月別アーカイブ: 2017年5月

2017AW展示会メモ2(シーラップ、グランサッソ、チャップマンetc,)

ライターズ・スタイル6

 2017年秋冬期・展示会メモの第二弾。今回は奥青山にあるSDIさんにお伺いしてきました。こちらは本っ当にホスピタリティが素晴らしく、居心地の良さすら感じてしまう、色々な意味で実力派の商社さんです。(一般的に“展示会”は、バイヤーさんがそのシーズンに買い付けをする場所であって、一銭も落とさないエディター・ライターなどは、いわゆる外野的な存在なのです)。今回もいつものようにご丁寧にアテンドしていただき、数多くの興味深い新作を間近にチェックすることができました。なかでも僕のハートに刺さったアイテムを、順繰りにご紹介していきたいと思います。

 いきなりのトップ1がこちら! ナイロン製のモダントレンチなどで有名な伊国シーラップの新作コート。

SEALUP ソフトなウール素材は肌触りも抜群。バックには後ろ姿を引き締めるマルチンガーラ付き。隅々までよーく出来てます。

 ネイビーの縮絨による一着は、誰もがお馴染みのピーコート型。ただし写真の一着は某セレクトショップの別注モデルとのことで、様々なエッジが込められているのです。確かに服好きのツボをくすぐる仕上がりで、僕も一発で気に入ってしまいました。一番のポイントは、なんと言ってもちょっと長めの着丈にアリ。総じて来季の外套におけるトレンドは、チェスターにしろバルカラーにしろ膝丈、もしくは膝下までのロング丈。このピーコートに関しては、それよりショートなスリークオーター風ですが、従来のピーコートに較べたら断然ロング。ピーコートは僕も私物として米国海軍のいわゆる“実物”を10数年愛用しているのですが、いかんせんメルトン生地が本物過ぎて尻丈なのにややヘビー。もちろんソレを承知の上での購入でしたが、僕ももう47歳。常にスタミナ漲る体調というワケにはいきません。たまには軽めで済ませたい気分のときもあるのです。そこへいくとシーラップの新作は、モダンな一着らしく非常に軽快な仕上がり。しかもダンディな長めのレングスです。確かに言葉にすればそれだけの要素ですが、“普通っぽいのにどこか新鮮”というスペック作りは、熟練のセンスが無ければ成しえないもの。コレはきっとヒットするに違いないハズです。金ボタンも特別なこだわりがインプットされているらしく、ご担当氏いわく「かなりの力作です!」とのこと。うーん、コレは欲しい……。

 そしてSDIさんといえば伊国ニットの名手、グランサッソを取り扱っていることでも有名。来季モノとして、個人的にモックネックのセーターに目が留まったのでした。

GRAN SASSO  ちょっと襟高なモックネックが新しい。ジャケットのインにはモチロン、ネルシャツなんかと合わせても良さそうです。

 ご担当氏に伺ったところ「クルーネックはやや出尽くした感もあります。また、タートルネックも一定の人気をキープしていますが、言ってみればもう定番。その次なる発展系として、今回モックネックを打ち出そうと考えたのです」とのこと。なるほど。コットンの厚地天竺みたいなモックはたしかに去年もよく見掛けました。でも、ラグジュアリーなハイゲージ・モックはありそうでなかったモノ。コットン・モックはちょっとチープなところが若々しい魅力を感じさせるハズし系でした。しかし、やっぱり大人が着るならウール製かなと改めて納得したのでした。

さて、ZEROYON注目アイテムの第三弾がこちら。英国アウトドアバッグのトラッド、チャップマンの新作手提げ鞄。

CHAPMAN  英国的なトラッド感と大人ラグジュアリーな要素の融合が素晴らしい。とにかくあらゆる面でバランスがとれた別注品です。

 いわゆるトートにカブセを持たせたようなデザインなのですが、ほど良くエレガントな顔付きが最高です。もちろんボディはチャップマン伝統の野趣あふれるキャンバス仕様。その素朴な素材使いと上品系デザインの取り合わせが実にイカしているのです。「へぇ〜、昨今は伝統的な英国ブランドも、ミックスセンスに長けてきているんだなぁ」などと思っていたら、ご担当氏がすかさず「こちらも某セレクトショップの完全別注モデルです」とのこと。なるほど良くできてるワケですね!

★どーですか、皆さん。素晴らしいラインナップだったと思いませんか。 ええ!? 「紹介しているモノ、全部お前の好みじゃん!」ですと?。…すみません、お待たせしました。リアルなお宝情報をお送りするのも「ライターズ・スタイル」の使命でありました。というワケで、今回発見した素晴らしいニューカマーを栄えあるトリにご紹介したいと思います。

 

COSI(コジ)は、SDIさんが満を持してリリースする至宝の巻物ブランド。なかでも超ハイクオリティなモンゴル産カシミヤを使った限定生産のショールは、とろけるような滑らかさ&自然な暖かさが特徴的。ネパールの熟練職人が時間をかけて丹念に織り上げており、合理化優先の機械メイドとはまったく別次元の手のぬくもり感が何よりの持ち味です。僕も巻いてみましたが、天然源泉かけ流し的なヌクみに浸ることができたのでした。

というワケで今回もSDIの皆様、本当に有難うございました。

次回はまた新情報を探し出しお送りする予定!


革靴はスリッポンで楽~にいきましょう

ライターズ・スタイル5

 メンズシーンを席巻したカジュアルな雰囲気は、ナイロン系のスポーツ風ウェアまで巻き込んで一大トレンドとなりました。各ファッション誌のお陰もあって、ジャケパンなどがビジネススタイルの一角として、市民権を得たと実感を持つ人も少なくないはずです。しかし時代はネバーストップ。またまたドレスな雰囲気がこっそり忍び寄る気配を見せています。ファッション誌の編集者や業界人なども、以前はスウェットやイージーパンツなどにスニーカーといった出で立ちが多かったように思います。しかしココに来て革靴がチラホラとカムバック。とはいえ、ぐうたらライターの自分としては、いきなり内羽根レースアップという気分にはなれません。(ま、カビ落としのため履くこともありますが…)。そこで今回取り上げたいのが本格仕立てのスリッポン・シューズ。なんせスリッポンは脱ぎ履きが楽ちんだから、こんなイイことありません。(ヒモ式の場合、結ぶ姿勢のときにお腹のミートが、ね…)。楽ちんなのに革使いゆえのドレス顔だから、シンプルなスウェットシャツ&ジーンズの装いでも、それなりに大人チックに見えちゃうのです。自身のぐうたらスタイルを根底から支えるため、これまでにもいろいろなスリッポンの世話んなってきましたが、今回はその中でも生き残った偉大(?)な3足をご紹介したいと思います。

①ROYAL TWEED

 

ロイヤルツイード(チーニー製)のタッセルブローグ。アジ出まくりで恐縮ですが、英国的な気品が十分に感じられますね(ゴリ押し)。チーニーと言えば、先日読んだ「一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか?」(クロスメディア・パブリッシング)のなかで、著者である渡辺産業CEOが選んだベスト3足の一番目として、「黒の内羽根式フルブローグ」が上がっておりました。僕は現在ちょうど黒のソレを切らしており、「うわ、しまった!」と思った次第。やっぱりこのスリッポンじゃぁ似て非なるモノですよね、坂本さん。……でも履き心地抜群なんです。

②CROCKETT & JONES

クロケット&ジョーンズのペニーローファー。ある取材のときにロンドンのショップで買った、思い出深〜い一足。ウイスキーコードバンって不思議なモンで、同じ革材使いなのに見る角度によって各パーツの色味が異なって見えるんです。最初、帯飾りの所だけ僅かに濃い色の革を使っているのかと思いましたが、よーく見たら全部同じ革(当たり前ですかね)。

③CHURCH’S

チャーチのスリッポン。「ただのサービスシューズじゃねーの?」と思ったキミ!! まあ確かに僕もそう思います。れっきとしたドレス靴なのですが、どこかナードでフィフティーズな雰囲気が本当にユニーク。ソール裏には「Export Grade」の押形あり。ランチオックスハイド革の荒々しさも、ある意味今っぽいような。スーツ以外のあらゆる装いに使えるところも気に入っています。

で、それらを実際履いてみるとどうなるのか? ということで折角お越しいただいた()皆様のために玄関先にてサービスカット(足元)をスナップしてみました。

 ここでお伝えしたいのは、僕は腰がワルいこともあってCMが喧伝するようにクルブシ出してはいきません!ということ。だって冷えるんだもん! スリッポンはオックスフォード式に較べて履き口が広いので、靴下の露出が多めになるのはご存知の通り。つまり、はきやすさと同時に靴下のお洒落も楽しめてしまう。そんなことから僕はこの形の靴を愛用しているのです。アウターやインナーは歳相応に控えめをキープしつつ、足元にて個性をチラり演出…なんて、まるで雑誌の広告惹句のよう。しかし、靴下は服飾アイテムのなかでも特に廉価ゆえ、とっかえひっかえ繰り返しても財布はそれほど痛みません。また、アウターやパンツで目立とうとするのはリスキーですが、足元での僅かなお洒落なら、ジョークとして大概ユルしてもらえるハズ。もちろん超個人的な意見です。

以上ご閲覧、誠に有難うございました。

ここで最後に問題です。これらの靴はサイズずばりいくつでしょう? わかるかな?

(※次回は2017年AW展示会メモ、の第二弾を予定)


2017AW展示会メモ(ヘンリーコットンズetc,)

ライターズ・スタイル4

 またまたスミマセン。ゴールデンウイークの慌ただしさがようやく落ち着いて、告知どおり「スリッポン」のページをアップしようとしていたのですが、やってきちゃいました展示会のシーズン。僕等ジャーナリストにとってマストな栄養分である展示会での情報は、前のめりで摂取していかないとそれこそ死活問題。というワケで急遽今季のメンズシーンの動向を、備忘録代わりにアップしていきたいと思う次第。ちなみに僕はこのGW期間中、FB時計別冊の原稿書きに追われており、今はちょうどその後片づけ中。それにしてもFBに携わるのは本当に久しぶりで、なかでもこの時計別冊は初めてのこと。多少の緊張も実はありましたが、今回僕へのお題は「ちょいクラシック顔(の時計)」というコトもあり、自身のライフワークと合致するゆえに、興味を持ちつつ楽しみながら書くことができたのでした。もしもよろしかったら、皆さまもご一読くださいませ。

若い層に絶大な支持を誇る「時計FINEBOYS」。ただしこちらは前号のvol.11。「ちょいクラシック顔」が掲載されるのは6月発売予定となるvol.12です。よろしくお見知りおきを。

 そんなこんなで、今日行ってきたのがヘンリーコットンズの2017AW展示会。いろいろ気になる秋冬期のアイテムが多彩にリリースされていましたが、特に個人的に目に留まったのは、そのコーディネイトの妙でした。英国的なトラッドをベースとしながらも、スポーティな要素と若々しいビビッドカラーを取り混ぜた着こなしは、非常にモダンで好ましいもの。

 なかでもアイテムとしてハッと目に付いたのがネクタイ。これまではこういった着こなしには小紋プリントのウールタイなどがフィーチャーされがちでしたが、来季はやはりストライプの様子。このことに関しては、当ブログの過去ページである「ライターズ・スタイル1」でも触れていますが、いわゆるレジメンやクラブタイが昨今メンズシーンを広く席巻しており、その事実がここでも確認できたのでした。

①レジメンタル・ストライクス・バック。あれ、でもこのストライプの向き、逆ノの字ですね。アメリカかフランスを意識している?

 それともうひとつ気になったのが“巻き物”。つまりスカーフやネッカチーフのこと。来季のヘンリーコットンズではひとつのキーテクニックとして、シルクスカーフを首に巻く着こなしを提案しているのでした。これは兼ねてから僕も取り入れようと数々トライしているテクなのですが、どうも僕がやるとうまくいかない。多分ですが、僕の外人離れした顔にモンダイがあるように思うのです。このことは結構モンダイで、改めて別項を設けて語っていきたいと思います。

②このコーディネイトはバイカーをイメージしたもの。単車好きの僕としては、バイカースタイルが持て囃されることに異論はなく、どんどん応援していくスタンス。

③小紋のシルクチーフが素敵です。このコーディネイト、インにボマージャケットを着込んでいるように見えますが、実はM65アウターのフェイクインナー。手が込んでいます。

④ビビッドなイエローがモダンな若々しさを演出。クラシックなアウターとスポーティなインナーの取り合わせが秀逸。

 それとセーターにも次なる“動き”がありました。これまでセーターのカラーは黒、紺、グレー、ベージュに後はホワイト少々……。そんなド定番ばかりが取りざたされてきたのでした。が、ココに来て挿し色がまたぞろシーンを騒がせつつあるようです。訪れたこの展示会で気になったのはペールピンクのクルーネック。写真ではちょっと分かりづらいのですが、ビンテージ風の加工が施されており、光の加減でややブラウン掛かって見える絶妙に枯れた味わいのピンク色でした。そう、白髪のジイさんなんかがお召しになったらなんともキュートに見えそうな一枚で、似合わない(似合いそうもない)自分がヒジョーにウラめしくヤんなった次第

⑤ピンク色がかわいいセーター。ビンテージ加工はカラーだけでなく、ちょっと毛羽立った味わい深い素材感をも作り出していました。

 そしてもうひとつ。ヘンリーコットンズにおいて2017AWのニュースとなるのが、このタイミングでローンチされた「First Class」。かつて旅を愛したサー・ヘンリー・コットン氏にちなんだトラベル発想のコレクションは、プレミアムなメイド・イン・イタリーがひとつのポイントです。僕個人的にはストレッチの効いたセットアップスーツに目が留まりました。こういった機能素材を駆使したアクティブなスーツは、これからもっともっと増えるハズ。スーツの楽しみがドレスカテゴリーに止まらず、ボーダレスに広がっていくことはクラシック好きの僕にとっても非常に喜ばしいこと。ひょっとしたら僕も今年、一着新調するかもしれません。その時はぜひお知らせしたいと思います。

⑥ネイビー無地のセットアップスーツ。梳毛風ですが実は伸縮性に優れたハイテクな化繊系。そして専用収納袋付きのパッカブル。旅行や出張に便利なこと間違いナシ! 旅以外にも、こういったアクティブなスーツをジャージ代わりにデイリーに着こなしたら小洒落ているように思うのですが、どうでしょう。

(※次回こそ「楽~なスリッポン」をお届け!)