2011年に登場した「バルーンウール」を覚えていますか? 国内のスーツファクトリーとして有名なリングヂャケットが、尾州の機屋さんと協業で開発したオリジナルのテキスタイルで、詳細はリングヂャケットの顔、奥野さんがブログで書かれていますので、そちらを御覧ください。 このバルーンウール、ジャージーほどではないですが、ストレッチ混素材より伸縮性があり、「編み」ではなく「織り」ならではのしっかり感がありまして、昨今ジャージージャケット全盛の時代に、そのブームの先駆としてもじつに画期的でした。 なのに惜しまれつつどころか、惜しむ間もなく終了。その後の「ブリットハニー」、「クリーミーワッフル」といった、リングヂャケットのオリジナル素材3部作へと続いていきます。 すごい評判よかったのに、なんで終わらしちゃったのだろうと不思議に思っていまして、奥野さんにも「じつは、なんか不備があって、このまま出し続けちゃまずいことでもあったの?」と失礼な質問を直球で聞いてみたのですが、そんなことは微塵もなくて「ほんとは毎シーズン新作を出したいぐらい」新作生地の開発に夢中になっているのだとか。奥野さんのFacebookとか、しょっちゅう尾州だのイタリアだのに出張しているのですが、そのほとんどが生地屋巡りですし。そらそうですよね。生地がないとスーツ縫えませんから。ただその生地を買ってくるだけじゃなく、織りから糸から携わりたいというのは、これはもうスーツマニアなら誰でも行き着く領域です。リングヂャケットは、そんなマニアックなスーツ好きが集まっているので、しょっちゅう新しい生地開発をやっているわけです。 話が逸れましたが、つまりは来秋「バルーンウール」が帰ってきます。名前は「ニュー」とついただけで「バルーン」の名をそのまま冠したのは、くるくる繊維が熱をかけると膨らむ性質をそのまま受け継いでいるからでした。「ブリットハニー」や「クリーミーワッフル」でハマってしまった英国羊毛の良さを取り入れているので、以前の「バルーンウール」とはタッチが少々違いますけど、個人的には色出しが以前よりよくなったように感じました。もちろん同色もあるのでしょうけど、やっぱリングの生地は、あー、こういう生地が欲しかったんだよね、と思わずにはいられないもんがあります。 なかでもこのダブルのスーツ、もしゃもしゃ感があってメランジ調に、このぶっとい格子柄。真っ赤なネクタイは趣味じゃないですが、わざとブルーのシャツにネイビータイとかで着てみたいですね。 「バルーンウール」で満足していた人はもちろん、「バルーンウール」を買いそこねて、「ブリットハニー」や「クリーミーワッフル」に手を出した人も、今度の「ニューバルーン」はお買いそびれませんように。また、いつ無くなっちゃうかわかりませんので。 ... 続きを読む
テーラー三銃士の店
青山で注文服を 今日、ストラスブルゴ南青山店の3階に面白い店がオープンしました。昨日オープニングパーティに行ってきたんですが、写真を撮り忘れました。 ストラスブルゴ ハウス... 続きを読む
ニッパチ
すいません。ブログ更新できてません。 2月と8月は世の中的には、景気の悪い「ニッパチ」というらしいですが、ファッション業界は多忙を極める月なのです。2月は春の新作の立ち上がり、8月は秋の新作の立ち上がりだからです。 まさに2月まっただなか。連日、取材、打ち合わせ、締め切りが詰まっていて、ブログを書く時間を原稿にあてているという状態。「8月はちゃんと毎日更新してたやん」って、あの頃は書き溜めてたんですよね。 今週がヤマなので、来週ぐらいには毎日更新に戻りたいなー ... 続きを読む
オトコもすなるスヌードなるもの
仕事が立て込んでいて、ダブルの裾上げができてません。すいません。 先日、「スヌードを2重巻きにして首に掛けると、口周りに余裕がありながら冷たい風を防ぐ防波堤になって、息苦しくないのにあったかい」と書いたので、そちらの本物を。 スヌードって、こういうものです。 首から下げるとこういう感じ。 2重に巻くとこう。口元に余裕があるので、息苦しくないし、襟元もボリュームが作れます。 3重だとこう。 長さによりますが、これはちょっと苦しいです(もう一本のメビウス君はちょうど良かった)。ちょっと、いま自粛ムードな中東の人みたいだし。 じつはこれ、肩部分までカブる大判のニットマフラーの左右を縫い合わせて繋げたものなんです。両端が繋がってると肩からずり落ちないので、マフラーより使い勝手が良好です。 一回ひねってメビウスの輪にしたほうが、より使いやすいです。じつは、もう一本、メビウスの輪状にしたマフラーがあったのですが、無くしてしまいました。たぶん幕張のイオンタウンのフードコートに置いてきました。 ... 続きを読む
超簡単! パンツの裾詰め 〜タタキ編〜
ミシンは男の必需品 先日、某ファミリーセールでパンツを5本大人買いしてしまいました。定価なら15万オーバーですが、そこはファミリーセール。70%OFFに加えて、さらにお友達割引もあって5本で2万円ちょい。わー、一本の定価より安いかも。 で、当然のことながらどれも裾が未処理。こんな感じ。お店に持っていけば有償でお直ししていただけますが、5本で2万、一本約4000円のパンツに3000円払ってお直しするのって、どうなの? しかも何本かは裾丈だけでなく、膝下から細く詰めたいんですよね。仕方ないので自分でやることにしました。 こちらグレーの5ポケットパンツ。スキニーなので細いですがコレ、ジャージー素材なんです。だから裏を見ると、はいこの通り。 はいてみるとこんな感じです。裾を詰めるのでまくり上げると、こんなに余ってます。足が短いのがバレますね。 適当に裾を折り曲げたら、実際に合わせる靴を履いてみます。実際は革靴で履くことないかなー。このあと、床に傷がつくと奥さんに怒られました。 裾丈が決まったので、位置を忘れないようにまち針を打ってから、裏返したのがコチラ。 わかりやすく線を引いてみました。上から順に 破線:表地からステッチが見えるところ ピンク(チャコペン)の線:裾の端(折り返し部分) 破線:裏側のステッチが入るところ ピンクの線:内側の巻き込み位置 実線:裾をカットするところ これは「タタキ」と呼ばれる、一番カンタンな裾上げの仕方です。裾をカットしたら、裁断部が中に入るように2回折りたたんで縫い上げる方法です。ハサミでざっくり裾を切り落としたのがコチラ。 でもってこれを2回折りたたむとこうなるわけです。 まち針で留めてますがこれをアイロンでギューッと押さえたほうが、ミシンを掛けやすいので、面倒くさがらずにクロゼットからアイロンを出してきましょう。まち針でアイロン台に直接止めちゃって、まち針も一緒にアイロンかけちゃうと折りたたんだ部分がズレにくいですよ。 それではミシンで縫っていきましょう。縫う位置は先ほどの破線の部分ですが、当然のことながら内側に折りたたんじゃってるので線が見えませんよね。でも、だいたいこのへんです。 最初に折りたたんだ位置から3〜4ミリ程下です。ホントはぎりぎりコバで縫いたいんですが、ミシンの腕と相談してください。サイドシームの割縫いや巻き縫い部分は生地が厚いので、一気にかけると針が折れますよ。ミシンを手で回して縫ったほうが安全です。縫ってるうちに生地がずれてしまわないよう、まち針で何箇所か固定しながら縫うのが一般的かもしれませんね。 僕はサイドシームの位置がズレないように、こうやって指で押さえて縫っていきます。 完成。 はいてみると、こう。なんかむちむちしてますね。ジャージーのスキニーパンツって、初めてはいたんですが、どうやって着るかはこれから考えなくては。コーディネートできたらUPします。 次回、裾ダブル編。お楽しみにー。 メンズファッション... 続きを読む