ベルトレスはお洒落で快適!

洒落者はジャケットの内側に派手色サスペンダーを

 ベルトを使わずに穿くズボンが人気だ。ファッションそのものが「リラックス」「快適」といったイージーな方向へシフトしているため、カジュアルに於いてはウェストゴム&ドローコードを結ぶイージーパンツタイプが人気だし、ジャケットを着るときのスラックスも、ベルトループのないパンツがトレンドだ。そういえば筆者もここ最近ベルトを通した記憶がない。

 ベルトでウェストをきっちりマークするよりも、あえてノーベルトで楽ちんに着るスタイリングが主流である。テーラードジャケットにライン入りのトラックパンツやスウェットパンツをあわせる着方もミックスコーディネートとして流行しているし、そもそもドレスパンツはベルトレスタイプがトレンドだ。カーフのベルトは、しばらく出番がなさそうである。

 本来、正装用ズボンは採寸してから仕立てるので、ウェストがジャストフィットするべきものでベルトは不要。それゆえベルトレスパンツは高額なオーダー仕立ての証であり、英国紳士はベルトレスパンツがステイタスであった。ひとりひとりにアジャストするのが難しい大量生産のズボンを生み出したアメリカ人が腰回りにループを付けてベルトで穿くことを提案したとされているが定かではない。

 英国紳士でもチャーチル元首相のように、お腹が大きな「あんこ体型」の人はサスペンダーを使う。「サスペンダー」はご存じのように「ズボン吊り」とも呼ぶが、正式には「ブレイシーズ」という。ブレイシーズは基本的に上からベストまたはジャケットを着るため、決して人に見せびらかすものではない。それゆえ下着や裏地に凝るのと同じく、派手な色柄で遊ぶことが紳士の粋人された。さりげなく、派手な色柄のサスペンダーをしておいて、ジャケットの前が翻ったときにチラ見えするのも洒落ている。じつは筆者も太幅で派手柄のサスペンダーを探しているところだ。

 余談だがサスペンダーをするときに、ベルトを同時にしてはいけない。かの喜劇俳優チャップリンは「自信のない男」を演じる際、サスペンダーとベルトの両方をつけたという。



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