月別アーカイブ: 2014年11月

靴も「お直し」が大切です

既製品がぴったり合うモデル体型の人は読まなくていいです スーツを買ったら着丈や袖丈を詰めたり、パンツの裾丈をお直しするのはアタリマエです。では靴はどうでしょうか? 中敷きを入れて調節するぐらいで履ける靴が見つかったら儲けものです。 良質な靴ほど、たいていの場合、試履きすると足は痛くてとてもじゃないけど履いてられません。つま先が当たる、踵がキツい、土踏まずが合わない、トップラインがくるぶしに当たる、etc.。こうした問題点をお店の人に伝えると、ハーフサイズ上をもってきてくれるはず。で、そちらを履いてみると、今度はつま先が余ってしまったり、甲に隙間が空いてしまったりと、「帯に短し、たすきに長し」なんてこともよくある話。 そもそも既成品が自分の体にぴったりなんてことは無いと思ったほうがいいのです。スーツなら、パターンオーダーで10万円も出せばなんとかなりますが、靴をイチからオーダーしたら、50万円からスタートは覚悟してください。 では、どうするかというと、じつは靴のフィットを高める方法は様々あります。隙間のある箇所を埋めるパッドは、インソールの中敷きだけでなく、ボールジョイント用、つま先用、踵用、シュータン用など、さまざまにあり、これらを組み合わせれば、大抵の靴を足に合わせることができるんです。場合によっては、靴の一部の革を伸ばしてやわらかくするなんて大胆な方法もあります。 「エドワード・グリーンのドーバーが欲しいけど、どうしてもトップラインがくるぶしに食い込むからあきらめていた」という人も、きちんとフィッティングしてくれる店なら、いろいろなパッドで調整してくれます。ただし、上質なインポート靴を扱っているセレクトショップに、シューフィッティングの上手なスタッフは残念ながら、まだ少ないのが現実です。できれば専門のスタップのいる百貨店や専門店に持ち込んで、フィッティングを相談してみましょう。 ... 続きを読む


靴は、やっぱり大事です

良い靴を履くと、スーツが2割高く見える 昨日、すぐにスーツ姿が素敵に見えるために、紺無地のネクタイを買いましょうと書きました。その効果を実感できたら、次はいよいよ靴に気を使いましょう。 服飾評論家の故・落合正勝さんは、まずなにより靴に投資すべきと書きました。否定はしませんが、その境地にたどり着くには、スーツもシャツもネクタイも、そこそこ着てみて男のスタイルがある程度わかってからでないと無理なんですね。20代で、そこそこ良い靴を履いてても、わかってくれる人は少ないですから。 30代になるとそうはいきませんよ。スーツもそこそこのブランドを要求されます。2プライスでもいいんですが、たまにはセレクトショップでも百貨店でもいいのでブランドスーツをクロゼットに入れておきたい年頃。そうなると、靴もいままでのように、商店街の安売り靴屋や靴流通センターというわけにはいきません。 で、先に言っときますと靴の予算は5万円以上は必要です。インポートなら10万円でも普通です。決して高くありません、なぜならきちんとメンテナンスすれば、スーツよりも遥かに長く履けます。下手すりゃこの先、サラリーマンを定年退職するまで履けます。 国産の良質な靴なら5万円もあれば、なんとかなります。ミヤギコウギョウやトレーディングポスト、三陽山長あたりなら、良質な靴が買えます(海外ブランド、とくに英国靴なら5万円以下はないかな。10万円もっていって、いくら残るかなー、と考えるほうがいいでしょう。クロケット&ジョーンズならいけるかな、エドワード・グリーンは難しいかな、そんなかんじです)。 「良い靴を履くと、スーツが2割増に見える」といいますが、そんなことはないですよね。ただ「足元を見られる」という言葉もあるとおり、安い靴、磨り減った靴を履いていると、どうしても人間的に格下に見られます。なめられます。そこそこ良い靴を履いていると、気分も揚がるもので、それが態度に出るんです。靴だけじゃないですけどね。 明日は、靴選びの方法について、ちょっと書いてみようと思います。 ... 続きを読む


いますぐ「スーツ姿が素敵!」と言われるために

ネクタイを変えればスーツ姿が変わります たぶん「スーツ姿がイマイチ」なのは、フィッティングのせいだと思います。誰でも、正しいフィットのスーツさえ着ていれば、痩せ型だろうが、メタボだろうが、必ず素敵に見えるスーツはあります。トレンドだとかブランドだとか、はっきり言って関係ないです。ベルベストを着たモデルさんも、コナカを着たモデルさんも、きちんとフィッティングさえ合っていれば、カッコよく見える、それがスーツというものなのですから。 でも「今すぐお洒落になりたい」人に、正しいフィッティングのスーツを今から買い直すのは正直難しいですよね。お直しの時間もかかるし、お金もそこそこかかります。なので、一番手軽に買えそうなネクタイから替えてみる。どのようなネクタイに買えるかというと、「ダークネイビーの無地ネクタイ」です。一般的なスーツ屋さんだと、品揃えが少ないかもしれません。百貨店やセレクトショップで1万円ぐらい出せば、きっと買えるはず。ストライプだとか小紋だとかの柄タイをやめるだけで、スーツ姿はガラリと変わるんです。 そもそも柄タイは、所属や家紋など、アイデンティティを表すものに始まりましたので、本来のネクタイは柄なんていらないわけです。無地のネクタイなんて葬式の黒ネクタイぐらいしかお持ちじゃないとしたら、ちょっと残念。日本人はネクタイ=柄ものと思い込んでいるフシがありますが、欧米ではネクタイに柄を使うのは、そこそこネクタイ姿がサマになってきてからのお話です。 ネイビースーツがいいのですが、日本人に多い黒のスーツでもかまいません。グレースーツでも大丈夫です。着ているスーツの色の濃さと同じぐらいのネイビーのトーンを選ぶのがいいのですが、とにかく紺無地のネクタイをしてみてください。その際、できればシャツは白無地をオススメします。これだけでもスーツ姿は、かなり見違えるはずです。むしろ、これでスーツ姿が見違えないなら、よほどスーツのサイズに問題があります。 もちろんスーツの仕立ても良質なものがいいのですが、たぶんこのブログを見ている人、そこそこのクオリティのスーツを着ている人だと思います。スーパーのオリジナルはどうかと思いますが、2プライスでも、ロードサイドでも結構です。きちんとフィットしていて(むしろちょっとタイトフィットで)、パンツの太さも18〜19㎝で、膝下から細身にテーパードさせて、ちょっとくるぶしが覗くぐらいのレングスで履けば大丈夫。 今日、会社帰りに紺無地のネクタイを買ってから帰りましょう。 amzn_assoc_ad_type... 続きを読む


進化するMac

WindowsよりMac派です。 でも、ここでのMacはゴム引きコートのマッキントッシュのお話しです。 「1822年にスコットランドの科学者、チャールズ・マッキントッシュが〜」なんて、空で言えるほど何度書いたか判らないほど、定番の枕詞。イギリスのマッキントッシュ社は、2007年に日本の輸入代理店である八木通商が株式を買収しているので、日本企業といってもいいのですが、ゴム引きのパリっとしたシルエットにシンプル&ミニマルなデザインで人気のブランドです。雑誌でいうと『Begin』あたりが、ずーっと推していたこともあり認知度も高いですよね。 このマッキントッシュ、兄弟ブランドが多いことをご存知でしょうか。マッキントッシュのブランドライセンスを三陽商会が取得していまして、「マッキントッシュ・フィロソフィー」というカジュアルラインのブランドがあります。ちなみに「トラディショナル・ウェザーウェア」というブランドもありまして、八木通商本体が取り扱う「マッキントッシュの旧社名を使って、マッキントッシュ社が海外生産しているカジュアルライン」になります。住み分けがけっこう難しいのですが、ブランド名が違う異母兄弟みたいなものですね。さらに、来年秋「マッキントッシュ・ロンドン」というブランドが登場します。 バーバリーのライセンス権を失う三陽商会が、これまで全国の百貨店で展開していたバーバリーの店舗を、マッキントッシュ・ロンドンに入れ替えることが決定しています。年商200億のビッグネームに育てるとのことで、先のカジュアルラインではなく、大人のクラシックブランドを目指すことが決まっています。 では本体のマッキントッシュはというと…。従来のゴム引きコートは引き続き展開していきますが、カラーバリエーションも増え、素材もゴム引きだけでなくすでに活用しているロロ・ピアーナのストームシステムなど多岐にわたりそうです。そのうえ昨シーズン話題となったHYKEとのコラボのように、さまざまなデザイナーズとのコラボレートも推進していく模様。ちなみに来季はバンド・オブ・アウトサイダーズとのコラボが先日の展示会で公開されました(TOPの写真がそれ)。これ、かなりカッコいいです。ずいぶん昔に買って、着ないでクロゼットにしまっておいたら、スルメイカのようにパリパリになってしまった僕のマッキントッシュ。そろそろ買いなおしてもいいかな。 ラルフローレンに於けるポロがマッキントッシュ・ロンドンで、ラグビーやRRLがフィロソフィーやトラディショナル・ウェザーウェアで、本体はパープルレーベル、とまぁ、そんな感じになりそうです。 ... 続きを読む


パンツの裾をお直しする際に注意すべきこと

大切なのは裾より膝です 「いまどきスーツのパンツの裾は、丈だけでなく裾幅も詰めるべき」と以前書きました。裾を詰めていない売り物のパンツは、かなり足の長い人を想定してサイズスペックが設定されているからです。ベルボトムが流行した頃、足の短い人が丈詰めしたら、普通のストレートになってしまった、なんていう笑い話は現代のテーパードシルエットのパンツでも、あながち冗談ではないのです。 足の長い人、短い人問わず、誰にでも履いた時もっとも美しい=似合うパンツの太さと丈があります。黄金律とでもいいましょうか、誰でもモデルのように足が長くないとどんなパンツも似合わないなんてことはありません。バランスは日本人とは異なりますが、実際、イタリアにはお腹はでてるわ、背は低いわ、禿げてるわ(関係ないか?)、ハンプティ・ダンプティみたいなオヤジがいっぱいいます。そういう人でも、スーツを上手に着ている人が多いのは、洋服の文化がきちんと根付いているからなんですね。胴長短足の日本人オヤジだって、この「黄金律」を見つければ、スーツがスマートに見えるんです。 そのポイントが、細身のパンツ。これまで20㎝程度だった裾幅を17.5〜18.5㎝にして、膝、脛部分も1〜1.5㎝程度削ります。これだけでずいぶん見た目は変わります。よくわからないという人は、細身テーパードのパンツを推しているお店でお直しをい願いすればちゃんとみてくれます。ロードサイドのスーツ専門店や、伊勢丹以外の百貨店だと難しいと思います。お直し専門店でもセンスのいいところを選べば大丈夫だと思います。 最近、ようやくこの「膝からお直し」が浸透してきたのですが、ひとつ落とし穴がありました。裾はともかく膝、脛を細身に絞ると、ふくらはぎがあたって、パンツが履きにくいという弊害がでることがあるんです。僕も、何本かお直しを失敗しました。気合い入れておもいっきり脛を絞ったら細すぎてしまったり、膝位置を失敗してなんだかジョッパーズみたいになってしまったり。これはもう、何本か直してお店との信頼関係を築くしかありません。で、そのなかで一番うまくいったサイズを基本にして、今後も直していく。個人的には飽食気味ですが、この細身パンツのトレンドは、まだしばらく続きそうですので(個人的にはね、飽きてます)。 ... 続きを読む