月別アーカイブ: 2014年9月

グレーパンツは濃度ではきわける。

ライトグレーとチャコールグレーの2本を持つ意味

ネイビージャケット&グレーパンツは定番中の定番スタイルです。これが似合わない男性はいないのではないでしょうか。ジャケパンがよくわからないという人は、とりあえず紺色のジャケットとグレーのパンツを買うことから始めれば、絶対にハズすことはありません。

とはいえネイビーも濃いものから薄いものまでありますよね。ここはひとつ、濃い目のものを選んでおきましょう。なぜなら明るい色は、爽やかすぎて、ビジネスに必要な「重厚さ」に欠けるからです。なんとなく、安っぽく、軽い感じなので、初夏から盛夏にかけて、太陽の光がいっぱいの頃に着ることをおすすめします。

では、グレーパンツはどうでしょう。こちらは色の濃い、薄いによって印象が変わりますので、上手に着分けるのが肝心です。どのように変わるかといいますと、濃いグレーはドレッシーで、明るいグレーはスポーティです。

よく「ライトグレーとチャコールグレーは季節で着分けるべき」という話を雑誌でみたり、お店で聞いたりしますけれど、これはどうかと思います。たしかに明るいグレーは、夏場などはいいと思いますけれど、フランネルの明るいグレーは冬に合わないかというとそんなことはないでしょう。

ライトグレーは、もっと明るくなると白パンになりますよね。ネイビージャケットと白パンなら、さわやかなカジュアルスタイルなのですから、ウールのライトグレーパンツもこれに準じるぐらい爽やかなイメージが漂います。

では逆にチャコールなどの濃いグレーはどうでしょう。こちらは突き詰めると、黒のパンツになりますよね。黒はフォーマルな色ですし、ちょっと重たい感じがします。つまりチャコールなど濃いグレーパンツは、ドレス感を強調したいときにはくのです。

なので結論としては、「会社帰りに遊びに行くなら、ライトグレーのパンツ。上司と客先に謝罪にいくならチャコールグレーのパンツ」なのです。


写真はお洒落なスコット・シューマン

天は二物を与えませんでした。

ファッション界に影響を与えるWEBサイトのラインキングが最近発表されました。1位は「THE SARTORIALIST」。アメリカ人ブロガーのスコット・シューマンさんがやってる写真ブログです。

モデルは素人のおじさんがメインでしたが、最近は若い女性も増えています。海外の街角で、お洒落に服を着こなした、味のあるいい顔のおじさんたちを、背景をボカして撮影した写真が人気で、これが引き金になってコンパクトデジの背景ボカし機能が開発されたんじゃないかと思うぐらい。メンズ雑誌のスナップブームの火付け役になったのはたしかで、お洒落度はハンパないです。ブログをきっかけに、スコットさんはカメラマンとしてビッグメゾンのキャンペーンビジュアルを撮影したり、写真集をだしたりして、アメリカンドリームをものにしました。

以前スナップの話でも書きましたが、スナップはブランドミックス、古着ミックスなど、雑誌ではできないスタイリングができるうえ、大げさかもしれませんがモデルの生き様が映しだされるのでとても魅力的です。もし同じような服を着たとしても、別の人では絶対にお洒落に見えないでしょう。なぜなら、お洒落にはパーソナリティが重要だからです。スコットさんの写真は、そのあたりがじつによく滲み出ている人を選んで撮影されています。ときには小物や小技の使い方なんかもフィーチャーされていて、真似はできないけどとても参考になります。

当のスコット・シューマンとは、何度か会ったことがあります。もともとニューヨークでオンワード樫山の仕事をしていたことがあるとのことで、ブログを始めるまではフツーのサラリーマンだったそう。写真が趣味だったということも、とくにないそうです。お洒落なオヤジたちを取り上げたセンスはさすがですが、スコットさん自身がお洒落さんかというと、ぜんぜんそうではありません。いつも短パンにポロシャツだし。背は162〜3㎝ですかね、全身写真が少ないのはセルフプロデュースかと。180㎝ぐらいあったら、たぶん世界を穫れたと思います。それでもガタイがいいのは、いかにもアメリカ人です。顔はちょっと2枚目ですが、体型も含めて、こっそりぼくはスッパマン(鳥山明先生の名作『Dr.スランプ』にでてくるキャラ)と呼んでいます。陽気なアメリカ人の典型みたいな人で、ファッションブロガーとしてはすごいと思うけど。。。友達にはなれないタイプかな。

ただ、彼のすごいところは、「リアルなお洒落は自分自身の中にある」ということを世のなかに知らしめたことです。雑誌というメディアのなかで、特集ページを編集するにあたってテーラードとストリートは絶対に混在できません。ブリオーニのジャケットに、グッチのシャツをあわせたり、リーバイスのデニムをはいたりはできないのです。さらに言うと、モデルのような美しい顔と均整のとれた体型じゃなくても服装がキャラクターに合っていれば、お洒落になれるということを教えてくれたこと。ファッション誌がもっと、ブサイク顔で体型もデブだったり短足だったり、背が低かったりする素人をお洒落にしてくれたら、リアリティもあって人気も出ると思うんですけど、そういう人に本当に似合う服を見つけるのは至難の技なんです。一冊作るのにものすごい時間もかかることでしょう。

THE SARTORIALISTに登場する人たちは、みな何年もかけて自分ににあう服を見つけてきた人たちです。だからお洒落だし、一朝一夕に真似できないのです。でも、逆にいえば、誰でにもお洒落になれるチャンスがあることを教えてくれました。

彼のこと、もっといっぱい書いたんですが、悪口みたいになっちゃっうとこもあったので消しちゃいました。ブログは超おしゃれなので、見たこと無い人はぜひ。


もしゃもしゃ素材警報

ブークレーの寿命やいかに

THE GIGI(これ今季からスタートするブランドなんで、カタカナ表記がまだわかんないんです。ザ・ジジなのか、ザ ジジなのか、THEジジなのか)もそうですし、ラルディーニ、タリアトーレ、エルネストなど、流行りのブランドがこぞって手を出しているのが「もしゃもしゃ素材」です。どういうことかというとモヘアニットのような毛がもしゃもしゃ浮いた素材が、今季のメンズトレンドに大量に出回っているんです。ブークレ素材とも呼ばれています。大阪のおばちゃんのコートみたいな生地ですよね。個人的にはちょっと欲しいんですが自制中です。

なぜかというと、あまりに時代の徒花になりそうで。

大柄チェック、タータンチェックなど、今季が始まる前からトレンドのパターンジャケットが春からずっと流行アイテムだったのですが、秋冬素材を「もしゃもしゃ」に変えてきました。これはたしかに目新しい。それもそのはず、もともとウィメンズ素材でよく使われるものだったんです。そういえば昔の彼女が着てたシビラのコートに、こんなのありましたわ。イタリアのフェルラ社のものがよく使われているのですが、このフェルラ社、レディス生地の名門でした。

面白いと思うんですが、来年着ていて大丈夫かな?という気が。来年も「ブークレー」を紹介しているのだろうか、とちょっと不安なんです。なぜならファッショントレンドが、シンプル傾向に揺り戻してきてるからです。スーツ回帰とか、モノトーン回帰とか、無地とか、早い人はもうそちらに目がいっています。

色柄、おもしろ素材が行き着くとこまで来ているような気がします。もしゃもしゃブークレーもそうですが、カセンティーノみたいな毛玉素材って、ヴィンテージトレンドの一端のように語られてますが、ファッションって右翼化したら左翼傾向、左翼化したら右翼傾向というメトロノームみたいなもので、年々この傾向が早まっているような気がします。ブークレー、カセンティーノ、ヴィンテージって、もう右端の一番端っこのような気がするんです。

昔、先輩が編集会議で「今はやってないモノ特集」を提案したことがありました。曰く、今はやっていない、チノパンとかロールネックとかホワイトジーンズとかを取り上げようというもの。「今はやってないってことは、次流行るかもしれない。だからお洒落に目ざとい人に刺さるはず」。お洒落も行き過ぎると、ただの流行遅れになるんですが、最先端過ぎても、すぐ時代遅れになる危険性があります。この加減、難しいです。とにかくブークレー、来年も継続しているなら、僕は買います。


タートル&ドレスシャツの着方

「とっくり」って呼ばないで

昨日クルーネックニットの話をしたので、今日はタートルニットのお話を。タートルニットも去年ぐらいからメンズファッションではアツいアイテムです。ミドルゲージが去年は多かったと思うんですが、今年はハイゲージもいけそうです。衿は折り返してもぐしゅぐしゅのままでもOK。とにかく、

今年のトレンドはニットを着てればOKな感じです。雪柄のフェアアイルやアランセーターのようなケーブル編みもイケてる感じですが、あれ?アーガイルを見かけませんね。プリングルがリニューアルして、変形アーガイルのニットをリリースしてるの、かわいかったんだけどな。

横道にそれましたが、タートルニットの話でした。去年、ファッション業界ではもう浸透していたんですが、タートルニットの中にシャツを着て襟を立て、剣先を覗かせるという着方がありました。今年は、なんとなく、これがしにくいんですよね。なんとなく今年はタートルを正統に着るのがいいような気がしています。なんだろう、このむず痒い感じ。

特殊な着方って、少人数ならお洒落だけど、大人数だと気持ち悪いというか。タートルのシャツ襟出しってカブるとカッコ悪いな、と。去年、だいぶカブったので、今年はもういいかな、というかんじです。

ちなみにイタリアではタートルニットのことを「マリオーネ・ドルチェビータ」といいます。ジャケットやコートにタートルネックを着るスタイルをさして『ドルチェビータスタイル』と言います。マリオーネはニットのこと。ドルチェビータは「甘い生活」。有名な映画のタイトルなんですが、映画のなかで主演のマルチェロ・マストロヤンニがタートルネックを着ていたから、というのがよく聞くフレーズで、ぐぐってみるといろんな人がいかにみ知った顔で「映画『甘い生活』でマスロトヤンニが着ていたから」と我物顔で書いていますが、TSUTAYAで借りて見たけど

映画のなかでマストロヤンニはタートルネック着てませんから!


今年のウォームビズを、もっとお洒落にするニット

Vよりクルー

もうちょっと寒くなってから書こうと思ってたんですが、思ったより早く気温が下がってきたので。今年流行りそうな、ニットの着こなし方についてのお話しを。

11月ぐらいからでしょうか。通勤スタイルに、ジャケットの中にニットを重ね着しますよね。ネクタイをして、普通はカーディガンかVネックにニットを着るところですが、今年は断然クルーネックを着るのが流行りそうです。去年、イタリアで大流行していたこのスタイル。今年はたくさんのファッション業界人が真似してくるはずです。もうちょっとしたら、秋号のメンズ誌が書店に出回りますが、どのぐらい出てることやら。ファッション業界人だけじゃなくて、ビジネスに着てもなんかちょっと新鮮な着方なのでオススメです。

ただ、ちょっとだけバランスが難しいかもしれません。リブ衿が太いものはやめといたほうがいいでしょう。リブ幅が細めでネックがちょっと広くなってるクルーネックを、ネクタイのノットが覗くぐらいちょっと下に引っ張りながら、タイドアップした上に着るんです。Vゾーンが詰まって見えるので、ニットの色はダークカラーより明るめの色がいいですね。白、ベージュ、グレーなんかは着やすそうですし、淡いブルーやパープル、ピンクなんかも差し色になるので大人可愛い着方になります。

じつはこの着こなしトレンド、嬉しいことがありまして、タンスの肥やしになっていた昔のクルーが着られるんです。昔のクルーニットって、衿がびろーんと伸びちゃってたりしますよね。さすがにビロビロなのはだめですが、ちょっと襟元が伸びてきて、なんとなく着にくかったクルーニットなんかが最適なんです。ブランドによっては、わざとユルめのクルーネックをだしているところもあるくらいです。

ちなみに、肘が出たり、衿元が伸びたニットはアイロンの蒸気をあてると縮めることができます。豆知識です。