ジャケットは、どこまでタイトフィットさせるのか

オーバーサイズはナシですので

80年代の分厚い肩パッドが入ったソフトスーツの幻想に支配されている40代後半のオジサンたちがだいぶ駆逐されてきて、世の中細身のスーツがカッコいいという風潮が増えてきたのは良い傾向かと。もともとスーツは身体に合わせて仕立てるものだったので、細身=身体にフィットするスーツというのが、本来のスーツの正しい姿です。

「なんか重たい」「着ていて肩が凝る」「動きが制限されて疲れる」「」なんて、スーツを着たくない理由のトップ3ですが、これ、みんな自分の身体にあったスーツを着ていないから起きるのです。きちんときちんと身体にあわせて仕立てられたスーツは、運動着とまではいきませんが、シャツ&チノパンのコーディネートぐらいの快適さはあります。腕、肩の動きだって、突っ張ったりしませんから。

とはいえ、誰もがオーダースーツばかり着ているわけでもありません。現代においては既成品も選択肢は多いので、自分の身体にあったブランドを見つけられれば、それで十分。しかし着ていて苦しいぐらいタイトでキツイのは御免被りたいのは誰も同じでしょう。ではどのぐらいのタイトフィットがいいのでしょうか。

イタリアで「ジャッカストラッパート」とは、ジャケットのボタンを締めた時、フロントによるX字のシワが入ることをいいます。このぐらいのタイト感は、許容してOKということ。肩やアームホールのサイズがあっているなら、お腹まわりはこのぐらい絞って着るフィットにお直ししてしまいましょう。上のイラストでは「×(ばつ)」になってますが、とんでもない、こっちのほうが正解です。

お腹まわりが気になるおじさんには、こんなタイトフィットはカッコ悪いのでは?と思われるかもしれませんが、ボタンを留めてぎりぎりお腹が苦しくないフィットは実現可能です。イタリア人、とくにナポリ人なんて腰位置が高いこともありますが、日本人より遥かにメタボリック腹でも、みんなカッコよくタイトなスーツを着こなしています。

ただしX字のシワが入ったうえで肩や袖がピタピタで動きが制限されてはいけません。それはフィットが身体に合っていないということ。お直しでは解消できないので、別のスーツをあたりましょう。


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