ライターズ・スタイル3
個人的にもクラシコ的なシーンを語る仕事が多く、すっかり忘れられた存在になっていたスウェットシャツ(もしくはトレーナー)。加えて空前のニットブーム(一般的にはそんなブーム、なかったカンジですかね)も手伝って、我が愛用のスウェット達もかなーりタンスの奥に追いやられていたのでした。しかし、シャカシャカジャケットやアディダスのマークずどーんなど、スポーティな要素を取り入れた着こなしが老いも若きにも台頭している昨今、再びスウェットが気分なんじゃないかと愚考する次第。さらに、これまでのグレーやネイビーなどのダークトーンで固める装いの支配力が弱まってきた現在、スウェットの持つスコーンと抜けた能天気な明るさは、今こそアリのような気がするのです。
で、再びスウェットを考察するワケですが、無地のデザインだとやっぱり寂しい。スウェットならではのスポーティかつチープなヌケ感をフォローしてくれる、ユル〜いプリントを配したものがイイのではないかと思うのです。とは言え、僕ももうかなりの熟年オヤジ。さすがにイラスト系プリントはヌケ感が強すぎて、笑いを取りにいってる欲しがりサンと思われそうでややリスキー。ゆえにひと目でほっこり頬も緩む、ロゴ入りスウェットをオススメする次第なのです。ところが…。ロゴといっても星の数ほどそのデザインはあるわけで、どれを選ぶのが正解なのか? これは説明がかなり難しい。ただ言えるのは、ガチ体育会系は避けて欲しいというコト。というのも、アスリート色が強くなりすぎてファッションの枠を越えてしまうから。今回の場合は飽くまでファッション目線でのスウェット・チョイス。ココはぜひ慎重に吟味を重ねていきたいモノなのです。
ということでそのロゴに焦点をあてて僕のユルい私物を見ていきたいと思います。
Photo① タフツ大学のものと思われる一着。白地のプリントも服のデザインとしては、やや中途半端な小さめフォルム。申し訳程度の白一色とゴシックデザインのブラックレターという匙加減が絶妙。こういったギークなヌケ感は、出そうとしても出ないところが難しいのです。手びねりの陶器にも似た“偶然デキちゃった感”を素直に味わいたい。
Photo② テネシー大学のものと思われる一着。テネシー大学のロゴスウェットはこれまでにも幾つかのショップで見掛けましたが、どれも“負けんな!”“カマしたれ!”的な勢いのあるロゴのものばかり。おそらくこの一着は、チアガールのユニフォームかなんかだったのではと考えています(適当)。白いボンボンが見えてくるような女性的なルックスにヤラれちゃって、お手付きとあいなりました。
Photo③ こちらはビショップ・ホバンなるハイスクール系の一着。ただし、プリントの塗料の雰囲気が妙に新しく、ひょっとしたら企画モノかもしれません。ただ、丸みのある筆記体が非常にコメディタッチで僕好み。軍パンに相性良さげなグリーンロゴも気に入ったため反射的に購入しちゃいました。
さらに今回は、ガンバってコーディネイトも組んでみました。トラッドでちょっと能天気かつ香る程度にスポーティ。そんなスタイリングを探求中の諸兄など、参考にしていただけたら幸いです。
Photo① 白シャツに70505を合わせたアメトラ王道の着こなしは既視感たっぷり。白シャツと白ロゴ、そして白靴下を合わせて着たい気分です。足元はオールデンのコードバンサドルシューズ。今にしてサドルというのがミソ。トレーナーとカラーを揃えたつもりです。
Photo② 白シャツとグレースラックスを合わせた着こなし。ちょい派手なオレンジカラーとシックなスラックスのミックスが、僕流の甘×辛コーデ。問題は足元で、写真を撮ってから黒の革靴のほうが良かった? と迷う始末。なんか軽快に行きたかったので、ここではベージュスエードのオールデンをチョイス。黒のニットタイを締めることもあるので、そんな時は黒靴にしましょうか。
Photo③ マッキントッシュのバルカラーコートにウールのM51軍パンを合わせた着こなし。この軍パンは昨年下北沢にて2900円(!)で購入したもの。デッドストックだったので状態は抜群。というかこ馴れてなくてやや堅め。少しだけ裾をテーパードさせてあります。靴はグレンソンの変則Uチップ、グリーンレザー。スクエアのトゥと軍パンのハードさが好相性かと。
★さーてお待ちかね、ゼロヨン・つよしのオマケコーナー!!
というワケで、ココから下は時計好きのための専用ラウンジ。やっぱり男の装いには機械式時計が欠かせません(半ギレ)。アップルウォッチ? なにソレおいしいの? 的な人に立ち寄って和んでいただければと思い増設しました。先ほどの3コーディネイトに使った時計をクローズアップでお見せします。
Photo① こちらはベンラスのダブルカレンダー。50’s的な蛇の目デザインがこういった装いにマッチします(独断)。この写真だと針の角度でポインターデートのハンドが見えなくて残念。独自機構の耐震付きですが、ケースバックはスナップ式。夏期は使えません。バンドのカラーはブラックではなくネイビーのクロコ。
Photo② グレーパンツと合わせてグレーバンドの60’sロンジンを取り入れてみました。砲弾型のアプライド式インデックスが高級な雰囲気を放ちます。中の機械は23ZS。もの凄いお気に入りの一本ですが、ミニッツマーカーがかぼそ過ぎるところがチト残念。
Photo③ この時計はゾディアックのトリカレムーンで手巻きのタイプ。グリーンのバンドがポイントです。50’s生まれらしいアラビアインデックスが本当に可愛い。猫背な「4」も好きすぎるけど、おむすび型の「10」も実にステキ!! (先日、アトリエきのこにてOH済み!)。
(※次回はスリッポン・シューズにフォーカスする予定です)