日想」カテゴリーアーカイブ

オリンピック開会式の金メダルスーツ

一番カッコよかった小さな国の選手団 リオ五輪の開会式は壮観でした。各国入場直前、少年が植物の苗を見つけて、入場選手が種を植えながら行進していくところ、ちょっと感動的でしたね。 で、やはり気になるのは各国の公式スーツ。民族衣装やスポーツメーカーのジャージー姿の選手団もいましたが、ばっちりスーツでキメてきた国もありました。   事前に話題となっていたのは、アメリカのポロラルフローレンやカナダのディー・スクエア、フランスのラコステ、イタリアのEA7のジャージーあたりは、まぁなるほどねって感じ。 ロンドンのときも思ったんですが、日本の赤いジャケット、あれなんとかならなかったんでしょうか。漫才師じゃないんだし。世界的なスポーツの祭典の場にあのセンス。しかも民族衣装でもなんでもなく、日の丸の赤を拾ったわけでしょ。 日本の公式スーツ「あれはナシでしょ!」って人↓どっちかひとつポチっとな あれはないわセンスなさすぎ昭和かよ ... 続きを読む


THE GIGI(ザ・ジジ) vs  BOGLIOLI(ボリオリ)に見るメゾンの進化の過程

ラグジュアリーメゾンの進化過程が目の当たり 元馬具商だったグッチやエルメス、革製品店だったボッテガ・ヴェネタやプラダしかり。靴屋のフェラガモ、リボン屋のバリーなど、その出自はさまざまでも、いまやトータルコレクションを揃えるラグジュアリーメゾンへと成長を遂げたブランドは少なくありません。というか所謂高級メゾンって、最初からコレクションブランドだったわけじゃないところがいくつもありますよね。 1890年代、サルトであったピエルイジ・ボリオリが100年後、自分のブランドがもはや縁もゆかりもない他人の手に渡り、高級ブランドとして歩み出すなんて想像してたでしょうか。 21世紀に入ってすぐ、それまでのクラシコイタリアブームに少々陰りが見え始めた頃でした。ジーンズをはじめカジュアルウェアの生産工程では、すっかり定番的に使われていた「洗い加工」を、クラシック服に用いるという大胆なことをやってのけたメーカーがいました。 それこそが、ボリオリです。コットンジャケットを洗った「COAT」、カシミヤジャケットを洗った「K-JACKET」をはじめ、3パッチポケット式の「DOVER」などクラシックの枠を逸脱せずに、古い様式美から脱却したコレクションは瞬く間に世界中のクラシック服バイヤーに支持されました。 大胆な意匠を用いるのではなく、型紙を工夫することで若々しく見えるスタイルを作りだし、洗い加工を施すことで素材の風合いを変え、ポケットをパッチ式にするだけで若々しく見える、おじさんでも着られるデザインジャケットとして爆発的に売れたのはつい先日のことのようです。日本でのディストリビューターも新ブランドを発見する目利きに長けたアマンから、商社としての体力あるコロネットに変わりました。 経営権を委譲してラグジュアリーメゾン化したボリオリ その後の快進撃はいうまでもありません。昨年はミラノに続いて丸の内にもショップができましたし。今年の1月にはミラノコレクションにも参加しています。現在のCEOはジョバンニ・マヌッチさんといいまして、この方元イザイアのCEOですが、その前はコンサルタント。若くしてアメリカで学び、マーシー大学、ケロッグ大学、スタンフォード大学で経営に関する様々な学問と資格を取得している超エリートです。 彼の前にボリオリのCEOに迎え入れられたロベルト・ファルキ氏も、プラダ、マルニ、ディオールと渡り歩いてきたラグジュアリーブランドを熟知する人物でした。彼が経営権を握るにようになり、ピッティを撤退。ミラノにプレゼンテーションの場を移していました。 ジョバンニさんの就任とともに、新めてクリエイティブ・ディレクター制を導入しました。ジョルジオ・アルマーニ、グッチで研鑽を積んだダビデ・マレッロ。世界戦略を推し進めるには、ビッグメゾンを知る人物が不可欠なわけですから、ボリオリの成長戦略としては当然の人事であったのでしょう。 歴史あるファクトリブランドが、ここ10年で一気に世界的なメゾンへと躍進する様子を、リアルタイムで見ることができたのはなんとも興味深い出来事でした。 創業者の血を引くボリオリ一族は、2009年までボリオリ社を経営していましたが、この年、経営権を持っていたマリオ・ボリオリ(創業者ピエルイジの孫)は会長職に退き、外部から有能なCEOを招きます。これがロベルト・ファルキ氏です。マリオの息子のビエルイジは同社のデザイナーとして先の名品の数々を生み出した張本人です。経営はロベルト氏に任せていたのですが、2014年にピエルイジが電撃退社。その後THE... 続きを読む


ニッパチ

すいません。ブログ更新できてません。 2月と8月は世の中的には、景気の悪い「ニッパチ」というらしいですが、ファッション業界は多忙を極める月なのです。2月は春の新作の立ち上がり、8月は秋の新作の立ち上がりだからです。 まさに2月まっただなか。連日、取材、打ち合わせ、締め切りが詰まっていて、ブログを書く時間を原稿にあてているという状態。「8月はちゃんと毎日更新してたやん」って、あの頃は書き溜めてたんですよね。 今週がヤマなので、来週ぐらいには毎日更新に戻りたいなー ... 続きを読む


あったかいんだからぁ〜

誰にでも冬は必ずやって来ます 最近、ムートンブーツを買いまして。 女性がはいてると可愛いと思うんですが、男のムートンブーツってダサいなーと思ってたんです。足がバカデカく見えてブルーザブロディみたいだし、パンツをアウトしてはくのはなんか違うし、かといってインしてはくとなるとスウェットパンツかスキニーパンツと限定されるし、とにかく僕には無縁のものと思ってたんです。 温泉旅行に行くことになりまして、しかも旅館でなくてファミリー向けのリゾートホテル。しかも施設も周辺のアミューズメントも、遊ぶところがほとんど屋外しかないということがわかり、こりゃ服装をどうしようか?と悩むことに。ちょうど風邪気味でしたので、あったかくしていくためにはダウンとカシミヤのセーターと、パンツも防寒性のある裏起毛のやつで、とあれこれ悩んでさて靴となったときにレッドウィングのブーツじゃ心もとないな、と。で、ムートンブーツはどうだろうか、となり1日悩んでネットで購入しました。 有名なUGGではありません。さすがにUGGは、みんな履いてるしなんかね。で、よくよく調べていたら、「アグブーツ」というのは、ムートンブーツ発祥の地、オーストラリアではムートンブーツのことを指す言葉なんだそうです。UGGはアメリカのブランドですが生産は中国でされていまして、商品名をそのままブランド名にしてるわけです。 僕が購入したのはオーストラリアのCHIC... 続きを読む