ジャケットとシャツの袖丈を見直そう

ちゃんとシャツ袖が出てますか?

たぶん、ほとんどのスーツを着る人ができていないのが、正しい袖丈の設定です。直立して腕をまっすぐ下にのばしたときにも、ジャケットの袖からシャツの袖が覗くのが正しい着方ですが、大抵の場合ジャケット袖からシャツ袖が覗くことはありません。みなさんが思っているより、ジャケットもシャツも、袖丈はずっと短いものなのです。

シャツ袖は手の甲にかかってはいけません。「そんな短い袖丈では、腕を曲げたときに肘がつっぱっていけない」という方、そのシャツの作りがよろしくないのです。あなたの身体とアームホールの位置がきちんとあっていて、肘曲りの余裕も考慮して袖筒を作ったシャツならば、たとえ真上に腕を上げてもシャツ袖がズリ上がることはないんです。ジャケットはシャツ袖が覗く袖丈に詰めたうえで飾りボタンを配置しなくてはなりません。

こういう話をすると、「やっぱりクラシックって難しい」と敬遠されてしまうので、売る側もメディアも実際はなかなかここまで厳密なことは言えません。既成品のシャツで、しっかり身体にあうものと出会えることは稀で、かといって誰もがシャツやスーツをオーダーで揃えているわけではありません。それに、すべての服がオーダーになってしまったらファッション誌は既製服ブランドの広告を掲載することができずにつぶれてしまいます。

きちんと仕立てたジャケットとシャツを着ていただきたいのですが、そういうわけにもいきません。周りに不快感を与えることはないので、多少は目をつむりますが、できればジャケットの袖口は腕のくるぶしよりも短い位置まで詰めて、シャツは手の甲ぎりぎりの位置に袖口がくるように、アームバンド(なければ輪ゴムでもOK!)で調整を。これだけで、あなたのスーツ姿がぐっと見違えるはずです。


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