上着を脱いでも、ベスト姿ならオフィスでもスマートなまま! ようやくクールビズが終わりスーツで出勤する季節となった。しかしオフィスに着くや上着を脱ぎ捨て、ネクタイを緩めてワイシャツ一枚で働く姿がクールビズとなんら変わらないという人もいるのではなかろうか。しかもクールビズ用に買い揃えた細身シャツでも単品パンツでもない、見るも無残なビジネススタイルでは、給湯室でOLに嘆かれるのも致し方ない。 オフィスでもスマートでいたいなら、スリーピーススーツをおすすめしたい。 スーツが現代のようなスタイルに成熟した20世紀初頭のイギリスでは、ジャケットとパンツに共地のベストをあわせたスリーピースこそが紳士の正装とされていた。後になんでもかんでも無駄を省いて実用主義に徹するアメリカ人が「ベストは余剰では?」と、ジャケット&パンツのツーピーススーツを流行らせたという。そのうえスーツに於けるワイシャツは下着であるからして、オフィスで下着姿とは紳士の礼節にもとるという説もある。いずれにせよ、スリーピーススーツを着ている男性が凛々しく見えることは古今東西、紛れもない事実である。 現実的に上着を脱いでもベストを着用してネクタイをしていれば、シャツがしわくちゃでも気にならないし、お腹まわりが気になる中高年でさえスマートに見えるだけにビジネスマンとしての格も上がる。さらには薄手のコートが恋しい季節でも、ベスト一枚着ているだけで温かいので、初冬の頃までコートが不要なアクティブビジネススタイルでいられる。3シーズン着られるし、春先の汗ばむ頃になったらベストを脱いでツーピースで着てもいい。とにかくスリーピースはいい事ずくめだ。 注意したいのは、ベストの前ボタンを留めたときに一番下を留めないように作られているものがあるのでよく見極めることだ。ベストのボタンを留めたら、ジャケットのボタンは開けたままでも失礼にはあたらない。メタボなお腹に合うベストは既製品ではなかなか見つからないかもしれないが、オーダーで誂えてでもスリーピースを。 それだけの価値は絶対にある。 ... 続きを読む
「スーツ」カテゴリーアーカイブ
スーツが窮屈だと思ったら、素材選びから変えてみては?
青山×デサントのストレッチスーツ ストレッチ混やジャージー素材で、スーツがもっと快適になる 「スーツは窮屈」と思われるなら、生地選びを見直すことをおすすめしたい。たとえば伸縮性のあるストレッチ素材のスーツはいかがだろう。 スーツの品質を表示するタグには「毛100%」とか「ウール50% ポリエステル50%」というように、必ず生地組成が記されている。ここに「ポリウレタン」と書かれていたら、生地をちょっと引っ張ってみてほしい。ほんの少し伸びるはずだ。 ストレッチを混紡するスーツは、生地の突っ張り感が軽減される。そのため背中や肩の動き、肘の曲げ伸ばしなども、伸縮性ゼロのスーツより余裕があり至極快適だ。椅子に腰を下ろす時も腰や膝が突っ張らないのでストレスがなく、それだけでも着心地が軽く感じられる。さらにストレッチを混紡するスーツは、撥水機能や家庭で洗濯できるなどの様々な機能を備えているものが多く、急な雨や泥ハネ、食べこぼしなどのトラブルにもケアしやすく何かと便利だ。 さらに伸縮性の高いスーツならジャージースーツを着てみてほしい。これは文字通り、スポーツウエアなどに使われるジャージー素材をスーツにしたもの。ウールジャージーやコットンジャージーの他、前述したストレッチ混のものもあり、最近は国内外多くのスーツメーカーで取扱いがある。いま新時代のスーツとして注目を集めているものだ。 見た目はテーラード型のいわゆるスーツだが、スポーツウエア素材を使っているため伸縮性はストレッチ混よりも高い。ジャケットはまるでカーディガン、スラックスはトラックパンツのような着用感で、着たまま走り出せるぐらいに軽い。そのうえジャージーだけにお手入れはカジュアルウェア同様。洗濯も家庭できるものがほとんどだ。 カジュアル用の素材をビジネスに取り入れることで快適に仕事をしたいという人には、自信を持ってオススメできる新素材スーツだが、いくつか知っておいてほしいことがある。ストレッチもジャージーも生地が伸びやすく、普通のスーツより寿命は短い。高級スーツを長く着るか、定期的に買い替えるか、仕事着に対する考え方が問われるところである。 ... 続きを読む
オリンピック開会式の金メダルスーツ
一番カッコよかった小さな国の選手団 リオ五輪の開会式は壮観でした。各国入場直前、少年が植物の苗を見つけて、入場選手が種を植えながら行進していくところ、ちょっと感動的でしたね。 で、やはり気になるのは各国の公式スーツ。民族衣装やスポーツメーカーのジャージー姿の選手団もいましたが、ばっちりスーツでキメてきた国もありました。 事前に話題となっていたのは、アメリカのポロラルフローレンやカナダのディー・スクエア、フランスのラコステ、イタリアのEA7のジャージーあたりは、まぁなるほどねって感じ。 ロンドンのときも思ったんですが、日本の赤いジャケット、あれなんとかならなかったんでしょうか。漫才師じゃないんだし。世界的なスポーツの祭典の場にあのセンス。しかも民族衣装でもなんでもなく、日の丸の赤を拾ったわけでしょ。 日本の公式スーツ「あれはナシでしょ!」って人↓どっちかひとつポチっとな あれはないわセンスなさすぎ昭和かよ ... 続きを読む
ファッション撮影の嘘とスーツ&パンツのお直し
既製品スーツが体に合うことのほうが稀なんです 実際、ファッション誌の撮影では、こんなふうに後ろをクリップで留めることでフィットしているように見せています。これはお腹周りがすっきり細いモデルさんだから。一般人ならお腹サイズもあるのでこれがうまく収まるのかとおもいきや、そのぶん他の箇所がきつかったり、あまったりするもので、なかなかぴったりフィットすることはありません。当然、お直しが必要になってくるわけです。 既製品のスーツは、メーカーが「理想」とする体型、あるいは「計算上、一般的」とはじき出した数値で型紙が設計されています。その数値と万が一でも一致する標準体型の方なら、ジャストサイズで着られるわけです。 貴方の体は標準体型ですか? スーツのフィッティングの仕方 まずジャケットを着て、ボタンを留めます。 肩の収まり具合と、腕の可動域を確認します。ボタンが留まらなければ、ウェストを出すこともできますので、まずは肩と腕をご確認ください。 肩先に余りがないこと 腕を前方に水平に上げた時肩が抜けないこと この2点が問題なければ、ウェストを確認します。余っているようなら詰めますし、足りないようならどこまで出せるか店員さんと相談です。 お直しで対応できるようであれば次へ。お直しで対応できないようであれば、オーダーですね。肩袖はお直しで対応すると、着心地やシルエットなどのバランスが崩れますので、肩袖が合わない場合は、その試着したブランドは潔く諦めましょう。 次にパンツをあわせます お尻がきつかったり、あまったりするのは調整できますので、ベルトをしないでもウェストがぴったり収まるサイズを選びます。ここで見栄を張ってお腹をへこませたりしてはいけません。ウェストジャストのパンツが見つかったら、メッケもんです! よくある話ですが、ここで先に合わせたジャケットの組下パンツが合わないという場合はパンツウェストの出し&詰めで対応できるレベルなのか、ワンサイズ変更すべきなのか、店員さんとよく話しあいましょう。一般的に量販系のパンツは、おじさん体型を見越してウェストがやや大きめに作られています。反対にセレクトショップなど、ファッションに通じたブランドはウェストが小さいことも。1サイズ程度ならお直しで対応できる場合がありますが、あまりに差があるようでしたら、潔く諦めてオーダーされることをおすすめします。 パンツのお直しポイントは以下のとおりです。裾丈しか直せない店でスーツを買うのは、はっきり言っておすすめできません。 ウェストはジャストサイズ お尻のトップを合わせる 裾丈を決定する 裾幅を決定する ダブルかシングルか決める 膝位置を合わせる 膝下から詰める 太腿の余りを削る はい、こんなにチェックポイントがあるんです。パンツを買うのはジャケットを買うより遥かに難しいのです。 ウェストの出しor詰め幅が決まったら、お尻の収まりを確認します。このときお尻の頂上がきつくなくて、腰部分に余りがないようにしてもらいましょう。このお直しはヒップのセンターシームを開いて調整します。 裾丈はビジネススーツなら靴の履き口とパンツの裾がすれすれもしくはかるくかぶるぐらいを。遊び用スーツならくるぶしがチラ見えするぐらいで。ここで裾幅を見てもらいましょう。裾丈がかなり短くなった場合(切り落とす量が多い場合)は、確実にそのパンツに設定された最良のシルエットを壊しています。なので必ず裾幅を1〜2cm詰めなければいけません。逆に切り落とし量が少ない(5〜8cmぐらい)ならば、裾幅詰めはしなくてもいいかもしれません。量販店などの20cm裾幅は、さすがにトラディショナルなイメージですが、細身のパンツがお好きでないなら無理に詰める必要はないのですが。ダブルかシングルかも好みですが、基本的にシングルはフォーマルスーツ用です。ダブルにすることで、クリースが固定されやすくパンツのシルエットが美しく見えます。「ダブルにすると裾が重くなるので、クリースがまっすぐに落ちる」という説がありますが、重さが変わるわけないので嘘です。 膝位置も必ず合わせてもらいましょう。パンツを裏返して、サイドの縫い合わせ部分をよく見てみましょう。膝あたりの縫い代に切れ込みが入っているところがあります。 ここが最初に設定された膝位置です。ここが大きくずれているようなら、太腿から裾まで全体にシルエットを調整してもらう必要があります。たいていはウェストが合えば、大きくズレることはないはずです。 膝から下を詰める必要性はこれまでにも書いてきました。必ずお願いしましょう。 ... 続きを読む
『孤独のグルメ』に見るスーツのNG
8月2日... 続きを読む