イタリアはどこで何を食べても美味しいですよね。 ハズレにあたったのは、観光地カプリ島で食べたピッツァマルゲリータと、ナポリのオフィス街で食べたランチのパスタぐらいかな。ピッティ期間中のフィレンツェ市内での食事も、美味しいですよ。中央市場のランプレトッド(牛のホルモン煮込みのサンドイッチ)とか、絶対いきますもん。 有名な高級リストランテも行きましたが、なんといっても人気なのはペルセウスでしょうか。ここはエイジングビーフの名店で、地元の人も観光客も必ず行く店だそうです。市内からはちょっと距離があるのでタクシーで行くのですが、タクシーの運転手さんに「ペルセウス」といえば、知らない人はいません。ペルセウスでビステッカ・アラ・フィオレンティーナ(Tボーンステーキ)は、ピッティ一番のお楽しみ。当然店の中は、知り合いだらけですが。あ、昨日の記事のTOP画がペルセウスです。これね 個人的にフィレンツェに行くと、必ず通うのはレプッブリカ広場からリナシェンテを右手に大通りを越えて、さらに真っ直ぐ、ひとつめの角の左手、ホテル・ブルネレスキの正面にあるリストランテ・ダ・リーノです。ここはフィレンツェの政治家をはじめ有名人が贔屓にしている店で、店主のリーノさんは気のいいおっさんですが、フィレンツェ料理会の重鎮だとか。日本人では小澤征爾さんもフィレンツェに来た時は必ず寄るそうでリーノさんとの写真が店内に飾られていました。ここは最高級のキアイア牛を出すのだそうで、最近では寺門ジモンさんがご贔屓にしてらっしゃるとか。お笑い芸人の寺門さんが来ていることを店はあまり広言したくないようですが、なにをおっしゃる。いま日本でダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんとアンジャッシュの渡部さんが行く店は繁盛店ですから、バラしといたほうがいいでしょう。もうひとつ、この店に通ってしまう理由は、ホールスタッフに典子さんという日本人の女性がいらして、日本語で対応していただけること。メニューを見ずとも「今日はビステッカが食べたいけど、ほんのちょっとでいいんだよね」とか「今日はあまりお腹すいてないので、前菜と魚介のバスタぐらいで」と、前菜からメイン、デザートまでコースを頼まなくても、会席料理のように少しずついろいろな料理を提供してくれるんです。こんな感じで。 ネットなどで口コミが広がっているようで、店で食事をしていると入り口をおそるおそるあけて「あの、日本人の方ですか?」と典子さんをたずねてくる飛び込みのお客さんも少なくありません。 もう一件、駅の近くにある中華飯店もよく行く店です。ピッティ取材の際、僕らは駅前から会場までの一角にホテルを取ることが多いのですが、そこから一番近いレストランがこの中華飯店なのです。冬場、暖かい汁物がほしいとおもってもイタリア料理には鍋も無ければシチューもありません。あるのはパン粥ぐらい。そんなときは中華飯店で汁そば、もしくは中華スープをいただきます。ご飯もあるし、野菜炒めや焼きそばなども美味しいです。今日はちょっとオリーブオイルの気分じゃないな、というときに重宝しています。 あー、やっぱ行きたかったなーピッティ ... 続きを読む
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ピッティ・ウォモのおたのしみは洋服よりもご飯です
3食イタ飯でも大丈夫派です イタリアに来て、誰もが口をそろえて言うのは「ご飯が美味しい」だと思います。僕もプライベートで初めてイタリアに来たのは今から15年以上も前ですが、いまでも初めて到着したローマで食べた料理が忘れられません。当然ピッティに来た人たちも、イタリア料理を楽しみにしています。 ピッティ会場内には、いたるところにバールがありまして、ミネラルウォーターやソフトドリンク、エスプレッソなどがキャッシュオンで買えます。サンドイッチやパニーニもありますが、こちらはボリュームが多いので一個でお腹いっぱいです。味はまぁ、そこそこです。バールには必ずジェラート屋さんが併設されていて、こちらは結構美味しいです。 会場内には、ジャーナリストと特別なバイヤーだけが入れる専用レストランがあります。こちらは一般チケットでは入ることができません。事前に申請するところがありまして、ピッティ会場の入場券とレストランパスが無料で発行されるんです。僕らは、いつもこちらを利用します。ランチタイムになると大混雑になるこのレストラン、ジャーナリスト用のレストランはビュッフェ形式で、フレッシュサラダ、各種チーズと生ハム、冷菜、温菜、フルーツ、ケーキ、そしてジェラートまでがすべて無料でいただけます。テーブルにはワインもありますよ。このジャーナリストレストランが楽しみというジャーナリストは多いと思います。テーブルはいろんな国のジャーナリストが相席で、情報交換したりしています。このレストラン、ケータリング会社が2年ほど前に変わってしまったんですが、正直言って前の会社のほうが美味しかったな。 もうひとつ会場内には秘密のレストランがあるそうです。入ったことはないのですが、こちらは特別なバイヤー(つまり、予算をいっぱいもってきているバイヤー)が入れるフルサービスのレストランだと聞いたことがあります。大手メゾンの社長クラスと大手セレクトの上級バイヤーだけが入れて、下っ端のバイヤーは入れないのだとか。いやー、気になりますね。 ピッティ会場は夕方5時になると閑散としてきます。このあとはみなさんホテルに戻って夜の会食です。バイヤーさんやジャーナリストは接待を受けるわけですね。ブランドによっては会期中に大々的な食事会を開いています。ブルネロ・クチネリは毎シーズン、ピッティ初日に巨大なパーティを開きます。立食のカクテルパーティにはじまって、その後着席のフルコースが、各国のエージェント、ジャーナリストやバイヤーに振る舞われます。郊外のお城を借りきってたり、市内の古い貴族の邸宅など、会場もすごいですが、料理もハンパなく美味しいです。郊外のお城で夏のパーティのときは、牛一頭BBQしてましたから。 日本の輸入代理店もバイヤーさんや編集者との食事会を毎晩のようにひらいています。僕らは接待なんてありませんので、友人のプレスや編集者たちと食事にいきます。そのあたりの店の話は明日にでも。 ... 続きを読む
ピッティ・ウォモと日本人 その2
会場は、さながら表参道GAP前です 各ブランドを日本に輸入する代理店の皆さんは、次シーズンの傾向や新作についてメーカーから説明を受けるため会場に1日早く入っています。普段はメールや電話で連絡をとるのが主な方々が、ほとんど会場にいらっしゃるので、我々ジャーナリストが会場に足を運ぶといっぺんに挨拶ができて便利なんですよね。アポイント制でバイヤーと商談をされる営業、ジャーナリストを案内するプレスなど業務が分かれている会社もあれば、ひとりで全部をこなす方もいて、人によって忙しさにはバラつきがあるようです。 各メンズファッション誌の編集者も、会場でお洒落オヤジのスナップをしたり、各ブランドの新作取材をしたり、主要なファッションピープルの取材をしたりと4日間フルに会場を駆けまわっています。日本のメンズ誌でピッティに毎回来ているのは、『MENS... 続きを読む
ピッティ・ウオモと日本人 その1
メンズ誌で有名なあの人たちはピッティでも有名人です メンズファッション誌で必ずといっていいほど使われる、「イタリアオヤジSNAP」は、たいていピッティ・ウオモ会場で撮影されたものです。イタリアのみならず世界中のバイヤー、ジャーナリスト、デザイナーが集まるわけですから、皆さんそりゃお洒落なわけです。日本の有名ファッション業界お洒落オヤジたちも、当然来てますよ。 ユナイテッド・アローズの鴨志田さんは、昨年、ピッティ・イマジネ・ウォモ賞を受賞したご自身のCamoshitaというブランドをブース出展されています。ブース内にいつもいるというより、ご自身も商談などで会場内を忙しくしていますが、ときにはご自身の個人オーダーもされているようで、以前あるシャツメーカーのブースで取材していたら鴨志田さんがいらして個人オーダー分のシャツを10箱ほど持ち帰っていかれました。そのかわりCamoshitaにはディレクターで参加されている松島さん(あのマサキマツシマの松島正樹さんです)がいつもいらっしゃいます。POGGY君も買い付けや視察してます。何年か前にはフィレンツェ市内の古着屋でばったり出会ったことがあるなー。たぶん彼は仕事で会場内のブースを周るより、街のリアルな情報を集めてるほうが楽しいんだと思いますね。いや、実際会場内より市内のほうが楽しいもの。セール真っ最中だし。 ビームスの中村さんは最近売り出し中の若手バイヤー、西口くんと行動されてます。中村さんは商談はもちろん、シーズンの動向チェックに余念がなく、期間中はブースやら人やらをデジカメで数千枚もスナップ撮影されています。最近はプレスの安武くんも来てますね。彼は会場内でスナップ撮影を担当しているので中庭で会えます。中村さんの数千枚のデジカメ写真とともに、後日ビームスのMDに大いに役立っているわけです。この安武くん、かなりお洒落さんなので、スナップの仕事をしているのに、世界中のファッションブロガーから撮影されています。あのThe... 続きを読む
ピッティとクラシコイタリア協会
「クラシコ」って「古い」じゃなくて「最高級」ですからね ピッティを語るうえで、外せないのがクラシコイタリア協会の存在です。 1986年に設立されたクラシコイタリア協会は、90年代の最盛期には20社近くものブランドが参加していました。現在のクラシコイタリア協会に参加するのは13社。ブリオーニ、クルチアーニ、イザイア、ブルネロ・クチネリ、ルイジ・ボレッリ、キートンなど、かつて所属し、現在は脱会してしまったブランドもあります。以前、クルチアーニの社長に、なぜクラシコイタリア協会を脱会したのかと聞いたところ「協会にはいろいろな縛りがあって、自由なクリエーションができないからね」と答えられました。その縛りが具体的にどういうことなのかよくわかりませんが、資材の仕入れ、生産品の何%は海外に卸さなくてはならないなど生産に関する規定や、協会運営費など、いろいろ問題は探ればでてきそうです。既得権益団体なんて、そんなものですよね。でもクラシコイタリア協会会長であるヘルノ社のクラウディオ氏と話をすると、気さくで陽気でお洒落大好きで、そんな面倒な規則にうるさい人には見えないんですが。 ピッティ・ウオモは、フィレンツェ駅の目の前にあり、国際展示会場として使われている昔の軍事要塞施設「フォルテッツァ・ダ・バッソ」で開かれています。クラシコイタリア協会は、場内のメイン会場であるビルの最上階フロア(といっても2階ですが)に専用の領域を設けていて、いまもその場所は健在です。1階、地下フロアはともに広大ですが、この2階は自然光が入るとても明るい場所。間違いなくビルの一番いい場所をクラシコイタリア協会が使わせてもらっています。 それなのに最近のピッティはメイン会場最上階よりも下位フロアにブースを構える元協会員のクチネリやクルチアーニ、イザイアが広いブースを設営して人を集めたり、場内の他の建物には若くて活きのいい新進ブランドが出店したりと見るべき場所が分散しています。ジャーナリストもバイヤーもクラシコ・イタリアブースは、とりあえず覗きに行きますが、それほどの活気は呈していません。新たな取引先が増えるわけでもなく、増やすつもりもないのかもしれませんが、殿様商売といったところなのでしょうか。 メンズファッション... 続きを読む