませんので女性がいる席でも安心です。
ただしクールビズとはいえ、ときにタイドアップすることがあるようでしたら、胸元の汗がしみますのでクルーネックタイプをおすすめします。
風通しがよいように半袖が大きく開いているワイシャツの場合、たとえベージュのインナーを着ていても、角度によっては袖の内側がチラ見えしてしまいます。さすがに目をそらしたくなるところではありますが、ここからインナーの袖が覗いてしまうのは女性のベージュのブラがチラ見えするぐらい残念なことです。
そこでオススメなのがノースリーブのベージュインナーです。
これならワイシャツに透けず、袖口からのぞきません。袖がないぶんワイシャツの袖と干渉して脇がモタつくこともありませんし、個人的にはインナーはノースリーブがなにかと都合がよいのではないかと思っています。
色柄ワイシャツには必ず「半袖」インナーを合わせる
ブルーの無地やストライプの柄が効いたワイシャツを着るときは、白無地だろうとベージュだろうと黒だろうと、色についてはなんでも大丈夫です。透けにくいワイシャツならぶっちゃけ普通のTシャツだろうが専用インナーだろうが、ノースリーブだろうがタンクトップだろうが、インナーはなんでもいいんです。前述したとおり汗を吸って冷たくなるのが我慢できるなら、ですけど。
ただし色柄ワイシャツの場合は、脇汗対策として袖ありのインナーをおすすめします。白無地のワイシャツは脇汗が目立ちにくいのですが、色モノのワイシャツは汗に濡れた部分が色濃く浮き上がりますので、袖ありインナーで脇汗を吸い取ってもらう必要があります。
それでもしみてしまうという方、最近では脇汗パッド付きのメンズインナーもありますよ。
でも、ベージュのインナーの日はデートに行けない…
ベージュのインナーは仕事に行って、ちゃんと帰る日用ですね。ジムぐらいならともかく、彼女とデートしてお泊りとか、ちょっとお見せできないですし。
仕事柄どうしても白無地ワイシャツを着なければならない場合は、ノースリーブの白無地インナーならぎりぎりOKでしょうか。ワイシャツの袖の縫い付け部分が、インナーの袖口にちょうど重なって、袖先がぴらぴら透けて見えないのでセーフです。胸元のツキノワグマ対策は、浅Vネックタイプのインナーなら、襟羽根のラインと同化してごませるかもしれません。
今夜デートの予定があるようでしたら、ワイシャツは色柄モノを。インナーには見られてもOKなTシャツででかけましょう。デートの予定のない方は、ワイシャツに合わせた正しいインナーをしておでかけください。
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